ゲーム好きの会話でよく聞く「JRPG」という言葉。なんとなく日本のRPGを指す言葉だとわかっていても、海外RPGと何が違うのかは少し曖昧です。
JRPGは、単に「日本で作られたRPG」という意味だけでなく、物語の進め方、キャラクターの描き方、バトルの見せ方など、ひとつの作風を表す言葉としても使われます。
海外RPGとの違いを見ていくと、JRPGがなぜひとつのジャンルとして語られるのかが見えてきます。
JRPGとは何を指す言葉なのか
もともとは日本のRPGを指す言葉
JRPGは、Japanese Role-Playing Game(ジャパニーズ・ロールプレイングゲーム)の略です。日本語では「日本のRPG」「日本型RPG」に近い意味で使われます。
RPGは、Role-Playing Game(ロールプレイングゲーム)の略です。プレイヤーがキャラクターの役割を担い、成長や冒険を楽しむゲームを指します。
もともとRPGの考え方は、テーブルトークRPGのように、キャラクターを作り、物語の中で選択しながら進む遊びと深く関係しています。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のような作品は、現代的なRPGの流れを語るうえでよく名前が挙がります。
日本では、家庭用ゲーム機の広がりとともに、RPGが独自の形で発展していきました。特に1986年に登場した『ドラゴンクエスト』は、日本の家庭用RPGを広く印象づけた作品のひとつです。
その後、1987年に第1作が発売された『ファイナルファンタジー』なども加わり、物語性の高い日本のRPGは、海外のゲームファンからJRPGと呼ばれるようになっていきます。
JRPGらしさを作る主な特徴
JRPGらしさは、ひとつの条件だけで決まるものではありません。用意された物語を追う進め方、仲間との旅、レベルアップによる成長、コマンド選択やターン制のバトルなど、いくつかの要素が重なって印象を作っています。
ただし、すべてのJRPGが同じ形をしているわけではありません。アクション性の高い作品や自由度の高い作品もあります。
そのため、JRPGは明確な条件で線を引くより、いくつかの特徴が重なった作風として受け取るほうが、言葉の輪郭がはっきりしてきます。
今では「日本風RPG」の意味でも使われる
JRPGという言葉は、作られた国だけで決まるとは限りません。日本で作られたRPGでも、アクション性やオープンワールド要素が強く、一般的なJRPGのイメージから離れて見える作品もあります。
反対に、日本国外で作られたゲームでも、コマンドバトル、仲間との旅、章立ての物語、アニメ調のキャラクター表現などを取り入れていると、JRPG風と呼ばれることがあります。
海外RPGは、英語圏ではWRPG、つまりWestern Role-Playing Game(ウェスタン・ロールプレイングゲーム/西洋型RPG)と呼ばれることもあります。ただ、日本語では「海外RPG」や「欧米RPG」と言ったほうが伝わりやすい場面もあります。
JRPGは、国籍だけでなく「どんな遊び味を持っているか」を表す言葉としても使われています。そのため、JRPGという言葉は国名だけでは説明しきれない面があります。
JRPGと海外RPGの違いはどこにあるのか
物語を追うJRPG、世界を歩く海外RPG
JRPGと海外RPGの違いとしてよく挙げられるのが、物語の進み方です。
JRPGでは、主人公や仲間たちの物語を追いかける作りがよく見られます。用意されたストーリーを進めながら、仲間と出会い、成長し、強大な敵へ立ち向かう流れです。
プレイヤーはキャラクターを操作しますが、物語そのものは映画や漫画のように、ある程度決まった道筋で展開します。仲間との別れや再会、主人公の過去、世界の秘密などを順番に味わっていく作りです。
一方で、海外RPG、とくに欧米で発展したRPGでは、プレイヤーが自分の分身に近いキャラクターを作り、広い世界の中で行動を選ぶ作品も多く見られます。
どの勢力に味方するか、どんな会話を選ぶか、どの順番で冒険するかによって、体験が変わる作りです。物語を読むというより、その世界でどう生きるかを選んでいく感覚に近い作品もあります。
もちろん、すべての作品がこの通りではありません。それでも、JRPGでは「物語を味わう」方向、海外RPGでは「世界に入り込む」方向が目立つ作品が多いです。
主人公の性格が決まっているか、自分で作るか
JRPGでは、主人公に名前や見た目、性格、背景が用意されていることがよくあります。仲間との会話やイベントを通して、その人物の成長を見守る楽しさがあります。
たとえば、主人公が悩みを抱えていたり、仲間との関係が変化したり、物語の中で大きな決断をしたりします。プレイヤーは主人公そのものを自由に作るというより、主人公の旅を一緒に体験する感覚に近いでしょう。
海外RPGでは、主人公をプレイヤー自身で作る作品も多くあります。種族、職業、見た目、能力、会話の選択肢などを決め、自分だけのキャラクターとして世界に入っていく作りです。
どちらが優れているというより、楽しみ方の向きが違います。物語の主人公を見守る楽しさと、自分の分身で冒険する楽しさが、JRPGと海外RPGの印象を分けています。
バトルや成長にも違いが出やすい
コマンドバトルと演出のわかりやすさ
JRPGと聞くと、コマンドを選んで戦うバトルを思い浮かべる人も多いかもしれません。攻撃、魔法、アイテム、防御などを選び、キャラクターの能力や敵の弱点を考えながら戦う形式です。
この形は、家庭用ゲーム機で遊びやすいRPGとして発展してきた流れとも相性がよいものでした。複雑な操作が苦手でも、メニューを選びながら戦えるため、物語を楽しみながら少しずつ成長を感じられます。
近年のJRPGには、アクション性の高い作品も多くあります。それでも、派手な必殺技、仲間との連携、レベルアップによる成長など、バトルの見せ方に「物語の盛り上がり」を重ねる作品は少なくありません。
海外RPGでは、リアルタイムの戦闘、位置取り、装備の組み合わせ、スキル構成など、プレイヤーの選択が戦い方に出やすい作品もあります。バトルそのものより、キャラクターの作り方や世界での選択が体験の中心になる作品も見られます。
レベル上げと仲間の成長が物語に結びつく
JRPGでは、レベル上げや装備集めが、キャラクターの成長と結びついて見えやすい作りになっています。
最初は弱かった主人公たちが、旅を通して強くなり、新しい技を覚え、より大きな敵に挑めるようになる。こうした成長の階段が物語の盛り上がりと重なり、JRPGらしい手触りにつながります。
仲間の成長も印象に残りやすい部分です。最初は頼りなかったキャラクターが、物語の中で過去と向き合い、戦い方や考え方を変えていく。その変化がバトルの強さや新しい技として表れると、プレイヤーにも成長が伝わりやすくなります。
海外RPGにも成長要素はありますが、より自由なビルドに重きが置かれることがあります。剣士として育てるのか、魔法使いにするのか、交渉に強いキャラクターにするのか。プレイヤーの選び方によって、同じゲームでも違う体験になりやすいのです。
JRPGは「仲間と一緒に物語の山を越えていく成長」、海外RPGは「自分の選択でキャラクターを形づくる成長」という見方もできます。
なぜJRPGはひとつの作風として語られるのか
家庭用ゲーム機で遊ばれてきた影響
JRPGがひとつの作風として語られる理由のひとつに、日本で家庭用ゲーム機を中心に発展したことがあります。
パソコン向けRPGでは、文字入力や複雑な操作、広い世界を自由に探索する作りが発展しやすい面がありました。一方で、家庭用ゲーム機では、コントローラーで遊びやすく、テレビ画面で見やすく、テンポよく進められる作りが求められます。
その結果、日本のRPGでは、メニュー式のバトル、わかりやすい画面構成、キャラクター同士の会話、章立ての物語などが発展していきました。
JRPGが「漫画やアニメに近い」と言われることがあるのも、キャラクターの表情や会話、仲間同士の関係を大切にする作品が多いからです。ゲームの進行そのものが、長い物語を読み進める感覚に近い作品もあります。
海外RPGとの境界はだんだん曖昧になっている
昔は、JRPGと海外RPGの違いを比較的分けやすい時期もありました。JRPGは日本の家庭用ゲーム機、海外RPGは欧米のパソコンゲームという印象が強かったためです。
しかし、現在はその境界がかなり曖昧になっています。日本のゲームにもオープンワールドや自由な育成を取り入れた作品があります。海外のゲームにも、JRPG風のコマンドバトルや仲間との物語を重視した作品があります。
そのため、JRPGか海外RPGかをきっちり分けるよりも、どんな体験を楽しめるゲームなのかを見るほうが、今の感覚には合っています。
JRPGは国籍だけで決まるラベルではなく、物語、キャラクター、成長、演出の積み重ねから生まれた作風として見ると、言葉の輪郭がはっきりしてきます。
JRPGと海外RPGは遊びたい気分で選べる
JRPGと海外RPGは、対立するジャンルではありません。どちらもRPGの楽しみ方の違いであり、作品ごとに重なる部分もあります。
仲間との旅をじっくり味わいたいときは、JRPGが合いやすいでしょう。物語が進むにつれて、新しい仲間が加わり、過去が明かされ、関係が変化していく。そうした流れを追う楽しさがあります。
音楽やイベント演出も、JRPGの魅力として語られやすい部分です。街に着いたときの曲、ボス戦の盛り上がり、エンディングの余韻など、ゲーム全体がひとつの物語体験として記憶に残ることがあります。
一方で、自分だけのキャラクターを作りたい人や、物語の結末に選択で関わりたい人は、海外RPGも楽しみやすいでしょう。会話の選択肢、勢力との関係、探索の順番、職業やスキルの組み合わせなど、プレイヤー自身の判断がゲーム体験に影響しやすいからです。
物語をしっかり味わいたい日はJRPG、自由に世界を歩きたい日は海外RPG。その日の気分に合わせて選べるのも、RPGというジャンルの楽しさです。
Q&A(よくある疑問)
まとめ
JRPGとは、Japanese Role-Playing Game(ジャパニーズ・ロールプレイングゲーム)の略で、日本のRPGや日本型RPGを指す言葉です。
ただし現在では、作られた国だけでなく、物語重視、仲間との旅、コマンドバトル、アニメ調の表現など、作風を表す言葉としても使われます。
海外RPGとの違いは、物語と自由度の置き方に出やすいです。JRPGは用意された物語やキャラクターの成長を味わう作品が多く、海外RPGはプレイヤー自身の選択やキャラクター作成の自由度を重視する作品が多い傾向があります。
今では両者の境界はかなり曖昧です。JRPGか海外RPGかをきっちり分けるより、どんな物語を味わえるのか、どれくらい自由に遊べるのかを見て選ぶと、自分に合うRPGを見つけやすくなります。
参考情報
- Collins Dictionary「JRPG definition and meaning」
- Dungeons & Dragons公式サイト「Dungeons & Dragons」
- ドラゴンクエスト公式サイト「ドラクエ・パラダイス」
- ドラゴンクエスト誕生25周年記念ポータルサイト「1986 ドラゴンクエスト〈ファミコン〉」
- ファイナルファンタジーポータルサイト「ABOUT FINAL FANTASY」
- ファイナルファンタジー35周年記念特設ページ
