低脂肪牛乳と無脂肪牛乳の違いは?脂肪分・味・栄養を比較

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スーパーの牛乳売り場に並ぶ「低脂肪牛乳」と「無脂肪牛乳」。名前だけを見ると、脂肪が少ないものと、脂肪がまったく入っていないものの違いに思えます。

ところが、日本ではそれぞれに乳脂肪分の基準があり、無脂肪牛乳も乳脂肪分が必ず完全な0%という意味ではありません。 さらに、よく似た「低脂肪乳」という商品でも、表示を見ると加工乳や乳飲料に分類されている場合があります。

脂肪分はどのくらい違うのか、味や栄養成分はどう変わるのか。牛乳パックを見るときに知っておきたい違いを紹介します。

目次

低脂肪牛乳と無脂肪牛乳の一番の違いは乳脂肪分

低脂肪牛乳は乳脂肪分0.5%以上1.5%以下、無脂肪牛乳は0.5%未満と定められています。

日本の「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」では、種類別「牛乳」も含めて次のような基準があります。

種類乳脂肪分無脂乳固形分原料
牛乳3.0%以上8.0%以上生乳100%
低脂肪牛乳0.5%以上1.5%以下8.0%以上生乳100%
無脂肪牛乳0.5%未満8.0%以上生乳100%

種類別「牛乳」は乳脂肪分3.0%以上なので、低脂肪牛乳では乳脂肪分がかなり少なくなっています。

さらに名前から誤解しやすいのが「無脂肪牛乳」です。基準は乳脂肪分0.5%未満なので、ごく少量の乳脂肪分が残っている商品でも無脂肪牛乳に分類されます。

「無脂肪牛乳」と「脂質0g」は同じ表示ではない

「無脂肪」という言葉を見ると、「脂質0g」や「脂質ゼロ」と同じ意味にも見えますが、基準となる制度が異なります。

「無脂肪牛乳」は牛乳類の種類別名称で、乳脂肪分0.5%未満という規格があります。一方、栄養成分表示で脂質を「0g」と表示する場合や、「脂質ゼロ」などと表示する場合には、食品表示基準による別の条件があります。

つまり、「無脂肪牛乳」と「脂質0g」は同じ意味の表示ではありません。

牛乳パックでは、「種類別名称」と「栄養成分表示」がそれぞれ別の情報を示しています。

低脂肪牛乳も無脂肪牛乳も生乳から作られる

低脂肪牛乳や無脂肪牛乳は、普通の牛乳に水を加えて薄めたものではありません。

どちらも生乳をもとに、そこから乳脂肪分を取り除いて作られる牛乳類です。低脂肪牛乳では乳脂肪分の一部を、無脂肪牛乳ではほとんどすべての乳脂肪分を除き、それぞれの規格に合わせます。

乳脂肪分を分ける方法の一つが遠心分離です。牛乳を高速で回転させ、成分の比重の違いを利用して脂肪分を分離します。

飲み口が軽く感じられるのは、水で薄めているからではなく、乳脂肪分が少なくなっていることが大きく関係しています。

成分調整牛乳とは何が違う?

牛乳売り場では「成分調整牛乳」という種類も見かけます。

法律上、成分調整牛乳は、生乳から乳脂肪分などの成分の一部を取り除いたものです。そのうち乳脂肪分を調整し、決められた規格に当てはまるものが低脂肪牛乳や無脂肪牛乳として区分されています。

ただし、店頭の商品では、

成分調整牛乳
低脂肪牛乳
無脂肪牛乳

がそれぞれ別の種類別名称として表示されます。

低脂肪牛乳のパックに「種類別:成分調整牛乳」と書かれるわけではありません。基準を満たした商品は、「種類別:低脂肪牛乳」または「種類別:無脂肪牛乳」として販売されます。

「無脂乳固形分」は脂肪分とは別のもの

牛乳パックには「無脂乳固形分8.0%以上」といった表示もあります。

無脂乳固形分とは、牛乳から水分と乳脂肪分を除いた固形成分です。主にたんぱく質、乳糖、ミネラルなどが含まれています。

低脂肪牛乳と無脂肪牛乳では、どちらも無脂乳固形分8.0%以上が基準です。

乳脂肪分を大きく減らしても、牛乳に含まれるほかの成分まで同じ割合で少なくなるわけではありません。そのため、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳にもたんぱく質やカルシウムが含まれています。

脂肪分が減ると味や栄養はどう変わる?

乳脂肪分は、牛乳のコクやなめらかな口当たりに関係しています。

低脂肪牛乳は種類別「牛乳」より軽い飲み口になりやすく、乳脂肪分がさらに少ない無脂肪牛乳では、よりあっさりと感じられる傾向があります。

おおまかには、

牛乳 → 低脂肪牛乳 → 無脂肪牛乳

と乳脂肪分が少なくなるにつれて、口当たりも軽くなります。

エネルギーは下がるが、たんぱく質やカルシウムの差は小さい

脂肪はエネルギー量の大きい成分なので、乳脂肪分が少ない牛乳では、種類別「牛乳」よりエネルギーも低くなる傾向があります。

一方、たんぱく質やカルシウムは乳脂肪そのものではありません。脂肪分を取り除いても、これらが同じ割合で減るわけではありません。

文部科学省の食品成分表では、100g当たりのたんぱく質は「普通牛乳」が3.3g、「脱脂乳」が3.4g、カルシウムはそれぞれ110mgと100mgです。これに対し、脂質は普通牛乳3.8g、脱脂乳0.1gとなっています。

ただし、食品成分表の「脱脂乳」と、店頭で販売される種類別「無脂肪牛乳」は同じ名称ではありません。ここでは、乳脂肪分を大きく取り除いた乳の成分例として比較しています。

実際の商品では数値に違いがあるため、個別の商品を比べる場合はパッケージの栄養成分表示を見る必要があります。

脂肪分と一緒に少なくなる成分もある

乳脂肪分を減らしたとき、すべての成分が普通の牛乳と同じまま残るわけでもありません。

乳脂肪に含まれるビタミンAなどの脂溶性ビタミンは、乳脂肪分を取り除くことで少なくなります。

低脂肪牛乳や無脂肪牛乳では、脂質以外の成分にもこうした違いがあります。商品ごとの栄養成分を詳しく知りたい場合は、パッケージの表示で確認できます。

「低脂肪乳」と「低脂肪牛乳」は同じとは限らない

牛乳売り場では、「低脂肪牛乳」のほかに「低脂肪乳」などと大きく書かれた商品を見かけることがあります。

名前が似ていても、食品としての種類は同じとは限りません。

種類別「低脂肪牛乳」は、生乳をもとに乳脂肪分を取り除き、乳脂肪分0.5%以上1.5%以下などの規格を満たしたものです。

一方、低脂肪を特徴として販売される商品の中には、種類別名称が加工乳や乳飲料となっているものもあります。

加工乳は、生乳や牛乳などに脱脂粉乳やクリームといった乳製品を加えて作ることができます。乳飲料では、乳や乳製品を主原料としながら、カルシウムや鉄、ビタミンなどを加えた商品もあります。

見分けるときに役立つのが、パックに記載された「種類別名称」です。

「低脂肪牛乳」「加工乳」「乳飲料」のどれに当たるのかを確認すれば、似た名前の商品でも食品としての区分を見分けられます。

低脂肪牛乳と無脂肪牛乳はどう選ぶ?

低脂肪牛乳と無脂肪牛乳は、乳脂肪分の違いによって飲んだときの印象や料理に使ったときの仕上がりも変わります。

そのまま飲むほか、コーヒーやシリアルに合わせる、料理に使うといった用途もあるため、好みのコクや普段の使い方に合わせて選べます。

商品同士を比べるときは、種類別名称で食品としての区分を確認し、栄養成分表示で脂質やエネルギーなどの数値を見ると、それぞれの違いをつかみやすくなります。

まとめ

低脂肪牛乳と無脂肪牛乳の大きな違いは、乳脂肪分の量です。

低脂肪牛乳は乳脂肪分0.5%以上1.5%以下、無脂肪牛乳は0.5%未満と定められています。「無脂肪」という名前でも、乳脂肪分が必ず完全な0%という意味ではありません。また、種類別名称の「無脂肪牛乳」と、栄養表示の「脂質0g」は別の基準です。

どちらも生乳をもとに乳脂肪分を取り除いて作られます。脂肪分が少ないほど口当たりは軽く、エネルギーも低くなる傾向があります。一方、たんぱく質やカルシウムは脂肪分ほど大きく変わらず、ビタミンAなど乳脂肪に含まれる成分は少なくなります。

また、商品名に「低脂肪」と書かれていても、種類別名称が「低脂肪牛乳」とは限りません。

牛乳売り場で迷ったときは、乳脂肪分で種類の違いを、種類別名称で商品の区分を、栄養成分表示で実際の数値を確認できます。

参考情報

  • 厚生労働省「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」
  • 消費者庁「栄養成分表示について」
  • 文部科学省「食品成分データベース:普通牛乳」
  • 文部科学省「食品成分データベース:脱脂乳」
  • 一般社団法人Jミルク「知って納得!牛乳の種類」
  • 一般社団法人日本乳業協会「『低脂肪牛乳』と『低脂肪乳(加工乳)』『低脂肪乳(乳飲料)』の違いはなんですか?」
  • 一般社団法人Jミルク「3-A-Dayとは」内「成分無調整牛乳と低脂肪乳の違い」

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

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