STGは、日本では「シューティングゲーム」を指す略称として使われることが多い言葉です。ゲーム雑誌や攻略サイト、作品紹介などで、RPG、ADV、ACTと並ぶジャンル表記として見たことがある人もいるでしょう。
ただし、STGは英語圏で必ず通じる一般的な略語というより、日本のゲーム文化でよく見られる表記に近い言葉です。英語圏では shooter(シューティング系ゲーム)、shooting game(シューティングゲーム)、shoot ’em up(撃ちまくるタイプの作品を指すくだけた表現)などが使われることがあります。Britannica Dictionaryでも、shoot ’em up は銃や爆発などが多い映画・番組・ゲームを指すくだけた語として説明されています。
STGと聞くと、縦スクロールや横スクロールの2Dシューティングを思い浮かべる人も多いはずです。一方で、スーパーファミコン版『スターフォックス』のような3Dシューティングもあり、広い意味では「撃つこと」を中心にしたゲーム全般を指す場合もあります。STGという短い言葉を追っていくと、ゲームジャンルの歴史や、日本と海外での呼び方の違いも見えてきます。
STGは「シューティングゲーム」を指す略称として使われる
STGは、日本では「シューティングゲーム」の略称として使われることが多い表記です。敵や標的を撃つことがゲームの中心になり、自機やキャラクターを操作しながら敵の攻撃を避けて進む作品を指します。
STGが指す範囲は文脈によって変わります。広く見れば、銃や武器で敵を倒すゲーム全般もシューティングゲームに含まれます。しかし日本でSTGと書かれる場合、昔ながらのアーケード風シューティングや、縦スクロール・横スクロールの2D作品を思い浮かべる人が少なくありません。
実際に、セガ関連の公式ページでも「東亜プランSTG」「既存STGの枠」といった表現が見られ、シューティングゲームを指す文脈でSTGという略称が使われています。
STGは国際的な共通略語というより、日本のゲーム文化で使われてきたジャンル表記に近い言葉です。英語圏の shooter と、日本語圏の STG は重なる部分がありますが、完全に同じ感覚で使われるとは限りません。
英語圏ではSTGより「shooter」や「shoot ’em up」が使われやすい
日本でSTGと書くと「シューティングゲーム」と受け取られやすい一方、英語圏では同じ感覚でSTGが使われるとは限りません。
英語圏では、撃つゲーム全般を shooter と呼んだり、敵を次々に撃って進むタイプを shoot ’em up と呼んだりします。さらに、shoot ’em up を短くした shmup という呼び方が使われることもあります。
この違いは、単なる英単語の違いだけではありません。日本ではゲームジャンルをアルファベット数文字で略す文化があり、RPG、ADV、ACT、STGのような表記が使われてきました。一方、英語圏では「略称」よりも、shooter や shoot ’em up のような呼び方でジャンルを分けることが多くあります。
海外の文脈では、STGだけでなく shooting game や shoot ’em up といった呼び方も合わせて見ると、ジャンルの意味をつかみやすくなります。
FPSやTPSはSTGに入るのか
広い意味で見れば、FPSやTPSも「撃つこと」を中心にしたゲームです。FPSは first-person shooter(一人称視点シューティング)、TPSは third-person shooter(三人称視点シューティング)を指します。
英語圏では、武器を使って敵を撃つ電子ゲーム全般を electronic shooter game として扱うことがあります。Britannicaでは、電子シューティングゲームの始まりを1962年の『Spacewar!』までさかのぼって紹介しています。
ただし、実際のゲーム分類ではFPSやTPSは独立したジャンル名として扱われることが多くあります。視点、操作感、ステージ構造、対戦形式などが大きく異なるためです。
日本でSTGという場合は、FPSやTPSよりも、戦闘機や自機を操作して弾を避ける2D・3Dのアーケード寄りシューティングを指すことが多めです。広い意味ではシューティングの仲間でも、ジャンル名としては使い分けられる場面が多いと考えると理解しやすくなります。
STGの歴史は初期のビデオゲームとつながっている
シューティングゲームの歴史をたどると、かなり早い時期のコンピューターゲームまで戻ります。Britannicaは、電子シューティングゲームの始まりについて、1962年の『Spacewar!』を重要な出発点として紹介しています。PDP-1というコンピューター上で動作したゲームで、宇宙船を操作しながら相手を撃つ内容でした。
現在の感覚で見ると、画面も操作もとてもシンプルです。それでも「自機を動かす」「相手を撃つ」「相手の攻撃や位置取りを意識する」といった要素は、後のSTGにつながるものがあります。
その後、1978年にタイトーの『スペースインベーダー』が登場します。スペースインベーダー公式サイトでは、同作は1978年6月16日に発表されたゲームとして紹介され、その日が「スペースインベーダーの日」として日本記念日協会に正式認定されたことも説明されています。
『スペースインベーダー』は、シューティングゲームのイメージを多くの人に印象づけた作品です。Britannicaでも、Space Invaders は大ヒットし、日本で100円硬貨の一時的な不足につながったと紹介されています。
STGにはどんな種類があるのか
STGには、固定画面型、縦スクロール型、横スクロール型、3Dシューティングなどがあります。画面の動き方や視点は違っても、自機を操作し、敵を撃ち、攻撃を避けるという基本は共通しています。
固定画面型は、画面全体が大きくスクロールせず、限られた範囲で敵を撃つタイプです。『スペースインベーダー』のように、画面下部で自機を左右に動かしながら、迫ってくる敵を撃つ形式が代表的です。
縦スクロール型は、画面が上方向へ進んでいくように見えるタイプです。自機が下から上へ進む感覚で、敵や弾が上から現れることが多くなります。敵の配置や弾の流れを覚えながら進む作品も多く、アーケード系STGの代表的な形式のひとつです。
横スクロール型は、画面が左右方向へ進むタイプです。機体やキャラクターが横へ進みながら敵を撃つ形式で、地形や障害物の存在感が強い作品もあります。宇宙戦闘だけでなく、ファンタジー調やコミカルな世界観の作品もあり、STGは見た目の幅も広いジャンルです。
3Dシューティングは、奥行きのある空間を進みながら敵を撃つタイプです。任天堂のスーパーファミコン用ソフト『スターフォックス』は、公式ページで「SF3Dシューティング」と紹介され、1993年発売のスーパーファミコン用シューティングゲームとして案内されています。ポリゴンで描かれた3D空間や、スムーズな動きによる飛行感覚も特徴として挙げられています。
2Dの縦・横スクロールとは見た目が大きく違いますが、自機を操作して撃つ、避ける、進むという基本はSTGと共通しています。SFC版『スターフォックス』のような3D型を入れると、STGは「画面が平面的なゲームだけ」ではなく、視点や演出を変えながら広がってきたジャンルだとわかります。
また、STGの派生として弾幕STGと呼ばれるタイプもあります。画面いっぱいに敵弾が広がり、その隙間を避けながら進む作品を指します。見た目のインパクトが強く、難しい印象を持たれやすい一方で、弾の動きや配置を覚えながら少しずつ上達していく楽しさがあります。
ほかにも、全方向に移動して敵を撃つ全方位シューティング、照準を合わせて撃つガンシューティング、アクション要素やレース要素を取り入れた作品などがあります。STGは古いジャンルでありながら、作品ごとにかなり幅があります。
STGの魅力は「撃つ」爽快感だけではない
STGの魅力は、敵を撃つ爽快感だけではありません。むしろ、撃つことと同じくらい大切なのが「避ける」楽しさです。
敵弾を見て、わずかな隙間を抜ける。危険な場面を切り抜けて、次のステージへ進む。この緊張感は、STGならではの魅力です。画面上の情報を見ながら、自分の動きを少しずつ調整していく感覚があります。
さらに、覚える楽しさもあります。敵の出現位置、攻撃パターン、アイテムの取り方を覚えるほど、先へ進めるようになります。反射神経だけでなく、繰り返し遊ぶことで上達を感じやすいジャンルです。
スコアを伸ばす遊び方もSTGと相性がよい要素です。単にクリアを目指すだけでなく、敵を倒す順番、アイテムの回収、連続撃破などを意識すると、同じステージでも遊び方が変わります。昔のアーケードゲームでハイスコアを競う文化と結びつきやすかったのも、このためです。
STGは画面が派手で難しそうに見えることがあります。それでも根本にあるのは「見て、避けて、撃つ」というわかりやすい遊びです。ルールがつかみやすいからこそ、古い作品でも今なお遊びやすさが残っています。
STGはなぜ今も残っているのか
STGは、ゲーム史の初期から続く古いジャンルです。それでも完全に過去のものになったわけではありません。復刻作品、アーケードライクな新作、インディーゲームなどの中で、今も作られ続けています。
理由のひとつは、ゲーム性が伝わりやすいことです。撃つ、避ける、進む。この基本がすぐにわかるため、短い時間でも遊びやすいジャンルです。
もうひとつは、上達が見えやすいことです。最初は越えられなかった場面を、何度も遊ぶうちに突破できるようになる。スコアが伸びる。ボスまで到達できる。こうした手応えが、STGを繰り返し遊びたくなる理由になります。
また、開発者にとっても個性を出しやすいジャンルです。弾の形、敵の配置、音楽、背景、武器システム、スコアシステム、視点の作り方など、限られたルールの中で作品ごとの違いを作れます。2Dでも3Dでも、プレイヤーの動きと敵の配置をどう見せるかで、作品の印象は大きく変わります。
STGは、いつも流行の中心にいるジャンルではないかもしれません。それでも、遊びの芯がはっきりしているため、長く愛され続けています。
Q&A(よくある疑問)
まとめ
STGは、日本では「シューティングゲーム」を指す略称として使われることが多い言葉です。広い意味では「撃つこと」を中心にしたゲームを指しますが、日本では縦スクロールや横スクロールの2Dシューティング、SFC版『スターフォックス』のような3Dシューティングを思い浮かべる人もいます。
歴史をたどると、1962年の『Spacewar!』や1978年の『スペースインベーダー』など、初期のビデオゲーム文化と深くつながっています。シンプルな操作、敵弾を避ける緊張感、繰り返し遊ぶことで上達する感覚が、STGの大きな魅力です。
英語圏ではSTGより shooter、shooting game、shoot ’em up などの呼び方がよく見られ、同じジャンルでも呼び方には違いがあります。略称の意味を知ると、ゲームジャンルの歴史やプレイヤー文化も見えやすくなります。
参考情報
- Britannica Dictionary「shoot-‘em-up」
- Encyclopaedia Britannica「Electronic shooter game」
- Encyclopaedia Britannica「Spacewar!」
- Encyclopaedia Britannica「Space Invaders」
- SPACE INVADERS公式サイト「6月16日はスペースインベーダーの日」
- 任天堂「スターフォックス|ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」
- セガ「アストロシティミニ V|収録タイトル」
