βテストとは?種類やαテストとの違い、目的と参加時の注意点

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ゲームやアプリの正式公開前に、「βテスト」「クローズドβテスト」「オープンβテスト」といった言葉を目にすることがあります。さらに、その前段階として「αテスト」が行われることもあります。

βテストは、正式公開や本番提供の前に、利用者に近い環境でソフトウェアを試すテストです。不具合を見つけるだけでなく、さまざまな端末で正しく動くか、操作しにくい部分がないか、多くの人が利用したときに問題が起きないかといった点も調べます。

αテストは開発元に近い環境、βテストは利用者に近い環境で行われる点が主な違いです。ただし、「α→クローズドβ→オープンβ」という順番が、すべての製品で決まっているわけではありません。

目次

βテストとは正式公開前に行われるテスト

βテスト(ベータテスト/beta testing)は、製品やサービスを広く提供する前に、利用者に近い条件でソフトウェアを試すテストです。

ISTQBのソフトウェアテスト用語集では、βテストは開発者側のテスト環境とは異なる場所で、開発組織外の立場によって行われる受け入れテストの一種とされています。受け入れテストとは、システムが利用目的を満たし、受け入れられる状態かを確かめるためのテストです。

ゲームやアプリでは「βテスト」という言葉がさらに広い意味で使われるケースもあります。参加人数や実施期間、利用できる機能は製品によって異なり、「β」と付いていれば同じ条件で実施されるわけではありません。

βテストは新作を初めて公開するときだけのものでもありません。すでに正式提供されているゲームやアプリで、新機能や大規模な更新内容を本番提供する前にβテストを行う製品もあります。

βテストには不具合を見つける目的もある

βテストの重要な目的の一つが、不具合や改善点を正式公開前に見つけることです。

開発中に何度もテストしていても、多くの利用者がさまざまな端末や通信環境で使うと、それまで見つからなかった問題が表面化するケースがあります。特定の端末だけ表示が崩れる、想定外の操作で処理が止まる、通信状態によって接続が不安定になるといった問題です。

不具合以外では、使い勝手の課題が見えてくることもあります。ボタンの位置が分かりにくい、説明を読んでも操作方法が伝わらない、必要な機能を探しにくいといった点です。

ゲームのβテストでは、通常のゲームと同じように遊べるところまで開発が進んでいる場合もあります。そのため、「これだけ遊べるのに、なぜ不具合があるのだろう」と感じる人もいるでしょう。

反対に、不具合や動作の不安定さが目立ち、思うように遊べないと感じるβテストもあります。βテストという名称だけで、完成度や安定性が一定の水準に決まるわけではありません。

遊べる状態まで開発が進んでいても、正式公開へ向けた検証が続いている段階であることがあります。「β版だから不具合があって当然」という意味ではありませんが、まだ見つかっていない問題や改善点を探すこともβテストの役割です。

βテスターから意見や不具合報告を集めることもある

βテストでは、参加者がソフトウェアを使うだけでなく、不具合の報告や操作感についての意見を送ることもあります。

たとえば、不具合が起きた場面、使用していた端末やOS(オペレーティングシステム)、スクリーンショット、クラッシュ(アプリなどが突然終了する現象)に関する情報などです。

ゲームなら「次に何をすればよいか分かりにくかった」「この画面の操作に迷った」といった感想も改善の材料になります。

テスト配信の仕組みによっては、コメントやクラッシュ情報を開発側へ送信できる機能も用意されています。βテストは動作上の問題だけでなく、利用者が製品をどのように使うのかを知る機会にもなります。

少人数では見つけにくい問題を調べられることもある

βテストでは、限られた人数や開発環境だけでは見つけにくかった問題が表面化することもあります。

参加者が増えれば、使われる端末やOS、通信環境、操作方法の組み合わせも増えます。大人数が参加するゲームなら、多数のプレイヤーが同時に接続した際のサーバーの動作やマッチングの挙動などを見る機会にもなります。

ただし、βテストと負荷テストは同じものではありません。

多人数が参加するβテストでサーバーへの負荷を見る場合はありますが、負荷テストは想定される利用量などを与え、システムの性能を調べるために別途実施されることもあります。

すべてのβテストが大人数で行われるわけでもありません。少人数のβテストもあり、目的に応じて参加規模や方法は変わります。

αテストとβテストは何が違う?

αテスト(アルファテスト/alpha testing)は、一般にβテストより開発元に近い環境で行われるテストとして使われる言葉です。

ISTQBの用語集では、αテストは開発者側のテスト環境で、開発組織外の立場によって行われる受け入れテストの一種とされています。βテストでは、そこからさらに開発者側のテスト環境を離れて行う点が異なります。

一方、ゲームやアプリの開発では「αテスト」という名称がもっと広い意味で使われることもあります。一般向けに参加者を募集せず、社内や限られた関係者だけで検証する段階をαテストと呼ぶ例もあります。

逆に、外部の利用者を招待して「クローズドαテスト」を行う製品もあります。αテストだから必ず社内だけで完結するわけではありません。

一般には、α段階では比較的限られた環境や人数で問題を調べ、その後、利用者に近い条件へ広げてβテストを行う流れが見られます。

αとβは完成度を表す数字ではない

α(アルファ)とβ(ベータ)はギリシャ文字で、αが最初、βが2番目に並びます。ソフトウェア開発でも「α版」「β版」という呼び方が広く使われており、一般にはαが先の段階、βがその後の段階として扱われます。

ただし、「αなら50%完成」「βなら90%完成」といった共通の基準はありません。

β版でも大きな変更が残っている製品はありますし、α版でも多くの機能が動く場合があります。名称だけで完成度を正確に判断することはできません。

βテストはクローズドβ・オープンβと呼び分けられることがある

βテストは、そのまま「βテスト」と案内されることがあります。一方、誰が参加できるかを示すため、「クローズドβテスト」や「オープンβテスト」と呼び分ける製品もあります。

クローズドβとオープンβは、βテストの参加範囲を示す呼び方としてよく使われます。製品によっては両方を別のテスト段階として順番に実施することもあります。

クローズドβテストは参加者を限定する

クローズドβテスト(closed beta testing)は、参加できる利用者を限定して行うβテストです。ゲームでは「CBT」と略されることもあります。

事前応募者から抽選する、招待された人だけ参加できる、特定の利用者グループへ提供するといった方法があります。

クローズドβだから必ず少人数とは限りません。大人数が参加していても、誰でも自由に参加できず、運営側が参加者を限定していればクローズドβと呼ばれることがあります。

また、クローズドβでは配信や動画投稿、スクリーンショットの公開などにルールが設けられることもあります。 公開を認めているテストもあれば制限するテストもあり、扱いは参加規約によって異なります。

オープンβテストはより広く参加を受け付ける

オープンβテスト(open beta testing)は、特定の参加者だけを選ぶクローズドβに対して、一定の条件を満たす利用者へより広く参加機会を開く方式です。ゲームでは「OBT」と略されることもあります。

多くの利用者が参加すれば、幅広い端末や通信環境での動作を見る機会が増えます。ゲームでは、多人数が同時に利用したときのサーバーの挙動などを確かめる場合もあります。

ただし、「オープン=誰でも無条件で参加できる」という意味ではありません。

対象地域、対応機種、アカウント、年齢などの条件が設けられたり、参加人数に上限が設定されたりするケースがあります。「オープン」は人数の多さそのものより、参加対象をどのように開いているかを表す言葉です。

α・β・クローズドβ・オープンβの関係

それぞれの違いを並べると、次のようになります。

種類主な位置づけ参加範囲の例
αテスト開発元に近い環境で行われることが多いテスト社内や限られた関係者など。外部参加者を招くこともある
βテスト利用者に近い条件で問題や改善点を確かめるテスト利用者や顧客など
クローズドβ参加者を限定して行うβテスト抽選、招待、指定グループなど
オープンβより広く参加を受け付けるβテスト条件を満たした利用者など

クローズドβとオープンβは、βテストの参加範囲を示す呼び方として使われることが多く、必ず、

α → クローズドβ → オープンβ → 正式版

という順番で進むわけではありません。

たとえば、

αテスト → βテスト → 正式公開

と進む製品もあれば、クローズドβだけを行う製品、βテストを実施しない製品もあります。

βテストで遊べても正式版と同じとは限らない

オープンβまで進むと、ゲームなら多くの機能が利用でき、正式サービスに近い感覚で遊べることもあります。それでも、正式版として提供されている状態と同じとは限りません。

テスト中に見つかった問題が修正されたり、利用者からの意見を受けて操作方法や画面表示、ゲームバランスなどが変更されたりすることがあります。

βテスト中に作ったキャラクターや獲得したアイテムなどのデータも、正式サービスへ必ず引き継がれるわけではありません。テスト終了時に削除される製品もあれば、そのまま引き継げる製品もあります。

利用できる機能、実施期間、課金の有無、データの扱いなどに共通の決まりはありません。正式版に近い内容まで利用できても、テスト段階では仕様が変更される可能性があります。

βテストと体験版は主な目的が異なる

利用者から見ると、βテストも体験版も「正式版の前に遊べるもの」として似て見えることがあります。

ただし、中心となる目的には違いがあります。

体験版は、製品の一部を試してもらい、購入や利用を検討してもらうことを主な目的として提供されることがあります。

βテストでは、不具合の発見、動作の検証、利用者からのフィードバック収集など、正式公開や本番提供へ向けた確認が大きな目的です。

もちろん、βテストが結果的に製品を知ってもらう機会になることもあります。反対に体験版から利用者の意見が集まることもありますが、両者は同じ意味の言葉ではありません。

Q&A

βテストは不具合を見つけるために行うのですか?

不具合の発見は重要な目的の一つです。それ以外にも、利用者の環境で正しく動くか、操作しにくい部分がないか、多くの人が利用した際に問題が起きないかなどを調べ、正式公開へ向けた改善につなげます。

αテストは一般ユーザーが参加できないのですか?

一般向けに募集せず、社内や限られた関係者だけで行われることがあります。一方、外部の利用者を招く「クローズドαテスト」もあるため、αテストが必ず社内だけで行われるわけではありません。

オープンβなら誰でも参加できますか?

広く参加を受け付ける方式ですが、無条件とは限りません。対象地域、対応端末、アカウント、年齢、参加人数などに条件が設けられることがあります。

クローズドβの内容はSNSや動画で公開できますか?

テストによって異なります。配信、動画投稿、スクリーンショットの公開を認めるものもあれば、参加規約で制限するものもあります。公開の可否は各テストのルールによって異なります。

βテストのデータは正式版に引き継がれますか?

共通の決まりはありません。テスト終了時にデータが削除される製品もあれば、正式公開後へ引き継げる製品もあります。特にゲームでは、参加条件とあわせてデータの扱いも確認しておく必要があります。

まとめ

βテストは、正式公開や本番提供の前にソフトウェアを利用者に近い環境で試し、不具合や使いにくさなどを見つけて改善につなげるためのテストです。新しい製品だけでなく、すでに提供されているサービスの新機能などで行われることもあります。

αテストは開発元に近い環境で行われることが多く、一般参加者を募集しないケースもあります。βテストは単に「βテスト」と呼ばれるほか、参加者を限定する「クローズドβ」、より広く参加を受け付ける「オープンβ」と呼び分けられる場合もあります。

ゲームのβテストで十分に遊べる状態になっていても、正式版と同じ段階とは限りません。反対に、不具合や動作の不安定さが目立つテストもあります。βという名称だけでは完成度までは分かりません。参加条件やテストの目的、データの扱いは製品ごとに異なります。

参考情報

  • ISTQB「ISTQB Glossary」
  • JSTQB「シラバス・用語集」
  • Google Play Console ヘルプ「オープンテスト、クローズドテスト、内部テストを設定する」
  • Apple Developer「TestFlight」
  • ISTQB「Certified Tester Performance Testing」

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

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