RTSとは何の略?ゲームジャンルの意味・歴史・特徴

ゲーム紹介やレビューを見ていると、「RTS」という言葉を見かけることがあります。

RTSは、Real-Time Strategy(リアルタイム・ストラテジー)の略です。日本語では「リアルタイム戦略ゲーム」と呼ばれることもあります。

特徴をまとめると、時間が止まらない状況の中で、資源を集め、拠点を作り、ユニットを生産しながら、相手との戦いを進めていくゲームジャンルです。

将棋やシミュレーションゲームのように「自分の番を待って考える」タイプとは違い、RTSでは敵も味方も同時に動き続けます。そのため、じっくり考える戦略性と、すばやく判断する操作力の両方が求められます。


目次

RTSとはどんなゲームジャンルなのか

RTSを理解するうえで大切なのは、「戦略ゲーム」でありながら、時間が止まらない点です。プレイヤーが考えている間にも、資源集めや戦闘、敵の行動は進んでいきます。

RTSはReal-Time Strategyの略

RTSは、Real-Time Strategyの頭文字を取った言葉です。

Real-Timeは「リアルタイム」、Strategyは「戦略」という意味です。つまりRTSは、時間が進み続ける中で戦略を立て、部隊や拠点を動かしていくゲームを指します。

たとえば、ターン制のゲームでは、自分の番にじっくり考えてから行動できます。敵の番になれば、今度は相手が行動します。これに対してRTSでは、プレイヤーが迷っている間にも敵は動きます。

資源を集める。
施設を建てる。
兵士やユニットを作る。
敵の動きを見て防衛する。
相手の拠点へ攻め込む。

こうした行動が、止まらない時間の中で同時に進んでいきます。

RTSは、戦略ゲームの一種です。ゲームジャンルとしては、ターン制ではなくリアルタイムで進行する戦略ゲームとして説明されることが多く、典型的なRTSでは資源収集、拠点建設、ユニット操作などが中心になります。

RTSの基本的な流れ

RTSには作品ごとに違いがありますが、典型的な流れはある程度共通しています。

まず、多くのRTSでは資源を集めます。資源は、木材、鉱石、食料、エネルギー、ゴールド、スパイスなど、作品によって名前が変わります。けれど役割は似ています。施設を建てたり、ユニットを作ったり、技術を発展させたりするための材料です。

資源集めが遅れると、軍隊を作るのも遅れます。反対に、資源を効率よく集められると、相手より早く戦力を整えられます。RTSでは、戦闘だけでなく「経済をどう回すか」も大切です。

次に重要になるのが、拠点作りです。

兵士を生産する施設、防衛用の建物、研究施設、資源を運び込む場所などを作り、少しずつ勢力を広げていきます。守りを固めてから攻める人もいれば、早い段階で敵に攻撃を仕掛ける人もいます。資源地を広く押さえる人もいれば、小さな拠点を堅く守る人もいます。

同じゲームでも、拠点の作り方によって展開が大きく変わります。

ターン制ストラテジーとの違い

RTSを理解するには、ターン制ストラテジーとの違いを見るとわかりやすくなります。

ターン制ストラテジーでは、プレイヤーが順番に行動します。自分の番に考え、ユニットを動かし、行動を終えると相手の番になります。チェスや将棋に近い感覚です。

一方、RTSでは番がありません。

プレイヤーが迷っている間にも、敵は資源を集め、兵力を増やし、攻め込んできます。だからRTSでは、考える力だけでなく、判断の速さも重要になります。

ただし、RTSは反射神経だけのゲームではありません。

どこに拠点を作るか。
いつ攻めるか。
相手の作戦をどう読むか。
自分の資源をどこに使うか。

こうした判断が勝敗に関わります。RTSは、スピード感のあるゲームでありながら、戦略性の高いジャンルでもあります。


RTSはどのように広まったのか

RTSの歴史では、『Dune II』の名前がよく出てきます。ただし、RTSの始まりを考えるときは、「最初の1本」を単純に決めるより、先駆的な作品とジャンルを広めた作品を分けて見るほうがわかりやすくなります。

RTSにつながる先駆的な作品

リアルタイムで部隊を動かす戦略ゲームの考え方は、『Dune II』以前の作品にも見られました。

たとえば、1982年の『Legionnaire』、1984年の『The Ancient Art of War』、1989年の『Herzog Zwei』などは、RTSにつながる先駆的な作品として名前が挙げられることがあります。

ただし、これらの作品が現在のRTSと同じ形だったわけではありません。

リアルタイムで動く要素があったり、部隊を指揮したり、戦略的な判断を求められたりする一方で、資源収集、拠点建設、ユニット生産、マウスによる集団操作といった、後にRTSらしい型として定着する要素がすべてそろっていたわけではありません。

そのため、RTSの歴史は「一つの作品から始まった」と見るより、いくつかの試みが積み重なり、少しずつジャンルの形がはっきりしていったと捉えるほうがわかりやすいでしょう。

『Dune』と『Dune II』ではゲーム性が違う

RTSの歴史を語るうえで、よく名前が出るのが『Dune II』です。

同じDune題材のゲームでも、『Dune』と『Dune II』ではジャンルの性格が大きく違います

1992年に発売された『Dune』は、アドベンチャー要素と戦略要素を組み合わせた作品として知られています。一方、同じ1992年に登場した『Dune II』は、資源収集、拠点建設、ユニット指揮をリアルタイムで進める形を広めた作品として、RTSの歴史で特によく語られます。

つまり、『Dune』がそのままRTSだったというより、同じ題材から作られた『Dune II』が、現在のRTSに近い型を広く印象づけたと見るとわかりやすいです。

『Dune II』が広めたRTSらしい型

『Dune II』が重要なのは、RTSらしい要素をわかりやすい形で組み合わせた点です。

資源を集める。
拠点を作る。
ユニットを生産する。
マウスで部隊に指示を出す。
相手の拠点を攻める。

この流れは、その後のRTS作品に大きく受け継がれていきました。

『Command & Conquer』『Warcraft』『StarCraft』『Age of Empires』などの作品は、世界観や操作感、経済システムに違いはありますが、資源管理、拠点運営、ユニット生産、リアルタイムの戦闘というRTSらしい要素を発展させていきました。

そのため、『Dune II』は「RTSの始まりを語るときに避けて通れない作品」といえます。ただし、先駆的な作品が存在したこともあわせて見ると、RTSというジャンルがどのように形作られたのかがより立体的に見えてきます。


RTSの魅力と難しさ

RTSは、マップ全体を見ながら流れを作っていくゲームです。1人のキャラクターを動かすだけでなく、資源、拠点、部隊、敵の動きを同時に考えるところに独特の魅力があります。

マップ全体を動かす楽しさ

RTSの魅力は、全体を見ながら状況を動かす感覚にあります。

アクションゲームのように1人のキャラクターを動かすのではなく、マップ全体を見て、資源、拠点、部隊、敵の動きを同時に考えます。

小さな判断が積み重なって、大きな流れを作るところがRTSの魅力です。

序盤に資源を多めに取ったことで、中盤に強いユニットを出せる。
相手の攻撃を読んで防衛施設を置いたことで、反撃の機会が生まれる。
別の場所に小さな部隊を送ったことで、相手の注意を分散できる。

こうした展開は、RTSならではです。

また、対戦では相手も同じように考えています。相手が早く攻めてくるのか、守りを固めるのか、技術を進めるのか。画面上の小さな動きから相手の狙いを読む楽しさがあります。

RTSでは、盤面全体を見ながら流れを作っていく感覚があります。勝ったときには「自分の判断がうまくつながった」という達成感が生まれやすいジャンルです。

同時進行の忙しさ

一方で、RTSは初心者にとって難しく感じられやすいジャンルでもあります。

理由は、やることが多いからです。

資源を集める。
施設を作る。
ユニットを生産する。
相手の動きを見る。
戦闘で部隊を動かす。
マップの別の場所にも注意する。

これらを同時にこなす必要があります。

RTSでは、資源を集めて施設やユニットを増やす大きな管理と、戦闘中に部隊を細かく動かす操作の両方が重要になります。前者は大きな戦略の流れ、後者はその場の細かな判断に近いものです。

この2つを同時に見なければならないため、RTSは忙しく感じられやすいのです。

さらに、RTSでは時間が止まりません。考えている間にもゲームは進みます。そのため、初心者は「何を優先すればいいのかわからない」と感じやすくなります。

ただ、RTSは最初から完璧に動く必要があるゲームではありません。まずは資源を止めない、ユニットを作り続ける、敵が来たら防衛する。そうした基本だけでも、少しずつ流れが見えてきます。

今も残るRTSの考え方

RTSは、1990年代から2000年代に特に強い存在感を持ったジャンルです。近年は、FPS、MOBA、バトルロイヤル、オープンワールドRPGなど、ほかのジャンルの存在感も大きくなりました。

そのため、RTSは一時期ほどメインストリームの中心にいるジャンルではないかもしれません。

ただし、RTSが消えたわけではありません。過去作のリマスター、新作、RTSの要素を取り入れた作品、ストラテジーとアクションを混ぜた作品など、形を変えながら遊ばれ続けています。

また、RTSに近い考え方は、他ジャンルにも見られます。

資源管理。
マップ支配。
ユニットの相性。
リアルタイムでの判断。
チーム全体の戦略。

こうした要素は、MOBAやタワーディフェンス、戦術シミュレーション、サバイバル系ゲームなどにも見られます。

RTSは単独のジャンル名としてだけでなく、現代のゲームに広く残っている考え方としても見ることができます。


Q&A(よくある疑問)

RTSは何の略ですか?

RTSは、Real-Time Strategyの略です。日本語では「リアルタイム戦略ゲーム」と呼ばれることがあります。時間が止まらない中で、資源を集め、拠点を作り、ユニットを動かして戦略を進めるゲームジャンルです。

RTSとシミュレーションゲームは同じですか?

重なる部分はありますが、同じ意味ではありません。シミュレーションゲームは広い言葉で、経営、都市作り、戦争、生活などさまざまな題材を含みます。RTSはその中でも、リアルタイムで戦略を進めるタイプのゲームを指すことが多いです。

RTSは初心者には難しいですか?

最初は難しく感じやすいジャンルです。資源集め、拠点作り、ユニット操作、戦闘判断を同時に行うためです。ただ、基本の流れを覚えると少しずつ見通しが立ちます。最初は対戦よりも、キャンペーンや弱めのコンピューター相手のモードから始めると遊びやすいです。

RTSとMOBAは関係がありますか?

直接同じジャンルではありませんが、関係はあります。MOBAは1人のキャラクター操作が中心ですが、マップ支配、ユニットや拠点の考え方、リアルタイムでの判断など、RTSと近い要素を持っています。RTSの文化や操作感が、後のジャンルに影響した面もあります。


まとめ

RTSは、Real-Time Strategyの略で、日本語ではリアルタイム戦略ゲームと呼ばれます。

特徴は、時間が止まらない中で資源を集め、拠点を作り、ユニットを生産し、相手と戦うことです。ターン制のように順番を待つのではなく、すべてが同時に進むため、戦略性と判断の速さが組み合わさったジャンルです。

歴史的には、リアルタイムで戦略を進める作品が少しずつ登場し、『Dune II』のような作品が拠点建設、資源収集、ユニット指揮というRTSらしい形を広めました。同じDune題材でも、『Dune』と『Dune II』ではジャンルの性格が違う点も押さえておくと理解しやすくなります。

RTSは少し難しく感じられやすい一方で、マップ全体を見て流れを作る楽しさがあります。今も形を変えながら遊ばれ続けており、現代のさまざまなゲームにもその考え方が残っています。


参考情報

  • MobyGames “Real-time strategy (RTS)”
  • Britannica “Real-time strategy game”
  • Britannica “Dune II”
  • MobyGames “Dune (1992)”
  • Wired “Age of Empires IV and Real-Time Strategy Games’ Rocky History”
  • Britannica “Command & Conquer”

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

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