ラーメンの麺の硬さはいつから?長浜で育った注文文化の歴史

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ラーメン店で「麺の硬さはどうしますか」と聞かれ、普通やかためを選ぶ注文方法は広く知られるようになりました。博多・長浜系の店では、バリカタやハリガネといった独特な呼び方も見かけます。

麺の硬さ指定が始まった年や、最初に取り入れた店は特定されていません。1950年代に長浜ラーメンの土台が生まれ、提供の早い細麺や替え玉が発達した後、硬さを選ぶ注文方法も博多・長浜系ラーメンの特徴として知られるようになりました。

目次

麺の硬さ指定はいつ始まったのか

長浜ラーメンが生まれた時期は分かっていますが、麺の硬さを指定する注文がいつ始まったのかは明らかではありません。

1950年代に形づくられたのは、魚市場で働く人へ素早くラーメンを提供するスタイルです。創業当時に「普通」「かた」「やわ」といった注文が使われていたのか、硬さが何段階に分けられていたのかは、現在公開されている主な資料からは分かりません。

バリカタやハリガネなどの呼び方についても、長浜ラーメンの誕生時から使われていたと示す情報はなく、それぞれがどの順番で広まったのかも不明です。

長浜・博多系で使われる極細麺には、ゆで時間の違いが食感に表れやすい特徴があります。硬さ指定が定着した詳しい経緯は伝わっていませんが、好みに合わせてゆで加減を調整しやすい麺であることは、この注文方法と深く関わっています。

長浜ラーメンで硬さ指定が知られるようになった背景

麺の硬さ指定を知るうえで欠かせないのが、福岡の魚市場と長浜ラーメンの歴史です。市場で求められた提供の速さが、現在の細麺や替え玉につながりました。

始まりは長浜ではなく大浜だった

長浜ラーメンの代表的な老舗である元祖長浜屋は、昭和27年にあたる1952年に創業しました。当初の営業場所は現在の長浜ではなく、博多区大浜にあった魚市場の近くです。

1955年に福岡市中央卸売市場鮮魚市場が中央区長浜に開場すると、元祖長浜屋などの店も市場とともに長浜へ移りました。市場で働く人たちに親しまれていたラーメンは、やがて長浜ラーメンと呼ばれるようになります。

魚市場では、競りや仕事の合間に短時間で食事を済ませたい人が少なくありませんでした。注文から提供までの速さが求められたことが、ゆで上がりの早い麺へ変化していく背景になりました。

豚骨ラーメン全体の発祥地としては久留米が広く知られています。博多ラーメンと長浜ラーメンも、もともと同じ形から始まったわけではありません。

現在は極細麺や替え玉など共通する特徴が多く、麺の硬さを選ぶ注文方法も博多ラーメンの文化として広く認識されています。

麺は初めから極細だったわけではない

現在の長浜ラーメンといえば、白く濁った豚骨スープと極細のストレート麺を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、創業当時から現在と同じ細さだったわけではありません。

市場の客へ早く提供できるよう、麺は時代とともに細くなりました。現在に近い極細麺になったのは、昭和40年代中頃の1970年前後とされています。

極細麺は短時間でゆで上がる一方、わずかなゆで加減の違いが歯切れや芯の残り方に表れます。早めに湯から上げれば硬さが残り、長めにゆでれば口当たりがやわらかくなります。

店側が客の好みに合わせて仕上がりを調整しやすいのも、こうした麺の特徴があるためです。ただし、極細麺になった時期と硬さ指定が始まった時期を直接結びつける情報は確認されていません。

替え玉と細麺が結びついた理由

長浜・博多系ラーメンでは、一杯目を食べ終えた後に麺だけを追加する替え玉が親しまれています。

細麺はゆで上がりが早い反面、スープに入れてから時間がたつと食感が変化しやすい麺です。最初から大量の麺を丼に入れるより、食べ終える頃に新しくゆでた麺を追加するほうが、歯切れのよい状態を楽しめます。

元祖長浜屋では、客から麺だけを追加してほしいと頼まれたことが、替え玉の始まりとして伝えられています。

替え玉を注文する際には、一杯目と違う硬さを選ぶこともできます。最初は普通、替え玉はかためにすれば、同じスープで麺の食感や小麦の風味の違いを味わえます。

替え玉が硬さ指定を生んだことを示す情報はありません。どちらも極細麺の特徴を生かしやすく、長浜・博多系ラーメンを代表する食べ方として結びついています。

麺の硬さにはどのような種類があるのか

麺の硬さには「やわ」「普通」「かた」「バリカタ」などの呼び方があります。店によっては、さらに硬い仕上がりとしてハリガネや粉落としを用意している場合もあります。

ただし、名称や段階、実際のゆで加減に全国共通の基準があるわけではありません。同じバリカタでも、ゆで時間や食感は店ごとに異なります。

普通、かた、バリカタの三段階だけを設けている店もあれば、やわらかめを含めて選べる店もあります。ハリガネや粉落としを扱わない店も珍しくありません。

硬さの名称を、すべての店に共通する順番として覚える必要はありません。初めて訪れる店では、メニューに表示されている段階から選ぶと迷いにくくなります。

「バリ」は「とても」という意味

「バリ」は、福岡で「とても」「非常に」といった意味に使われる強調の言葉です。バリカタは文字どおり「とても硬い」という意味になります。

バリカタ、ハリガネ、粉落としがラーメンの注文語として使われ始めた時期や発祥店は特定されていません。長浜ラーメンの創業時から、現在と同じ名称が使われていたとも断定できません。

同じ名前でも仕上がりに違いがあるため、店ごとの食感を比べられる点も博多・長浜系ラーメンの楽しみの一つです。

麺の硬さ指定が福岡以外でも知られた背景

長浜・博多系の注文方法が福岡以外で知られるきっかけの一つが、1980年代後半に起きた豚骨ラーメンブームです。

1989年ごろには、首都圏でなんでんかんでんや九州じゃんがら、ふくちゃんなどの豚骨ラーメン店が注目されました。白く濁ったスープ、細いストレート麺、替え玉という食べ方が知られ、その特徴の一つとして麺の硬さを選ぶ注文方法も認識されていきます。

その後、博多・長浜系のラーメン店が各地に増え、バリカタという言葉も福岡以外で通じやすくなりました。

全国に広まったのは、すべてのラーメンで硬さを指定する習慣ではありません。「博多・長浜系の細麺は、好みのゆで加減を選べることがある」という注文文化です。

醤油ラーメンや味噌ラーメン、太麺を使う店などでは、硬さを選べない場合があります。硬さ指定はラーメン全体の決まりではなく、主に細麺を使う豚骨ラーメンで親しまれている注文方法です。

麺は硬いほどおいしいとは限らない

バリカタやハリガネは、博多ラーメンらしい注文として知られています。とはいえ、硬いほど本場らしい、硬いほどおいしいという決まりはありません。

麺の太さや材料、製法、店が基準にしているゆで時間によって、食べやすい硬さは変わります。地元の人が全員バリカタを注文するわけでもありません。

初めて訪れる店では、普通や店のおすすめを選ぶと、その店が基準にしている食感を知りやすくなります。替え玉ができる場合は、二玉目だけ硬さを変えて食べ比べる方法もあります。

麺の硬さとコシも同じものではありません。硬さは主にゆで加減によって変わる食感で、コシはかんだときに感じる弾力に関わります。短時間しかゆでていない麺が、必ずコシの強い麺になるわけではありません。

好みの硬さは人によって異なります。普通やかためなどを食べ比べながら、自分に合う仕上がりを見つけて注文するとよいでしょう。替え玉を利用すれば、一度の食事で異なる硬さを試すこともできます。

Q&A

麺の硬さ指定の発祥店はどこですか?

現在公開されている公式・公的な情報からは、麺の硬さ指定を最初に始めた店や時期を正確に確認できていません。長浜・博多系の細麺と深く結びついた注文文化ですが、発祥店を特定できる情報は見つかっていません。

バリカタは昔から使われていた言葉ですか?

「バリ」は福岡で「とても」を表す言葉です。バリカタがいつからラーメンの注文語として使われ始めたのかは、現在公開されている公式・公的な情報だけでは正確に確認できません。最初に使った店についても、確かな情報は見つかっていません。

麺の硬さはどのラーメン店でも選べますか?

すべての店で選べるわけではありません。主に長浜・博多系など、細麺を使うラーメン店で見られる注文方法です。硬さの名称や段階も店によって異なります。

まとめ

ラーメンの麺の硬さ指定が始まった年や発祥店は、現在も特定されていません。

1950年代に魚市場周辺で長浜ラーメンの土台が生まれ、素早く提供するために麺が細くなりました。現在に近い極細麺になったのは昭和40年代中頃とされ、硬さを選ぶ注文方法も長浜・博多系ラーメンの特徴として知られるようになります。

1989年ごろの豚骨ラーメンブームは、普通、かた、バリカタなどの注文方法が福岡以外で認識されるきっかけの一つでした。硬さの名称や仕上がりには共通の基準がなく、好みも人によって異なります。店ごとの違いを味わいながら、自分に合う硬さを見つけることも長浜・博多系ラーメンの楽しみ方です。

参考情報

  • 元祖長浜屋「元祖長浜屋 公式サイト」
  • 福岡市「魚を食べよう~福岡の『食』を支える鮮魚市場~」
  • 福岡県観光連盟「【福岡グルメ】博多・長浜・久留米の違いとは?とんこつラーメン大解剖!」
  • 新横浜ラーメン博物館「その昔、長浜の麺は意外に太かった」
  • 新横浜ラーメン博物館「全国ご当地ラーメン 博多ラーメン」
  • 新横浜ラーメン博物館「日本のラーメンの歴史」
  • 政府広報オンライン「白濁したとろみのある豚骨スープが特徴の『博多ラーメン』」

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

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