8月27日から9月10日は「秋の睡眠健康週間」です。期間の中心となる9月3日は、数字の「9」と「3」を「ぐっすり」と読む語呂合わせから、秋の「睡眠の日」に定められました。
睡眠健康週間は、長く眠ることだけを勧める期間ではありません。必要な睡眠時間を取れているか、朝に休まった感覚があるか、寝室や一日の過ごし方が眠りに影響していないかを見てみる機会です。
必要な睡眠時間には年齢や体質による個人差があります。眠った時間だけでなく、朝の目覚め方や日中の眠気にも目を向けると、普段の傾向が分かりやすくなります。
秋の睡眠健康週間は8月27日から9月10日
秋の睡眠健康週間は、9月3日の「睡眠の日」を中心とした前後各1週間です。8月27日から9月10日までの15日間にあたり、睡眠に関する知識を広め、生活習慣を見直すための啓発期間として設けられています。
睡眠健康推進機構は、睡眠の日に合わせて市民向けの公開講座や、学校・企業を対象とした睡眠講座などを行っています。普段の就寝時刻や起床時刻、朝の目覚め方へ目を向ける機会にもなっています。
9月3日は「ぐっすり」の語呂合わせ
秋の睡眠の日が9月3日なのは、「9」と「3」を「ぐっすり」と読む語呂合わせが由来です。
日本では、睡眠健康推進機構が2011年に「睡眠の日」を制定しました。候補となる日を約20日挙げ、日本睡眠学会の会員が投票したところ、国際的な世界睡眠の日に関連する春の日付と、語呂合わせの9月3日がほぼ同じ支持を集めました。
その結果、日本では春と秋の年2回が睡眠の日となり、それぞれの日を中心に睡眠健康週間が設けられています。
春にも睡眠健康週間がある
春の睡眠の日は3月18日です。3月11日から3月25日までが、春の睡眠健康週間にあたります。
3月18日は、睡眠の日が制定された2011年の「世界睡眠の日」が同日だったことに由来します。国際的な世界睡眠の日は毎年、春分の日の前の金曜日に行われるため、日本の春の睡眠の日と日付が一致しない年もあります。
春と秋の年2回あることで、およそ半年ごとに睡眠習慣へ目を向ける機会を持てます。
良い睡眠は時間の長さだけでは決まらない
睡眠を考えるときは「何時間眠ったか」に注目しがちです。しかし、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠時間とともに「睡眠休養感」も重視されています。
睡眠休養感とは、朝起きたときに、睡眠によって休養が取れたと感じられる感覚です。長く寝床にいても疲れが残る場合や、日中に強い眠気がある場合は、時間以外の部分にも目を向ける必要があります。
生活リズム、寝室の明るさや温度、就寝前の過ごし方なども、眠りや朝の調子に関係します。
年代によって睡眠時間の目安は異なる
必要な睡眠時間は、成長や加齢に伴って変化します。厚生労働省の睡眠ガイドでは、年代別に次のような目安が示されています。
| 年代 | 睡眠に関する目安 |
|---|---|
| 小学生 | 9~12時間 |
| 中学生・高校生 | 8~10時間 |
| 成人 | 6時間以上を目安に、必要な睡眠時間を確保 |
| 高齢者 | 床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保 |
成人の「6時間以上」は、6時間眠れば誰にとっても十分という意味ではありません。必要な長さには個人差があるため、朝の休養感や日中の眠気も合わせて考えます。
高齢者の目安にある床上時間(しょうじょうじかん)は、実際に眠った時間ではなく、寝床で過ごした時間です。寝床に長くいるほど十分に眠れるとは限らず、床上時間が長すぎると眠りが浅くなる場合もあります。
床上時間と睡眠時間は同じではない
床上時間とは、寝床に入ってから起き上がるまでの時間です。睡眠時間は、その中で実際に眠っていた時間を指します。
たとえば、午後11時に寝床へ入り、午前0時ごろに眠り、午前7時に起きた場合、床上時間は8時間ですが、睡眠時間は約7時間です。
二つを分けて記録すると、寝つくまでに時間がかかっているのか、夜中に目覚めている時間が長いのかなど、自分の眠り方が見えやすくなります。
睡眠健康週間に見直したい5つの習慣
眠りについて考えるときは、就寝時刻だけを変えるより、朝から夜までの過ごし方を見てみるほうが取り組みやすくなります。
すべてを一度に変える必要はありません。気になる項目を一つ選び、続けられる範囲から試す方法があります。
1.1週間の眠りを記録する
最初に取り組みやすいのは、普段の睡眠を1週間ほど記録することです。
就床時刻、眠りについた時刻、起床時刻、床上時間、睡眠時間、朝の休養感などを書きます。平日と休日を分けると、仕事や学校がある日の睡眠不足や、休日との起床時刻の差に気づきやすくなります。
細かな点数を付ける必要はありません。「よく休めた」「少し眠い」「日中も眠かった」といった短いメモでも、普段の傾向を知る材料になります。
2.朝の光と朝食で生活リズムを整える
朝に光を浴びることは、体内時計の調整に役立ちます。起きたらカーテンを開け、日中は散歩や家事、通勤などで無理のない範囲で体を動かすと、昼と夜のメリハリを付けやすくなります。
朝食を取ることや、就寝直前の夜食を控えることも、睡眠と覚醒のリズムを保つポイントとして挙げられています。毎日まったく同じ生活にする必要はありませんが、起床時刻が大きくずれないようにすると生活リズムを保ちやすくなります。
3.寝室の光・温度・音を見てみる
眠りやすさには、寝室の光、温度、音なども関係します。照明が明るすぎないか、暑さや寒さで途中に目が覚めていないか、外の音やテレビの音が気になっていないかを見てみましょう。
寝具が体に合っているか、掛け布団が暑すぎないかといった点も、朝の体調に影響することがあります。就寝前は部屋の明るさを抑え、スマートフォンなどの強い光を長時間見続けないようにする方法もあります。
4.夕方以降のカフェインと寝酒を見直す
コーヒー、緑茶、紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があります。影響の受け方には個人差がありますが、寝つきが気になるときは、夕方以降に飲む量や時間を記録すると分かりやすくなります。
アルコールを飲むと、一時的に眠りやすく感じることがあります。しかし、眠りの後半に目が覚めやすくなるため、眠るための飲酒は勧められていません。ニコチンも睡眠に影響するものとして挙げられています。
飲んだ時刻と翌朝の休養感をメモすると、カフェインや飲酒と自分の眠りとの関係が見えやすくなります。
5.平日と休日の睡眠時間の差を見る
平日の睡眠不足を休日の長時間睡眠で補おうとすることは、一般に「寝だめ」と呼ばれます。ただし、睡眠を前もって貯めたり、休日だけですべての不足を取り戻したりすることはできないとされています。
休日に平日より長く眠ること自体を、一律に避ける必要はありません。休日の起床時刻が毎週大幅に遅くなる場合は、平日の睡眠時間が足りていない可能性があります。
平日と休日の差が大きいときは、普段の就寝時刻を少し早められないか、朝の予定を詰め込みすぎていないかなどを見直すきっかけになります。
眠ろうと頑張りすぎないことも大切
「早く眠らなければならない」と強く意識すると、緊張してかえって寝つきにくくなる場合があります。就寝前に落ち着いて過ごし、眠気が訪れてから寝床へ入る方法が紹介されています。
仕事や学校の予定、暑さ、生活環境の変化などによって、一時的に眠りにくくなることもあります。寝床で長い時間眠ろうと粘るより、いったん離れて暗めで静かな場所で過ごし、眠気が戻ってから寝床へ入る方法もあります。
一方、寝つけない、途中で何度も目が覚める、朝早く目覚める、眠った感覚が得られないといった状態が続き、日中の生活にも支障が出ている場合は、生活習慣の見直しだけでは対応しにくいことがあります。
強い眠気や睡眠の不調が続くときは、医療機関などへ相談することも選択肢です。
Q&A
まとめ
秋の睡眠健康週間は、9月3日の「睡眠の日」を中心とする8月27日から9月10日までの15日間です。9月3日は「ぐっすり」の語呂合わせから選ばれました。
良い睡眠は、時間の長さだけで決まるものではありません。目覚めたときの休養感、朝の光、日中の活動、寝室環境、カフェインや飲酒の時間なども眠りと関係します。
まずは1週間、就床時刻や睡眠時間、朝の調子を記録すると、普段の傾向が見えやすくなります。気になる項目を一つ選び、生活に取り入れやすい範囲で見直すことが睡眠健康週間の活用方法です。
参考情報
- 睡眠健康推進機構「ねむりん ねっと」
- 睡眠健康推進機構「睡眠の日の制定経緯」
- 厚生労働省「睡眠対策」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 厚生労働省「睡眠チェックシート」
- World Sleep Society「World Sleep Day」
