自動ドアが開きにくいのはなぜ?反応を左右する条件と仕組み

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同じ自動ドアでも、すぐに開くときと、目の前まで近づいても反応が遅れるときがあります。

開くタイミングが変わるのは、人や物を見つけるセンサーの検知条件が毎回同じではないためです。ドアへ近づく方向、立つ位置、歩く速さ、服の色、対象の高さなどが反応に関係します。設置されている機器によっても、開き方には違いがあります。

自動ドアが人や物を見つける仕組みから、反応を左右する条件、開かないときに試したいことまで紹介します。


目次

自動ドアの反応は検知条件によって変わる

自動ドアの反応は、設定された検知エリアへの入り方によって変わります。近づく方向や通る位置によって、ドアが開き始めるタイミングに差が出るためです。

正面から入口へ進むと、センサーが見ている範囲へ入りやすくなります。一方、横や斜めから近づいたり、検知エリアの端で立ち止まったりすると、人を捉えるまで時間がかかることがあります。

全国自動ドア協会も、横方向や斜めから近づくとセンサーの検知が遅れ、閉じてくるドアへ接触するおそれがあるとして、正面から通るよう案内しています。

ただし、開きにくくなる理由は通り方だけではありません。服装や荷物、床の状態、センサーの方式、機器の設定など、いくつかの条件が重なって反応が変わります。


自動ドアは人や物をどうやって見つけるのか

自動検出型の自動ドアでは、入口付近にある起動センサーが人や物を検知すると、ドアを動かす装置へ信号が送られます。

ドアの通り道やすぐ近くには、閉じる扉との接触を防ぐための保護センサーも設けられています。人が近づいたことを捉えてドアを開くセンサーと、通行中の人や物を守るセンサーでは役割が異なります。

安全ガイドでは、動いている人だけでなく、ドアの通り道や周辺で立ち止まっている人や物を検知するための保護領域についても説明されています。

自動ドアには、人を自動で見つけるタイプのほか、タッチスイッチや押しボタンを操作して開けるものもあります。センサーを使っているドアでも、すべてが同じ方式とは限りません。

現在広く使われている近赤外線反射方式

現在の自動ドアでは、近赤外線の反射を利用する光線式センサーが広く使われています。

この方式では、床へ近赤外線を照射し、戻ってくる反射光の変化から、人や物が検知エリアへ入ったことを捉えます。床だけを照らしているときと、人が範囲へ入ったときでは、センサーへ戻る光の量が変わるからです。

実際に反応する位置は、近づく速さだけでなく、服や床の色、使われている素材などによっても変わります。センサーの取り付け位置や検知範囲の広さも、ドアが開くタイミングに関わります。

周囲との温度差を捉える熱線式センサー

自動ドアのセンサーには、床や周囲と、検知エリアへ入った人や物との温度差を捉える熱線式もあります。

夏場などに床の表面温度が人体へ近づくと、温度差が小さくなり、センサーが捉えにくくなるケースがあります。台車のように周囲との温度差が小さい物体も、状況によっては反応しにくくなります。

同じ通り方をしても、店舗や建物によって開き方が違うのは、使われているセンサーの方式や検知範囲、設定が同じとは限らないためです。


自動ドアの反応を左右する6つの条件

自動ドアの開き方は、通る人の動きだけで決まりません。服装や荷物、床の状態、機器側の設定なども反応に関係しています。

1.ドアへ近づく方向

自動ドアは、正面から近づく通行者を検知できるように範囲が設定されています。

正面から入口へ向かえば検知エリアへ入りやすくなりますが、壁沿いに進んで横から曲がり込んだり、ドアの直前で斜めに進路を変えたりすると、センサーが反応する位置へ入るのが遅くなります。

前を歩いていた人に続こうとしたとき、ドアがすでに閉じ始めていることもあります。開いているからと横から駆け込まず、ドアの動きを見ながら通ることが大切です。

2.検知エリアへ入る位置

センサーが見ているのは、入口周辺のすべてではありません。床面には、人や物を捉えるための検知エリアが設定されています。

入口の端や壁際から近づくと、検知エリアの外側を進んでしまうことがあります。検知範囲が狭い機器では、近づく角度によってドアの反応が遅く感じられます。

センサーごとに、検知範囲の広さや赤外線を照射する位置は異なります。現在は検知範囲を細かく設定し、さまざまな方向から近づく人を捉えやすくした製品も使われています。

3.歩く速さや立ち止まる場所

歩く速度だけで、自動ドアが開くかどうかが決まるわけではありません。

ただし、検知エリアへ入る手前で立ち止まると、センサーはまだ人が近づいたことを捉えられません。範囲の端をゆっくり進んだときも、設置されている機器によっては開き始めるまで時間がかかります。

反対に、勢いよく駆け込むと、センサーが人を検知していても、扉が十分に開く前に到達するおそれがあります。自動ドアは人を検知した瞬間に全開になるものではないため、扉の動きを確認しながら進みます。

4.服の色や素材

黒い服を着ていると、自動ドアが反応しにくくなるという話があります。

近赤外線反射方式では、床から戻る光と、人や物から戻る光の差を利用しています。黒い服など光を反射しにくい衣服では、この差が小さくなり、センサーが捉えにくくなるケースがあります。

ただし、黒い服を着ると必ず開かなくなるわけではありません。床の色や素材、近づく方向、検知エリアへ入る位置、センサーの性能によっても結果は変わります。

白い服なら必ず早く開くとも限りません。服の色だけではなく、衣服と床から戻る反射光にどの程度の差が生じるかが関係しています。

5.対象の高さや荷物の位置

近赤外線反射方式では、高さの低い物体を捉えにくいことがあります。

背の低い台車などは、センサーが捉える反射光の変化が小さくなり、設置状況によって反応に違いが出る場合があります。荷物を持っていれば、必ず検知されやすくなるわけでもありません。

荷物の高さや位置、素材、検知エリアへ入る角度によって、センサーから見える状態が変わるためです。

小さな子どもと自動ドアを通るときは手をつなぎ、扉が開いたことを確認してから進むとよいでしょう。子どもはドアの近くで急に止まったり、進む方向を変えたりすることがあります。

安全ガイドでも、子どもや車いす使用者、ドアの近くで立ち止まる人などを考慮した保護領域について説明されています。

6.センサーの設定や機器の状態

自動ドアの反応が遅いとき、原因が通る人の側にあるとは限りません。

検知エリアが狭い、赤外線を照射する位置が通行経路と合っていない、センサーが劣化しているといった状態でも反応は悪くなります。

床の色や素材、センサーを取り付ける高さによっても、実際に人や物を捉える位置は変わります。特定の方向から入ったときだけ開きにくい場合は、センサーの角度や設定が通行経路と合っていない可能性があります。

反対に、雪や虫、水たまり、風で揺れる旗や植物などをセンサーが捉え、人がいないのにドアが開くこともあります。人がいない状態で繰り返し開く場合は、周辺の物や機器の状態が関係しているかもしれません。

複数の利用者が同じ場所で反応しにくそうにしている場合は、施設の担当者へ知らせる目安になります。


自動ドアが開かないときに試したいこと

目の前でドアが開かないと、手を振ったり、ガラスの近くまで進んだりしたくなるかもしれません。無理に通ろうとせず、まずは一歩ほど下がってみましょう。

横や斜めから近づいた場合や、検知エリアの手前で止まっている場合は、センサーが人をうまく捉えられていない可能性があります。ドアの正面へ回り、入口に向かって近づき直すと反応が変わることがあります。

タッチスイッチや押しボタンが付いているドアでは、表示に沿って操作します。前の人に続いて通るときも、開いたままだと思い込まず、ドアの動きを確認しながら進みます。

特定の服装の日に限って反応が遅いようなら、衣服の色や素材が関係している可能性もあります。黒い服や光を反射しにくい素材は、センサーの方式や床との組み合わせによって捉えにくくなることがあるためです。

別の服装の日にも同じ場所を通る機会があれば、開き方に違いがあるか見てみるのもよいでしょう。その場で服装を替えるのは難しいため、すぐに通りたいときは、いったん離れてから正面へ近づき直します。

手を振った後に開いた場合は、手や体が検知エリアへ入った可能性があります。何度も手を振るより、少し離れて入り直すほうが試しやすいでしょう。

ドアが閉じかけているときは、隙間へ入り込んだり、動いているガラスへ触れたりしないことも大切です。扉にもたれたり、ドアのすぐ近くで立ち止まったりしないようにします。

同じ自動ドアで何度試しても開かない場合や、ほかの利用者も反応しにくそうにしている場合は、店舗や施設の担当者へ伝えましょう。通り方ではなく、センサーの設定や機器の状態が原因になっていることもあります。


Q&A(よくある質問)

黒い服を着ていると自動ドアは開きにくいですか?

近赤外線反射方式では、黒い服など反射光が少ない衣服を捉えにくいことがあります。ただし、服の色だけで決まるものではありません。床の色や素材、センサーの性能、近づく方向なども反応に関係します。

同じ人でも店舗によって反応が違うのはなぜですか?

店舗や建物ごとに、センサーの方式、検知範囲、取り付け位置、設定が異なるためです。同じ服装や歩き方でも、設置されている機器によって開き始める位置やタイミングが変わります。

ゆっくり歩くと自動ドアは開きませんか?

ゆっくり歩くだけで開かなくなるわけではありません。ただし、検知エリアの手前で止まったり、範囲の端を通ったりすると、開き始めるまで時間がかかることがあります。ドアが十分に開いたことを確認してから通るとよいでしょう。

自動ドアの前で手を振ると開くのはなぜですか?

手を振った後に開いた場合は、手や体の動きがセンサーの検知範囲へ入った可能性があります。反応しないときは手を振り続けず、入口から少し離れて正面から近づき直してみましょう。


まとめ

自動ドアが開きにくいのは、近づく方向や位置、歩く速さ、服の色、対象の高さなどが、センサーの検知条件へ影響するためです。

現在広く使われている近赤外線反射方式では、床と人や物から戻る光の差を利用しています。横や斜めから近づいた場合や、検知エリアの端を通った場合は、開き始めるまで時間がかかることがあります。

反応しないときは扉へ触れず、入口から少し離れた後、正面から近づき直してみましょう。同じ場所で何度も開かない場合や、複数の利用者が困っている場合は、センサーの設定や機器の状態が関係している可能性もあります。

参考情報

  • 全国自動ドア協会「通行者のための安全ガイド」
  • 全国自動ドア協会「自動ドアの安全な通り方」
  • 全国自動ドア協会「スライド式自動ドアの安全ガイドブック」
  • オプテックス株式会社「よくあるご質問 自動ドア機器」
  • ナブコシステム株式会社「自動ドアが反応しない!?原因はセンサーかも・・・」
  • 寺岡オート・ドアシステム株式会社「無目取付光線式反射スイッチ」

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

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