映画、音楽、ゲーム、ライブ、舞台などをまとめて「エンタメ」と呼ぶことがあります。けれど、正式に書こうとすると「エンターテインメント」と「エンターテイメント」のどちらにするか迷うことがあります。
どちらも英語の entertainment をカタカナにした言葉で、意味は大きく変わりません。ただし、新聞や公的な文書、メディア分野では「エンターテインメント」と書かれることが多く、会社名やサービス名では「エンターテイメント」「エンタテインメント」など、固有名詞ごとの表記が使われます。
エンターテインメントとエンターテイメントはどちらが正しい?
一般的な文章で迷った場合は、エンターテインメント を使うと読み手に伝わりやすくなります。
「エンターテインメント」は、英語の entertainment に近い表記として使われやすく、辞書や公的資料、新聞表記でもよく見られます。意味としては、娯楽、演芸、人を楽しませる催しや作品などを指します。
一方で、「エンターテイメント」も完全な誤字とは言い切れません。日本語では、外来語をカタカナにするときに、英語の音の聞こえ方や日本語での発音しやすさによって、複数の表記が生まれることがあります。
より標準的・公的な表記に寄せるなら「エンターテインメント」。日本語として通じる表記の一つとしては「エンターテイメント」も使われる。そう考えると、両方の関係がわかりやすくなります。
なぜ「ン」が入る表記と入らない表記があるのか
迷いやすいのは、「エンターテインメント」と「エンターテイメント」の違いです。
英語の entertainment には、つづりとして n が入っています。そのため、原語のつづりや発音に近づけるなら「エンターテインメント」と書くほうが安定します。
ただし、英語の発音そのものにも揺れがあり、日本語に取り入れるときには「ン」が落ちたように聞こえる形も生まれます。英語の音を日本語のカタカナに置き換えるとき、すべての音を完全に写せるわけではありません。
外来語は、英語の音をそのまま完全に日本語へ写せるわけではなく、日本語の音の仕組みに合わせて形が変わります。その結果、同じ entertainment から複数のカタカナ表記が生まれたと考えられます。
「エンタメ」はどちらの略?
「エンタメ」は、エンターテインメントやエンターテイメントを短くした略語として使われます。
日本語では、長い語が短くなることがよくあります。「デジタルカメラ」が「デジカメ」になるように、「エンターテインメント」も短くなって「エンタメ」と呼ばれるようになりました。
日常会話やニュース見出し、ブログカテゴリなどでは「エンタメ」で十分通じます。反対に、やや改まった文章や正式な分類名では「エンターテインメント」と書くほうが落ち着きます。
たとえば、サイトのカテゴリ名なら「エンタメ」でも違和感なく使えます。短く、読みやすく、検索でも使われやすいからです。ただし、本文中で少し改まって説明する場合や、業界名として書く場合は「エンターテインメント」にすると表記がそろいやすくなります。
固有名詞では表記を変えてはいけない
一般語として書くなら「エンターテインメント」が使いやすい表記ですが、会社名やサービス名、施設名などの固有名詞では注意が必要です。
企業名やブランド名には、「エンターテインメント」だけでなく、「エンターテイメント」「エンタテインメント」など、さまざまな表記が使われています。これは誤字ではなく、その会社やサービスが公式に採用している表記です。
たとえば、会社名に「エンタテインメント」と入っている場合、それを勝手に「エンターテインメント」へ直すと、正式名称ではなくなります。文章全体の表記を統一したい場合でも、固有名詞だけは公式表記を優先する必要があります。
一般語と固有名詞を分けて考えると、表記の迷いはかなり減ります。本文では「エンターテインメント」に統一していても、会社名やサービス名だけは公式表記のままにする、という扱いが現実的です。
ビジネス文書ではどちらを使う?
ビジネス文書やブログ記事、プレスリリース、企画書などで迷うなら、一般語としては エンターテインメント に統一するのがおすすめです。
理由は、英語の entertainment に近く、辞書や公的資料、新聞表記でも使われやすい形だからです。特に「エンターテインメント業界」「エンターテインメント作品」「ライブエンターテインメント」のように、やや改まった文章では「ン」を入れた表記のほうが読みやすくなります。
一方で、くだけた見出しや日常会話では「エンタメ」がよく使われます。
「エンターテイメント」を使う場合は、サイト内や資料内で表記をそろえると読みやすくなります。ひとつの記事の中で「エンターテインメント」と「エンターテイメント」が混ざると、読者には表記ゆれに見えやすいためです。
「エンターテイメント」は使わないほうがいい?
「エンターテイメント」は、絶対に使ってはいけない表記ではありません。
辞書でも「エンターテイメント」や「エンタテイメント」が別表記として扱われることがあり、日常でも普通に通じます。言葉として意味が伝わらないわけではありません。
ただし、一般的な記事や公的寄りの文章で迷った場合、あえて「エンターテイメント」を選ぶ理由はあまり多くありません。標準的な印象を重視するなら「エンターテインメント」。固有名詞なら公式表記。カジュアルに短くするなら「エンタメ」。この3つを分けておくと、場面ごとの表記を選びやすくなります。
表記ゆれが起きるのは外来語らしい現象
「エンターテインメント」と「エンターテイメント」の違いは、単なる誤字の問題ではありません。外来語が日本語に入るときに起こる、音の写し方の揺れです。
英語の音、日本語の発音しやすさ、辞書の採用、新聞や企業の表記、日常会話での略し方。それぞれの影響を受けて、いくつもの形が生まれます。
「コンピューター」と「コンピュータ」、「ウェブ」と「Web」のように、外来語には場面によって表記が揺れるものが多くあります。エンターテインメントも、その一つです。
表記ゆれは、必ずしも悪いものではありません。文章の場面に合わせて選ぶものだと考えると、使い分けがしやすくなります。
Q&A(よくある疑問)
まとめ
「エンターテインメント」と「エンターテイメント」は、どちらも entertainment をもとにしたカタカナ語です。意味は大きく変わらず、娯楽、演芸、人を楽しませる催しや作品を指します。
一般的な文章では、英語のつづりや公的資料・新聞表記に近い「エンターテインメント」を使うと表記が安定します。一方で、「エンターテイメント」も日本語として通じる表記であり、固有名詞ではその会社やサービスの公式表記を優先します。
短く書くなら「エンタメ」もよく使われます。正式寄りなら「エンターテインメント」、カジュアルなら「エンタメ」、固有名詞は公式表記。この3つを押さえておくと、場面に合った使い分けがしやすくなります。
参考情報
- 国立国語研究所「『エンターテインメント』が『エンターテイメント』『エンタメ』といったいろいろな語形で使われるのはなぜですか」
- 国立国語研究所「新『ことば』シリーズ19 外来語と現代社会」
- 毎日新聞校閲センター「『エンタメ』は何の略?」
- コトバンク「エンターテインメント」
- コトバンク「エンタテイメント」
- コトバンク「エンタメ」
