全国労働衛生週間とは?10月1日から7日の実施内容と歴史

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9月から10月にかけて、会社の掲示板や工場、事業所などで「全国労働衛生週間」という言葉を見かけることがあります。健康に関係する取り組みだと分かっても、いつ行われ、どのような目的を持つのかまでは知らない人もいるでしょう。

全国労働衛生週間は毎年10月1日から7日まで行われ、その前の9月1日から30日までは準備期間です。第1回が実施されたのは1950年(昭和25年)。2026年度には第77回を迎えました。

70年以上続く間に、職場で重視される健康課題も変わっています。現在は年度ごとにスローガンが掲げられていますが、初期には「重点」という形でテーマが示されていました。歴代の内容には、その時代の働く環境や健康への関心も表れています。

目次

全国労働衛生週間は毎年10月1日から7日まで

全国労働衛生週間は、働く人の健康管理や職場環境について関心を高め、それぞれの職場で自主的な労働衛生活動を進めるための全国的な運動です。

厚生労働省と中央労働災害防止協会が主唱しています。2026年度の本週間は10月1日(木)から10月7日(水)まで、準備期間は9月1日(火)から30日(水)までです。

全国労働衛生週間は国民の祝日ではなく、職場の健康管理や作業環境などを見直すための期間として毎年実施されています。

本週間中の取り組みとしては、職場巡視やスローガンの掲示、労働衛生に関する講習会・見学会などがあります。準備期間には、それぞれの職場で日頃の労働衛生活動を点検し、10月の本週間へつなげます。

9月は「職場の健康診断実施強化月間」でもある

準備期間となる9月には、もう一つ職場の健康に関係する取り組みがあります。厚生労働省は毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」と位置づけています。

2013年度から始まったもので、健康診断の実施や、その結果を踏まえた健康管理などについて集中的に周知する期間です。2026年度も9月に実施されています。

全国労働衛生週間の準備期間と同じ月に設定されているため、9月から10月初旬にかけては職場の健康に関する掲示や案内が増える時期でもあります。

第1回が行われたのは1950年

全国労働衛生週間の第1回は、1950年(昭和25年)に行われました。

扱われる健康課題は時代とともに変化しています。1951年度の第2回では職業性疾患や産業結核、1952年度の第3回では健康診断と衛生管理体制などが重点となりました。1954年度には有害な作業環境の把握・改善や、中小企業における衛生管理も取り上げられています。

近年はメンタルヘルスや長時間労働による健康障害、高年齢労働者の健康なども重要なテーマになっています。

初期の内容と現在の内容を比べると、病気や作業環境への対応を中心としていた時代から、働き方や心身の健康まで対象が広がってきたことが分かります。

「労働衛生」は職場環境や作業方法まで含む

「労働衛生」という言葉から、会社で受ける健康診断を思い浮かべる人もいるでしょう。実際には、働く場所の環境や仕事の進め方まで含む幅広い考え方です。

基本的な枠組みとして知られているのが、「労働衛生の3管理」です。

分類主な内容
作業環境管理職場にある有害な要因などを把握し、作業環境を適切に管理する
作業管理作業方法や作業時間などを管理し、働く人への負担や有害要因への接触を抑える
健康管理健康診断などを通して働く人の健康状態を把握する

たとえば粉じんや化学物質を扱う職場では、作業場所の環境や作業方法が重要になります。長時間パソコンを使用する仕事でも、作業姿勢や働く環境は労働衛生と関係します。

労働衛生では、作業環境・仕事の方法・働く人の健康という複数の面を扱います。全国労働衛生週間で健康管理だけでなく、職場巡視や作業環境の点検まで幅広く取り上げられているのも、この考え方とつながっています。

2026年度は第77回で女性の健康課題も取り上げられる

2026年度の第77回全国労働衛生週間では、

「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」

がスローガンに選ばれました。

一般公募された131作品の中から選定されたもので、働く一人ひとりを大切にし、心身ともに健康に働き続けられる職場づくりを表した内容です。

2026年度は、女性の健康課題への対応も重点事項の一つに挙げられています。このほか、高年齢労働者への対応、メンタルヘルス、長時間労働による健康障害の防止、治療と仕事の両立支援、熱中症や化学物質への対策なども扱われています。

オフィス、工場、建設現場などでは、仕事の内容や環境によって健康上の課題が異なります。そのため全国労働衛生週間でも、特定の一分野に限らず幅広いテーマが取り上げられています。

最初の11回は「スローガン」ではなく「重点」だった

現在では年度ごとのスローガンが全国労働衛生週間の象徴になっていますが、歴代の記録を見ると形式にも変化があります。

第1回から第11回までは「重点」、第12回は「目標」、第13回以降は「スローガン」として記録されています。

第1回の1950年度では、労使の労働衛生に対する意識を高めることが重点でした。その後は職業性疾患、健康診断、作業環境、衛生管理など、その時代に職場で重視された課題が取り上げられています。

第13回以降はスローガン形式となり、時代が進むにつれて「健康な職場」「快適な職場」などの表現も見られるようになりました。近年では心の健康や働き方に関係する内容も扱われています。

歴代の重点項目やスローガンには、その時代に重視された職場の健康課題が反映されています。70年以上続いてきた週間だからこそ、その変化自体が働く環境の歴史を伝える資料にもなっています。

全国安全週間とは時期も始まった年も違う

名前が似ているため混同しやすいのが「全国安全週間」です。どちらも厚生労働省と中央労働災害防止協会が主唱していますが、実施される時期や始まった年には違いがあります。

全国安全週間全国労働衛生週間
本週間7月1日~7日10月1日~7日
準備期間6月1日~30日9月1日~30日
第1回1928年1950年
2026年度第99回第77回
主な焦点労働災害防止や安全活動健康管理や職場環境、労働衛生活動

全国安全週間は1928年(昭和3年)に始まり、2026年度で第99回を迎えました。労働災害を防ぐための自主的な活動や、安全意識を高めることなどを目的としています。

一方、全国労働衛生週間では働く人の健康管理や作業環境などに重点が置かれています。実際の職場では安全と衛生が重なる場面もありますが、7月の全国安全週間と10月の全国労働衛生週間は、それぞれ異なる歴史を持つ全国運動です。

まとめ

全国労働衛生週間は毎年10月1日から7日まで行われ、その前の9月1日から30日は準備期間です。1950年に始まり、現在まで70年以上続いています。

準備期間となる9月は「職場の健康診断実施強化月間」にも設定されています。また、労働衛生には健康管理だけでなく、作業環境や仕事の方法など幅広い分野が含まれます。

初期の第1回から第11回までは「スローガン」ではなく「重点」が示され、第13回以降に現在につながるスローガン形式となりました。

職業性疾患や作業環境が大きなテーマだった時代から、メンタルヘルス、高年齢労働者、女性の健康課題なども扱われる現在まで、全国労働衛生週間の歴史には職場の健康をめぐる関心の変化が表れています。

参考情報

  • 厚生労働省「令和8年度『全国労働衛生週間』を10月に実施」
  • 中央労働災害防止協会「全国労働衛生週間実施要綱/歴代スローガン」
  • 厚生労働省「『職場の健康診断実施強化月間』(9月)について」
  • 厚生労働省「職場のあんぜんサイト 労働衛生の3管理」
  • 厚生労働省「令和8年度『全国安全週間』を7月に実施」

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

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