7月22日は、World Brain Day(世界脳の日)です。世界神経学連合が設けた国際的な啓発日で、日付は同連合が1957年7月22日に設立されたことに由来します。
世界脳の日では、脳や神経をめぐる課題を知ってもらうため、毎年異なるテーマが選ばれます。2026年は「Brain Health: Access for All」を掲げ、脳の健康に関する医療や支援を利用しやすい環境へ目を向けています。
世界脳の日とはどのような日?
世界脳の日は、World Federation of Neurology(世界神経学連合、WFN)が毎年7月22日に行っている啓発活動です。
脳の仕組みや記憶力だけを取り上げる日ではありません。脳や神経に関する知識を広め、病気への理解や必要な支援について考えることを目的としています。世界各地の医療関係者、患者団体、研究者、政策に携わる人、地域の人々などに参加が呼びかけられています。
最初の世界脳の日は2014年
世界脳の日の案は、2013年9月に開かれた世界神経学連合の会議で公表されました。その後、2014年2月に毎年の活動として承認され、同年7月22日に最初の世界脳の日が行われています。
初回のテーマは「Our Brain, Our Future」です。日本語では「私たちの脳、私たちの未来」という意味になります。脳の健康を、一人ひとりの将来や社会との関わりから考えるテーマでした。
世界脳の日が7月22日なのはなぜ?
7月22日は、世界神経学連合の設立記念日に当たります。
世界神経学連合は1957年7月22日、ベルギーのブリュッセルで設立されました。各国の神経学に関わる団体を結び、教育や研究の支援、脳と神経に関する知識の普及などに取り組んでいる組織です。
団体の設立日を脳の健康について考える日にする案が生まれ、2014年から毎年の活動として続いています。
そのため、7月22日という日付は脳の機能が発見された日などではなく、世界の神経学をつなぐ団体が誕生した日に由来します。
毎年テーマが変わるのはなぜ?
脳や神経をめぐる課題には、病気への理解、予防、障害のある人への支援、医療を利用できる環境などがあります。
すべてを一度に詳しく取り上げるのは難しいため、世界脳の日では毎年一つのテーマを設定し、その年に広く知ってほしい課題を紹介しています。
これまでには、てんかん、脳卒中、片頭痛、パーキンソン病、多発性硬化症などが選ばれました。近年は「脳の健康と予防」「障害と脳の健康」「あらゆる年齢の脳の健康」のように、特定の病気に限らないテーマも増えています。
年ごとに異なる課題へ目を向ける
片頭痛がテーマの年には、症状への理解や支援が取り上げられます。障害を扱う年には、生活や社会参加を妨げる壁も焦点になります。
毎年テーマを変えることで、脳の健康を病気、予防、支援、社会参加など、異なる角度から知る機会が生まれます。
過去のテーマを見比べると、その時代にどのような課題を広く伝えようとしていたのかも読み取れます。同じ7月22日でも、年によって注目する内容が違う点が、世界脳の日の特徴です。
2026年のテーマは脳の健康へのアクセス
2026年のテーマは「Brain Health: Access for All」です。日本語では「脳の健康へのアクセスをすべての人に」という趣旨になります。
医療や科学が進歩しても、誰もが同じように診察や支援を受けられるとは限りません。費用、専門家の不足、長い待ち時間、住んでいる地域、周囲の偏見などが、必要なサービスへたどり着く妨げになることがあります。
世界神経学連合は、神経疾患とともに暮らす人が世界で34億人を超えるとしています。2026年は、脳の健康に関する医療や支援へのアクセス格差が取り上げられています。
2026年に掲げられた5つの視点
2026年の活動では、次の5つが中心的なメッセージとして示されています。
- 1.脳の健康はすべての人に関わる
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住んでいる場所や経済状況によって、利用できる医療や支援に大きな差が生まれないことを目指す考え方です。
- 2.早い段階で支援へつながる
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必要な情報や相談先を見つけやすくし、適切な支援へ早めにつながれる環境の重要性が示されています。
- 3.日常に関わる要因へ目を向ける
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2026年の活動では、日々の暮らしや周囲の環境など、脳の健康に関係する身近な要因を知ることも掲げられています。
- 4.身近な地域で支援を受けられるようにする
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専門的な医療や支援が都市部だけに偏らず、住んでいる地域に近い場所でも利用できる体制を目指します。
- 5.啓発を実際の変化へつなげる
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記念日の名前を広めるだけでなく、地域の支援体制や政策など、具体的な変化につなげることも重視されています。
脳の健康は病気の有無だけでは決まらない
「脳の健康」と聞くと、脳や神経の病気がない状態を思い浮かべる人もいるでしょう。
世界保健機関(WHO)は、脳の健康を、考える、感じる、人と関わる、行動する、体を動かすといった幅広い脳機能の状態として説明しています。病気があるかどうかだけでなく、生涯を通してその人が能力を発揮できることも含まれます。
脳は記憶や学習に加え、感覚、感情、運動、周囲とのコミュニケーションにも関わっています。安全な環境、学ぶ機会、人とのつながり、必要なサービスを利用できるかどうかも、脳の健康を考える際の要素です。
世界脳の日では、医療関係者だけでなく、患者団体や地域社会などにも参加が呼びかけられています。脳の健康を個人だけの問題にせず、周囲の環境や支援との関係から考えることも、記念日の目的につながります。
世界脳の日に何かすることはある?
世界脳の日に決まった過ごし方はありません。
関心を持ったときは、まず毎年の公式テーマを知ることから始められます。2026年であれば、脳の健康に関する医療や支援へたどり着きにくい人がいることや、地域によって利用できるサービスに差があることへ目を向ける機会になります。
世界神経学連合が公開している情報を読んだり、関連する講演やイベントを調べたりする方法もあります。家族や友人との会話で、その年のテーマを話題にするだけでも、脳や神経について知るきっかけになるでしょう。
脳の健康について調べる際は、世界保健機関、行政機関、専門学会など、情報の発信元が明確な資料を確認すると安心です。
Q&A
まとめ
7月22日の世界脳の日は、世界神経学連合が1957年の同日に設立されたことに由来します。最初の活動が行われたのは2014年です。
毎年テーマが変わり、脳や神経に関する病気、予防、障害、年齢、支援を受けられる環境など、その年に広く知ってほしい課題が取り上げられます。
2026年のテーマは「Brain Health: Access for All」です。世界脳の日は、脳や神経をめぐる課題と、必要な支援のあり方を知るための記念日です。
参考資料
- World Federation of Neurology「World Brain Day – Background」
- World Federation of Neurology「WFN launches first World Brain Day on 22 July」
- World Federation of Neurology「World Brain Day 2026」
- World Health Organization「Brain health」
