スポーツの日はなぜ10月?10月10日から変わった理由

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秋になるとカレンダーに現れる「スポーツの日」。現在は10月の第2月曜日ですが、以前の「体育の日」を覚えている人なら、「昔は10月10日ではなかった?」と思うかもしれません。

もともとの体育の日は、1964年東京オリンピックの開会式が行われた10月10日と深い関係があります。ただし、体育の日の成り立ちには東京オリンピック以前の制度も関わっています。その3年前の1961年には、すでに10月に「スポーツの日」という別の制度が設けられていました。

固定日だった10月10日はなぜ動く祝日になり、「体育の日」はなぜ「スポーツの日」へ変わったのでしょうか。現在の祝日になるまでをたどると、同じ10月のスポーツに関する日でも、名称や制度が何度も変わってきたことが分かります。

目次

スポーツの日はなぜ10月の第2月曜日?

現在のスポーツの日は、法律で「10月の第2月曜日」と定められている国民の祝日です。

祝日法では、スポーツの日を「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」日としています。

2026年の場合、第2月曜日にあたる10月12日がスポーツの日です。

しかし、最初から第2月曜日だったわけではありません。前身となる「体育の日」は、毎年10月10日に固定されていました。

日付が変わったのは2000年です。

1998年の祝日法改正によって、体育の日は2000年から「10月の第2月曜日」へ移りました。祝日を月曜日にして土曜日・日曜日と合わせた連休を作り、余暇活動の充実やゆとりある生活につなげることが目的とされました。

このように一部の祝日を月曜日へ移す仕組みは、一般にハッピーマンデー制度と呼ばれています。

そのため、現在のスポーツの日は毎年10月10日になるわけではありません。10月の第2月曜日なので、年によって10月8日から14日の間で日付が変わります。

体育の日が10月10日だった背景には2つの流れがある

体育の日が国民の祝日になったのは1966年です。

祝日法の改正によって、10月10日を「体育の日」とし、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」日とすることが定められました。

10月10日は、その2年前に行われた1964年東京オリンピックの開会式の日でもあります。第18回オリンピック競技大会は1964年10月10日に東京で開幕し、10月24日まで開催されました。アジアで初めて開催されたオリンピックでもあります。

ただし、「東京オリンピックの開会式が10月10日だったから、そのまま体育の日になった」という説明だけでは、由来の一部が抜けてしまいます。

内閣府が示している経緯では、10月10日が選ばれた背景として、1961年のスポーツ振興法で10月の第1土曜日が「スポーツの日」とされていた流れを尊重し、さらに1964年東京オリンピックを記念する意味を加えたことが説明されています。

つまり、体育の日の日付には、

  • 1961年から10月に設けられていた「スポーツの日」
  • 1964年10月10日の東京オリンピック開会式

という2つの流れが関係しています。

1961年にも「スポーツの日」が存在していた

現在と同じ名前なので少し紛らわしいのですが、1961年に制定されたスポーツ振興法には、すでに「スポーツの日」という制度がありました。

当時は、

スポーツの日=10月の第1土曜日

とされ、スポーツについての理解や関心を深め、積極的にスポーツをする意欲を高めるための日とされていました。

ただし、これは現在の国民の祝日「スポーツの日」と同じ制度ではありません。

1966年に10月10日の「体育の日」が国民の祝日として設けられると、スポーツ振興法も改正されます。それまでの「スポーツの日」に関する規定は「体育の日の行事」へと変わりました。

年代順に並べると、

  • 1961年:10月の第1土曜日を「スポーツの日」とする
  • 1964年:10月10日に東京オリンピックが開幕
  • 1966年:10月10日を国民の祝日「体育の日」とする

という流れです。

現在のスポーツの日につながる歴史には、東京オリンピックだけではなく、それ以前から10月にスポーツへ親しむ日を設けていた制度も関わっています。

10月10日は「晴れの特異日」だったから?

10月10日については、「晴れの特異日だったから東京オリンピックの開会式に選ばれた」という話を見聞きすることがあります。

実際、1964年10月10日の東京は、前日までの雨から一転して晴れました。日本オリンピック委員会(JOC)の記録でも、開会式当日は雨が上がり、晴れ渡ったことが紹介されています。

一方で、「10月10日は気象庁が認めた晴れの特異日だから体育の日になった」という説明は正確ではありません。

気象庁は「特異日」について、ある天気が前後の日より多く現れるとされる日を指す言葉ではあるものの、明確な定義はなく、気象庁自身が特異日を決めているわけではないと説明しています。

体育の日の10月10日について公的に示されている制定経緯は、1961年からのスポーツの日を尊重したことと、1964年東京オリンピックの開会式を記念したことです。

「晴れの特異日」という話は、体育の日の日付について示されている公式な制定経緯とは別の話です。

「体育の日」が「スポーツの日」に変わったのは2020年

長く使われてきた「体育の日」という名称は、2020年から「スポーツの日」へ変更されました。

名称変更を定めたのは2018年の祝日法改正です。名前だけではなく、祝日の趣旨も改められています。

以前の体育の日は、

「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」

ことを趣旨としていました。

現在のスポーツの日は、

「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」

日とされています。

では、なぜ「体育」から「スポーツ」へ名称が変わったのでしょうか。

2018年の国会審議では、「体育」という言葉には学校教育としてのイメージが強い一方、「スポーツ」は世界的に広く使われていることが説明されています。

東京2020大会を機にスポーツの価値を世界の人々と分かち合い、各国と協調していくという考えも、名称変更の背景にありました。

学校の授業から「体育」という言葉がなくなったわけではありません。「体育の日」という祝日の名称が「スポーツの日」へ変わったということです。

名前が変わった最初の2年は7月だった

名称変更が始まった2020年には、もう一つ珍しい出来事がありました。

本来ならスポーツの日は10月の第2月曜日ですが、東京2020オリンピック・パラリンピックに合わせた特例によって、2020年は7月24日へ移されました。

当初、7月24日は東京2020オリンピックの開会式が予定されていた日です。その後、大会そのものは新型コロナウイルス感染症の影響で翌年へ延期されましたが、2020年のスポーツの日は7月24日のままでした。

2021年にも特例が設けられ、スポーツの日は7月23日へ移動します。この日は、延期された東京2020オリンピックの開会式が実際に行われた日です。

そして2022年から、通常の「10月の第2月曜日」に戻りました。

そのため、

2020年:7月24日
2021年:7月23日
2022年以降:10月の第2月曜日

という珍しい変化をたどっています。

1964年大会は後の「体育の日」の日付に、東京2020大会は「スポーツの日」の特例移動に関わりました。

半世紀以上の間隔を挟み、二度の東京オリンピックがそれぞれ異なる形で祝日の日付と結び付いています。

「スポーツの日」は現在唯一カタカナを含む祝日名

スポーツの日には、名称そのものにも特徴があります。

2026年現在、内閣府が示している16の国民の祝日の中で、名称にカタカナが含まれているのは「スポーツの日」だけです。

「成人の日」「建国記念の日」「昭和の日」「こどもの日」「海の日」「山の日」「文化の日」などと並べると、「スポーツ」というカタカナ表記が目立ちます。

現在の名称になったのは2020年なので、祝日の歴史自体は1966年の体育の日までさかのぼる一方、「スポーツの日」という現在の呼び名は比較的新しいものです。

さらにさかのぼると、1961年のスポーツ振興法にも同名の「スポーツの日」がありました。

1961年にも同名の日がありましたが、現在の国民の祝日とは別の制度です。

「スポーツの日」という名称は、1961年の制度で一度使われたあと、2020年に国民の祝日の名称として再び使われるようになりました。

まとめ

現在のスポーツの日は、10月の第2月曜日です。2026年は10月12日にあたります。

その前身となる「体育の日」は1966年に誕生し、当初は10月10日の固定祝日でした。日付には、1961年のスポーツ振興法で10月の第1土曜日が「スポーツの日」とされていた流れと、1964年10月10日に東京オリンピックが開幕したことが関係しています。

2000年にはハッピーマンデー制度によって10月の第2月曜日へ移り、2020年には名称も「体育の日」から「スポーツの日」へ変更されました。名称変更直後の2020年と2021年には、東京2020大会に合わせて7月へ移動する特例もありました。

また、10月10日と「晴れの特異日」を結び付ける話がありますが、気象庁が10月10日を特異日として公式に指定しているわけではありません。体育の日の日付について示されている公式な制定経緯とも別の話です。

1961年のスポーツの日、1964年東京オリンピック、1966年の体育の日、2000年の日付変更、2020年の名称変更。 現在のスポーツの日は、こうした変化を経て今の形になっています。

参考情報

  • 内閣府「各『国民の祝日』について」
  • 内閣府「『国民の祝日』について」
  • 衆議院「スポーツ振興法(昭和36年法律第141号)」
  • 衆議院「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律(昭和41年法律第86号)」
  • 衆議院「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律(平成30年法律第57号)」
  • 衆議院「第196回国会 文部科学委員会 第15号」
  • 日本オリンピック委員会(JOC)「東京オリンピック1964 開会式そして日本中を走った聖火リレー」
  • 気象庁「特異日って、何ですか?」

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

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