くしゃみが出そうなとき、鼻を押さえたり息を止めたりして「止めよう」とした経験がある人は多いでしょう。しかし実際には、くしゃみはなかなか止められません。
これは意志が弱いからではなく、体が自動的に起こす「反射」が関係しています。
くしゃみは、鼻の中に入った異物を外へ追い出すための防御反応です。脳が自動的に体へ指令を出すため、人の意思で途中から止めることはほとんどできません。
この記事では、くしゃみが起こる仕組みや止めにくい理由、意外と知られていない特徴まで、身近な疑問としてわかりやすく紹介します。
くしゃみは体を守るための反射
鼻に入った異物を外へ出す仕組み
くしゃみは、鼻の中に入った異物を体の外へ出すために起こります。
私たちは普段、呼吸をするたびにさまざまなものを吸い込んでいます。例えば次のようなものです。
- ホコリ
- 花粉
- 細菌やウイルス
- 空気中の微粒子
これらが鼻の粘膜に触れると、体は「異物が入った」と判断します。すると鼻の神経が刺激され、その情報が脳へ送られます。
脳はその刺激を受け取り、異物を外へ出すための動きを体に指示します。
その結果、空気を勢いよく外へ吐き出す動作が起こります。これがくしゃみです。
つまりくしゃみは、体が自動的に行う「鼻の掃除」のような役割を持っています。普段は意識することがありませんが、体を守るために備わった重要な仕組みの一つです。
なぜくしゃみは止められないのか
脳が自動的に起こす「くしゃみ反射」
くしゃみが止めにくい理由は、「くしゃみ反射」と呼ばれる仕組みにあります。
くしゃみは次のような流れで起こります。
- 鼻の粘膜が刺激される
- 神経が脳へ信号を送る
- 脳がくしゃみの指令を出す
- 呼吸に関わる筋肉が一斉に動く
- 空気が勢いよく外へ放出される
この動きは、脳の「脳幹」と呼ばれる部分が自動的にコントロールしています。
つまり、くしゃみは自分の意思で起こしている動作ではありません。体が自動的に反応しているため、途中で止めるのは難しくなります。
これは、膝を軽く叩くと足が跳ねる「膝反射」と同じような仕組みです。
くしゃみはどれくらいの速さで起こる?
くしゃみは想像以上に速い動作です。
くしゃみの瞬間には、次のような動きがほぼ同時に起こります。
- 深く息を吸う
- 喉が閉じて圧力が高まる
- 胸や腹の筋肉が収縮する
- 空気が一気に外へ放出される
このとき吐き出される空気は、時速100km以上になることもあるとされています。
そのため、くしゃみが始まると途中で止めることはほとんどできません。体が一瞬で反射動作を終えてしまうためです。
くしゃみが連続で出るのはなぜ?
くしゃみは1回だけでなく、2回や3回続けて出ることがあります。
異物がまだ残っている可能性
最も多い理由は、鼻の中に刺激の原因が残っていることです。
くしゃみは異物を外へ出すための反応なので、完全に取り除けていない場合、体はもう一度くしゃみを起こして外へ出そうとします。
粘膜が敏感になっている
花粉の時期や風邪のときなど、鼻の粘膜が敏感になっている場合もくしゃみが起こりやすくなります。
少しの刺激でも反応してしまうため、くしゃみが連続することがあります。
このように、くしゃみが続くのは体が異物を外へ出そうとしている自然な反応だと考えられます。
くしゃみを無理に止めるのはよくない?
くしゃみを我慢しようとして、鼻や口を強く押さえる人もいます。
ただし、無理に止めようとするより、ティッシュなどで口元を覆って自然に出す方法が一般的とされています。
くしゃみのときは体の中で強い圧力が発生します。鼻や口を完全にふさいでしまうと、その圧力が体の内部にかかることがあります。
可能性として指摘されているものには
- 耳への圧力
- 鼻の血管への負担
- 喉への負担
などがあります。
くしゃみが出そうなときはティッシュや腕で口元を覆い、自然に出す方が安心です。
光を見るとくしゃみが出る人もいる
くしゃみには少し不思議な現象もあります。
太陽や強い光を見たときにくしゃみが出ることがあり、これは「光くしゃみ反射」と呼ばれています。
光の刺激とくしゃみの神経は脳の近い場所にあるため、光の刺激がくしゃみの神経へ伝わる場合があると考えられています。
この体質は珍しいものではなく、世界ではおよそ10〜30%ほどの人に見られるとも言われています。
Q&A(よくある疑問)
まとめ
くしゃみが止められないのは、体が自動的に行う「くしゃみ反射」が働くためです。鼻に入った異物を外へ出すため、脳が呼吸に関わる筋肉を一斉に動かし、空気を勢いよく外へ吐き出します。
この動きは非常に速く、人の意思で途中から止めることはほとんどできません。また、異物が残っている場合には、くしゃみが続けて起こることもあります。
普段は何気なく起こるくしゃみですが、実は体を守るために備わった大切な仕組みの一つです。身近な現象の背景を知ると、体の働きの面白さが見えてきます。
