9月14日は「コスモスの日」と呼ばれています。由来として広く紹介されているのが、3月14日のホワイトデーからちょうど半年後にあたることです。コスモスを添えたプレゼントを夫婦やカップルなどで贈り、相手への気持ちを伝える日とされています。
ただし、誰がいつ始めたのかという詳しい成立経緯は、はっきりしていません。「ホワイトデーから半年後」という説明は広く知られていますが、制定者や制定年まで明らかな記念日ではありません。
コスモスそのものにも、日本の秋を代表する花になるまでの歴史があります。原産地はメキシコで、日本では明治期に広まり、1909年には全国の小学校へ配布されたとする資料もあります。
9月14日がコスモスの日とされるのはなぜ?
9月14日がコスモスの日と呼ばれる由来としてよく知られているのが、ホワイトデーとの関係です。
3月14日のホワイトデーから6か月後が9月14日。この日にコスモスを添えたプレゼントを贈り、夫婦や恋人同士などで愛情や感謝を伝える日とされています。
「9月14日はコスモスの日」「ホワイトデーから半年後」という説明はさまざまな資料で見られます。ただ、記念日がいつ、どのように生まれたのかという詳しい歴史までは明らかになっていません。
コスモスの日は誰が始めたの?
企業や団体が制定した記念日の中には、制定した組織や開始年、目的まで記録されているものがあります。
コスモスの日の場合、9月14日の記念日として紹介されていること自体は図書館資料などでも確認できますが、制定者や制定年を裏付ける一次資料は乏しく、詳しい成立経緯は分かっていません。
現在は、9月14日にコスモスを添えた贈り物をし、大切な相手へ気持ちを伝える日として広く紹介されています。
9月14日はコスモスの見頃なの?
「コスモスの日」という名前から、9月14日がコスモスの見頃だから記念日になったようにも感じられます。
実際には、コスモスの開花時期は品種や地域によって異なります。
一般的なコスモス(学名:Cosmos bipinnatus)はメキシコ原産です。野生種には日が短くなると花を咲かせる性質があり、秋を代表する花として知られています。
一方で、園芸品種には早咲きのものもあり、6月ごろから花を楽しめる場合があります。そのため、9月14日はコスモスを楽しめる時期の一つではありますが、全国のコスモスが一斉に満開になる日ではありません。
黄色やオレンジ色のキバナコスモスは別種
コスモス畑では、ピンクや白だけでなく、黄色やオレンジ色の花を見かけることがあります。
代表的なのが「キバナコスモス(学名:Cosmos sulphureus)」です。名前にはコスモスと付きますが、一般的なコスモスとは別種になります。
キバナコスモスは一般的なコスモスより短日性が弱く、夏から花を咲かせるものがあります。
同じ「コスモス」と呼ばれる花でも、種類によって咲き始める時期は異なります。9月中旬に黄色やオレンジ色のコスモスが目立っていたら、キバナコスモスかもしれません。
「コスモス」という名前にはどんな意味がある?
普段は花の名前として使う「コスモス」ですが、語源はギリシャ語にあります。
コスモスという名称は、「秩序」「飾り」「美しい」などの意味を持つギリシャ語に由来するとされています。
英語の「cosmos」には「宇宙」や「秩序ある世界」といった意味があります。花の名前と宇宙を表す言葉は別々に生まれた無関係な単語ではなく、もとをたどると同じ語源につながっています。
コスモスの原産地はメキシコ
現在の日本では秋らしい風景として親しまれているコスモスですが、日本原産の植物ではありません。
一般的なコスモスの原産地はメキシコです。
日本への渡来時期には、幕末や明治初期など複数の説があります。その後、明治期には各地で栽培されるようになり、日本でも身近な花になっていきました。
1909年に全国の小学校へ配られたとする記録もある
日本でコスモスが広まった過程には、学校との関わりを伝える資料もあります。
『日本大百科全書』では、1909年(明治42年)に文部省が栽培方法を付けて全国の小学校へコスモスを配布し、本格的な普及につながったとされています。
学校で育てられたことも、コスモスが各地へ広まるきっかけの一つになったとされています。
メキシコ原産だったコスモスは日本各地で育てられるようになり、現在では秋を代表する花として公園や花畑、道路沿いなどでも親しまれています。
「秋桜」は何と読む?コスモスとの関係
コスモスには「秋桜(アキザクラ)」という和名があります。
文字の通り、秋に咲き、桜を思わせる花を付けることから生まれた名前です。
現在は「秋桜」と書いて「コスモス」と読む表記も広く見かけますが、植物の和名として「あきざくら」という読みがあります。
メキシコ原産のコスモスが、日本では「あきざくら」という和名を持つほど秋の風景になじみ、季節を代表する花として親しまれるようになりました。
コスモスの日と花言葉にはどんな関係がある?
コスモスの日には、コスモスを添えたプレゼントを贈る日という説明があります。
コスモスには「調和」「真心」「乙女心」などの花言葉も知られています。資料によっては「乙女の真心」とするなど表現に違いがあり、花言葉に一つだけの公式な意味が決まっているわけではありません。
「真心」や「調和」といった言葉は、大切な相手へ気持ちを伝えるコスモスの日のイメージともよく合います。
ただし、これらの花言葉が記念日制定の直接の理由だったことを示す資料は確認されていません。コスモスの日の由来として知られる「ホワイトデーから半年後」という話と、花言葉は分けて考える必要があります。
Q&A
まとめ
9月14日は「コスモスの日」と呼ばれ、3月14日のホワイトデーから半年後であることにちなみ、コスモスを添えて大切な相手へ気持ちを伝える日として広く紹介されています。ただし、誰がいつ始めたのかという詳しい成立経緯は分かっていません。
コスモスはメキシコ原産で、日本への渡来時期には複数の説があります。1909年には全国の小学校へ配布されたとする資料もあり、その後、日本の秋を代表する花として広く親しまれるようになりました。
9月14日にコスモスを見かけたら、花の色だけでなく、一般的なコスモスとキバナコスモスの違いや、「秋桜」という和名にも注目すると、身近な花の背景をより深く知ることができます。
参考情報
- 国立国会図書館 レファレンス協同データベース「9月14日生まれの小学2年生にぴったりの本」
- 国立国会図書館 レファレンス協同データベース「コスモス(花)の日本渡導入の歴史について、参考になる資料はありますか。」
- 京都府立植物園「見ごろの植物情報 平成19年10月19日」
- 茨城県「[秋]コスモス(国営ひたち海浜公園)」
