ギルドとクランの違いは?ゲームで呼び名が分かれる理由と語源

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オンラインゲームを遊んでいると、「ギルドに加入する」「クランメンバーを募集する」といった言葉を目にします。

どちらもプレイヤー同士で作るグループのように見えますが、なぜゲームによって呼び方が違うのでしょうか。「ギルドはRPG(ロールプレイングゲーム)、クランは対戦ゲーム」と覚えている人もいるかもしれません。

ギルドとクランには、もともとの言葉が持つ意味や、使われやすいゲームジャンルに違いがあります。ただし、ゲーム全体で統一された厳密な区別があるわけではありません。

現在のゲーム内機能だけを比べるより、それぞれの言葉がどこから来たのかを知ると、呼び名の違いも分かりやすくなります。

目次

ギルドとクランの違いは「言葉のルーツ」にある

ゲームでは似た用途で使われるギルド(Guild)とクラン(Clan)ですが、本来の言葉が持つ背景はかなり異なります。

項目ギルド(Guild)クラン(Clan)
本来の意味・イメージ共通する仕事や関心を持つ人々の組織一族・氏族を中心とした集団
ゲームで見られる傾向MMORPG(大規模多人数参加型オンラインRPG)、ファンタジーRPGなどFPS(一人称視点のシューティングゲーム)、対戦・戦略ゲームなど
連想されやすいもの職業、協力、交流、冒険一族、結束、勢力、仲間
ゲーム全体で共通する定義なしなし

「この条件ならギルド、この条件ならクラン」と決めるゲーム業界共通の規格はありません。

作品によっては、よく似た機能を持つ組織が「ギルド」と呼ばれたり「クラン」と呼ばれたりします。両者の違いを理解する手がかりになるのが、それぞれの語源と歴史的な使われ方です。

ギルドは共通する仕事や目的を持つ人々の組織

英語の「guild(ギルド)」は、同じ職業や共通する関心を持つ人々の組織を表す言葉です。

「guild」という語自体も、古くは「支払い」「拠出」などに関係する言葉と結びついています。語源資料では、古英語でギルドや兄弟団を意味した語と、支払いや貢納などを意味した語が重なり合って現在の語につながったとされています。組織へ加わるための拠出や支払いが、団体を表す意味との橋渡しになったという説明もあります。

歴史をさかのぼると、中世ヨーロッパでは商人や職人などが作る団体がギルドと呼ばれていました。ただし、歴史上のギルドをすべて現代の「職業組合」と同じものとして考えるのは正確ではありません。

地域や時代によって役割は異なり、商業活動や職人の仕事に関わるものだけでなく、宗教的・社会的な役割を担った団体もありました。

ゲームの世界で考えるなら、

「冒険者ギルド」
「商人ギルド」
「魔術師ギルド」

といった名前を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

共通する仕事や技能を持つ者たちが集まり、協力しながら活動するというイメージは、中世ヨーロッパ風のファンタジー作品とも相性がよいものです。

MMORPGやファンタジーRPGでは、プレイヤー組織に「ギルド」という名称が使われる例もよく見られます。ただし、歴史上のギルドがゲームでこの名称が使われる直接の原因になった、と一律に考える必要はありません。

クランの原点は「一族・氏族」

「clan(クラン)」は、一族や氏族などを意味する言葉です。特にスコットランドのクラン制度との結びつきがよく知られています。

英語の「clan」は、ゲール語の「clann」に由来します。「clann」には家族、子孫、一族といった意味があり、英語では15世紀初頭ごろからスコットランド高地地方の社会集団などを示す言葉として使われてきました。

ここだけを見ると、

ギルド=目的によって集まった人々

クラン=血縁で結ばれた人々

という違いのようにも思えます。

しかし、歴史上のクランは、本当の家族や親戚だけで構成されていたわけではありません。

スコットランド国立図書館によると、クランの姓を持っているからといって、元の族長の直接の子孫とは限りません。親族に加えて土地の借主などもクランに属し、クラン制度には族長への忠誠という考え方も関わっていました。

そのため、歴史的なクランは単なる「大きな家族」ではなく、一族を中心として、地域や族長への忠誠、帰属意識などで結びついた集団として捉えると分かりやすくなります。

ゲームで使われるクランでは、血縁関係は前提とされません。一族や結束した集団という言葉のイメージが、同じ名前や旗を掲げて活動するプレイヤー組織とも重なっています。

ゲームではギルドとクランをどう使い分けている?

現在のゲームでは、ギルドとクランの機能はかなり似ています。

メンバーを募集する、専用チャットで交流する、一緒にコンテンツを攻略する、グループ単位で報酬を得る、ほかの集団と競うなど、共通する仕組みを持つ作品は珍しくありません。

呼び名にはある程度の傾向があり、MMORPGやファンタジーRPGでは「ギルド」、FPSや対戦・戦略ゲームでは「クラン」という名称を見かけます。

ただし、これはジャンルごとに決められた規則ではありません。実際の名称や役割は作品によって異なります。

ファンタジーやMMORPGでは「ギルド」がよく使われる

代表例のひとつが『World of Warcraft(ワールド・オブ・ウォークラフト)』です。

同作では、プレイヤーが所属する組織を「Guild(ギルド)」と呼びます。公式のギルド検索機能でも、レイドやPvP(プレイヤー同士の対戦)など、活動内容の異なるギルドを探せる仕組みがあります。

ファンタジー作品では、ゲーム世界そのものに商人や職人、冒険者などの組織が登場することも珍しくありません。

「ギルド」という名称は、単なるゲームシステム上のグループだけでなく、その世界に存在する組織を表す言葉としても使いやすいと考えられます。

対戦・戦略ゲームでは「クラン」が使われる例がある

クランは、FPSや対戦ゲーム、戦略ゲームなどで見かけることの多い名称です。

分かりやすい例が『Clash of Clans(クラッシュ・オブ・クラン)』です。

同作ではプレイヤーがクランを作成したり既存のクランへ参加したりでき、クラン同士で戦う「Clan Wars(クラン対戦)」も用意されています。公式サポートでも、クランへの参加・作成やクラン対戦の仕組みが案内されています。

「同じ集団に属する仲間」「ほかの勢力と対抗する集団」といったクランの語感は、このようなゲームとも重なります。

もっとも、クラン=対戦専用の組織とは限りません。

『Destiny 2(デスティニー2)』では、クランはプレイヤーによって作成・管理されるコミュニティです。一緒にゲームをプレイして進行するだけでなく、交流したりコミュニティを運営したりするための機能も用意されています。

反対に、『World of Warcraft』のギルドにはPvPを活動目的とするものもあります。

つまり、「協力するならギルド」「対戦するならクラン」という分け方はできません。

人数や機能だけを見ても区別できない

ギルドとクランについて、「ギルドは大人数、クランは少人数」と説明されることがあります。

特定のゲームでは、そのような違いがあるかもしれません。しかし、ゲーム全体に当てはまる決まりではありません。

所属可能な人数や役職、共有倉庫、専用チャット、拠点、グループ対戦といった機能は、作品ごとに設定されています。

たとえば『Clash of Clans』のクランは最大50人で構成できます。少なくとも「クラン」という名称だけを理由に、少人数組織だとは判断できない例です。

同じような仕組みでも、ある作品ではギルド、別の作品ではクランと呼ばれることがあります。実際に遊ぶ際は、そのゲーム内で使われている名称に合わせれば迷いにくいでしょう。

ギルドやクラン以外の呼び名もある

プレイヤー組織を表す言葉は、ギルドとクランだけではありません。

ゲームによっては「Alliance(アライアンス:同盟)」「Company(カンパニー:団体・会社)」「Corporation(コーポレーション:企業・法人)」「Faction(ファクション:派閥・勢力)」「Legion(レギオン:軍団)」など、さまざまな名称が使われます。

これらも、名前だけで役割が決まるわけではありません。

アライアンスは複数の組織をまとめる上位集団として使われる場合もあれば、プレイヤー組織そのものの名称になる場合もあります。

ファクションも、プレイヤーが自由に作るグループではなく、ゲーム側があらかじめ設定した大きな勢力を表すことがあります。

同じ単語でもゲームによって役割が変わるため、名称そのものだけでなく、その作品でどのような仕組みとして用意されているかを見る必要があります。

『FINAL FANTASY XIV』では「フリーカンパニー」と呼ばれる

『FINAL FANTASY XIV(ファイナルファンタジーXIV)』では、同じワールドのプレイヤーによる組織として「Free Company(フリーカンパニー)」という名称が使われています。

公式サイトでは、フリーカンパニーをプレイヤーが運営する組織と説明しています。メンバー同士でアイテムやゲーム内通貨のギルなどを共有できるほか、専用チャットを利用でき、拠点となるエステートを購入する仕組みもあります。

機能を見ると、ほかのMMORPGで「ギルド」と呼ばれる組織と似た部分があります。それでも名称はギルドではありません。

同じような仕組みを持っていても、作品によって「ギルド」「クラン」「フリーカンパニー」など呼び方が変わります。組織名もゲームの世界観を形作る要素のひとつといえるでしょう。

Q&A

ギルドとクランはどちらのほうが人数が多い?

名称だけでは判断できません。

「ギルドは大人数、クランは少人数」という違いが当てはまる作品もありますが、ゲーム全体に共通する基準ではありません。

参加できる人数や役職の数、組織の仕組みはゲームごとに設定されています。

クランとチームは同じ?

似た意味で使われる場合はありますが、必ずしも同じではありません。

ゲームによっては「チーム」が一試合や一回の対戦のために作られる一時的な編成を指すのに対し、クランは試合後も所属が続くグループを指します。

一方で、継続的なプレイヤー組織そのものを「チーム」と呼ぶ作品もあります。ゲームによって用語の使い方が違う点には注意が必要です。

FPSなら必ずクランと呼ばれる?

FPSでは「クラン」という名称を見かけることがありますが、すべての作品に共通する決まりではありません。

ジャンルだけで決めつけず、作品内で実際に使われている名称を見ると分かりやすいでしょう。

まとめ

ギルドとクランは、ゲームではどちらもプレイヤー同士の組織を表す言葉として使われますが、全ゲーム共通の明確な境界線があるわけではありません。

違いを理解する手がかりになるのは、それぞれの言葉が持つ背景です。

ギルドは共通する職業や関心を持つ人々の組織を表し、その語源には支払いや拠出に関係する古い言葉が関わっています。クランは一族や氏族を表す言葉で、歴史上は血縁だけでなく族長への忠誠や地域との結びつきも関わっていました。

ゲームでは、傾向としてファンタジーやMMORPGで「ギルド」、FPSや対戦・戦略系ゲームで「クラン」という名称を見かけます。ただし、協力か対戦か、人数が多いか少ないかといった条件だけでは区別できません。

さらに『FINAL FANTASY XIV』の「フリーカンパニー」のように、似た役割を持ちながら独自の名称を採用する作品もあります。

次にゲーム内で組織名を目にしたとき、その言葉の由来にも目を向けてみると、何気ない名称から作品の世界観や設定が少し違って見えるかもしれません。

参考情報

  • Merriam-Webster「Guild Definition & Meaning」
  • Merriam-Webster「Clan Definition & Meaning」
  • National Library of Scotland「Scottish traditional culture」
  • Blizzard Entertainment「Guild & Communities Finder Now Live」
  • Bungie Help「Destiny 2クランに関するガイド」
  • Supercell Support「Creating/Joining a Clan」「Intro to Clan Wars」
  • FINAL FANTASY XIV, The Lodestone「Free Companies」

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

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