5月18日は、ふだん何気なく使っている「ことば」に目を向けるきっかけになる「ことばの日」です。
日付は「こ(5)と(10)ば(8)」と読む語呂合わせに由来します。さらに、公式サイトでは「言葉」の「葉」と5月の新緑の瑞々しさを重ねた意味も紹介されています。
「ことばの日」は、正しい言葉づかいだけを考える日ではありません。話し言葉や書き言葉に加えて、手話や点字なども含めた広い意味の「ことば」に目を向ける日です。
普段なにげなく使っている言葉も、選び方ひとつで相手に届く印象が変わります。5月18日をきっかけに、日常の会話や文章、誰かにかける一言を少し振り返ってみると、いつものやり取りも違って見えてきます。
5月18日「ことばの日」とは
「ことばの日」は、毎日の会話や文章だけでなく、手話や点字などを含む広い意味の「ことば」に目を向けるため、5月18日に設けられた記念日です。
日本記念日協会のページでは、「ことばの日」は2019年10月5日に正式に認定登録された記念日で、申請者は「横浜みなとみらいBUKATSUDO連続講座 言葉の企画2019」の企画生とされています。目的は、「ことば」を大切に使い、「ことば」によって人と人が通じ合えることに感謝し、暮らしをより豊かにすることです。
この記念日の特徴は、漢字の「言葉の日」ではなく、ひらがなの「ことばの日」とされている点にあります。
ひらがなの「ことば」は、漢字の「言葉」よりも少しやわらかく見えます。日常の会話、手紙、SNSの短い文章、手話、点字など、さまざまな伝え方を含めて受け止めやすい表記です。
そのため「ことばの日」は、難しい日本語を学ぶ日というより、人と人をつなぐための表現に目を向ける日として考えると、身近に感じやすくなります。
なぜ5月18日が「ことばの日」なのか
5月18日が「ことばの日」とされた理由には、数字の読み方を使った語呂合わせと、5月らしい新緑の季節感が重なっています。
5は「こ」、10は「と」、8は「ば」と読むことができるため、5月18日で「こ・と・ば」となります。日本記念日協会のページでも、日付は5と1と8で「こ・と・ば」の語呂合わせと説明されています。
さらに、ことばの日公式サイトでは、「言葉」の「葉」が5月の新緑の瑞々しさを表しているという思いも紹介されています。5月は木々の葉が鮮やかに広がる季節です。言葉にも、芽吹くような力や、人の気持ちを動かす力があると考えると、5月18日という日付に季節感も重なります。
日本には、数字の読み方を使った記念日が多くあります。「ことばの日」もそのひとつですが、単なる語呂合わせだけで終わらないところに特徴があります。
言葉は毎日使うものです。だからこそ、あらためて意識する機会がないと、つい何気なく使った一言が思っていたより強く伝わることもあります。
5月18日は、普段の言葉を少しだけ振り返るきっかけになる日です。
「言葉」ではなく「ことば」と書く意味
「ことばの日」が漢字ではなくひらがなで表記されるのは、話し言葉や書き言葉だけに限らない、広い意味の「ことば」を表しやすくするためです。
公式サイトでは、漢字の「言葉の日」ではなく、ひらがなの「ことばの日」とした理由について、手話や点字など広い意味での「ことば」を知ってもらいたいという思いが込められていると説明されています。
この視点は、記念日の印象を大きく変えます。
ことばは、声に出すものだけではありません。文字で伝えることも、手話で伝えることも、点字で読むことも、人と人が通じ合うための大切な手段です。
表情や身ぶりを添えて伝えることもあります。短いメッセージで気持ちを届けることもあります。誰かに言われた一言が、長く心に残ることもあります。
ひらがなの「ことば」と書くことで、話し言葉や書き言葉だけに限らない、広い表現として受け止めやすくなります。
ことばの日に考えたい身近なこと
ことばは人との距離を変える
同じ内容を伝える場合でも、ことばの選び方によって相手に届く印象は変わります。
たとえば、何かをお願いするときに「やって」と言うのと、「お願いできる?」と言うのでは、受け取られ方が違います。相手に注意するときも、「なんでできないの」と言うのと、「ここを変えると伝わりやすいかも」と言うのでは、届く温度が変わります。
ことばは、情報を伝えるだけの道具ではありません。相手との距離を近づけることもあれば、思わぬところで遠ざけてしまうこともあります。
もちろん、いつも完璧な言い方を選ぶ必要はありません。気を遣いすぎると、かえって伝えたいことがぼやけることもあります。
それでも、相手がどう受け取るかを少し想像するだけで、言葉の角が取れることがあります。5月18日の「ことばの日」は、そうした普段の一言に目を向けるきっかけになります。
SNS時代は短い言葉の印象も変わりやすい
メールやチャット、SNSが日常になった今は、声に出す言葉だけでなく、短い文章の伝わり方にも意識が向きやすくなっています。
文字だけのやり取りでは、表情や声の調子が伝わりにくいことがあります。軽い冗談のつもりでも冷たく見えたり、短い返事が怒っているように見えたりすることもあります。
たとえば「了解」だけでも、相手との関係や文脈によっては事務的に見えることがあります。「了解、ありがとう」や「助かります」と添えるだけで、印象がやわらぐ場合もあります。
SNSでは、短い言葉がすぐに広がります。誰かを励ます言葉も届きやすい一方で、きつい言葉や決めつけも広がりやすくなります。
ことばの日は、きれいな言葉だけを意識する日ではありません。自分の言葉がどんなふうに届くのかを、少し意識する日として受け止めると、日常に取り入れやすくなります。
方言や手話も「ことば」の一部
「ことばの日」を考えるときは、共通語や書き言葉だけでなく、地域や人によって異なる伝え方にも目を向けられます。
方言も大切なことばです。地域によって表現が違うからこそ、暮らしや文化の違いが見えてきます。たとえば「なおす」という言葉が、地域によって「修理する」にも「片付ける」にも受け取られるように、同じ言葉でも意味が少し変わることがあります。
手話や点字も、ことばの大切な形です。公式サイトでも、ひらがなの「ことばの日」とした背景には、手話や点字などを含めて広い意味での「ことば」を知ってほしいという思いがあるとされています。
ことばは、声を出す人だけのものではありません。見て伝えることば、触れて読むことば、文字で残すことば、身ぶりや表情を添えて伝えることばがあります。
こうした広い意味で考えると、ことばの日は「正しい日本語を使う日」だけではなく、いろいろな伝え方に気づく日でもあります。
ことばの日にできる小さなこと
「ことばの日」は、特別な行事をしなくても、日常の中で少しだけことばに意識を向けられる記念日です。
たとえば、誰かに感謝を伝えるだけでもよいでしょう。「いつもありがとう」「助かったよ」「うれしかった」といった言葉は、思っていても口にしないと伝わりにくいものです。
好きな言葉を書き出してみるのも、ことばの日らしい過ごし方です。本で出会った一文、家族や友人に言われて残っている言葉、自分を励ましてくれた言葉を思い出すと、自分がどんな言葉に支えられてきたかが見えてきます。
普段よく使う言葉を振り返るのもよい方法です。「やばい」「普通に」「とりあえず」などの便利な言葉は、会話を楽にしてくれます。一方で、使いすぎると細かな気持ちが伝わりにくくなることもあります。
SNSやメールの文章を送る前に、少しだけ読み返してみるのもよいでしょう。強く見えないか、誤解されないか、必要な一言が抜けていないか。数秒の見直しで、伝わり方が変わることがあります。
ことばの日は、言葉を正す日というより、言葉との付き合い方を振り返る日です。自分を責めるためではなく、よりよく伝えるための日と考えると、無理なく取り入れられます。
Q&A(よくある疑問)
まとめ
5月18日の「ことばの日」は、「こ(5)と(10)ば(8)」の語呂合わせから生まれた記念日です。2019年10月5日に日本記念日協会によって正式に認定登録され、ことばを大切に使い、人と人が通じ合えることに感謝し、暮らしをより豊かにすることを目的としています。
漢字の「言葉」ではなく、ひらがなの「ことば」とされている点も特徴です。そこには、話し言葉や書き言葉だけでなく、手話や点字なども含めて広く考える意味があります。
ことばは、毎日使う身近なものです。だからこそ、つい何気なく使っていることもあります。5月18日は、誰かにかける一言、SNSに書く短い文章、感謝や謝罪の伝え方に少し目を向けるきっかけになる日です。
参考情報
- 一般社団法人 日本記念日協会「2020年5月18日」
- ことばの日公式ホームページ「5月18日はことばの日」
