呼称表とは?キャラクターの呼び方と関係性が見える表の作り方

当ページのリンクには広告が含まれています。

小説や漫画、ゲームなどの設定資料で見かけることがある「呼称表」。創作やキャラクター設定で使われる呼称表は、ある人物が別の人物を何と呼ぶのかを一覧にした表です。

「名字+さん」「名前」「先輩」「先生」「あだ名」など、同じ人物への呼び方でも相手によって違います。一覧にしておけば、会話を書いたときの呼び方のずれを防ぎやすくなり、人物同士の距離や立場を考える手掛かりにもなります。

登場人物が多い作品では、Excel(エクセル)やスプレッドシートで人物を縦横に並べる方法も便利です。一人称や二人称、場面による呼び分けまで含め、呼称表の見方と作り方を紹介します。

目次

呼称表とは「誰が誰を何と呼ぶか」が分かる表

「呼称」とは、人や物を呼ぶときの名前や呼び名を表す言葉です。創作で使う呼称表では、この呼び名を人物の組み合わせごとに記録します。

たとえば同じ「鈴木」という人物でも、相手によって「鈴木さん」「鈴木」「鈴木先輩」「すずちゃん」と呼ばれることがあります。鈴木本人も、相手によって名字で呼んだり、下の名前や役職で呼んだりするでしょう。

呼ぶ人呼ばれる人呼び方
佐藤鈴木鈴木さん
高橋鈴木鈴木
田中鈴木すずちゃん
鈴木佐藤佐藤先輩

このように「誰から誰への呼び方なのか」を分けることで、人物同士の関係を確認しやすくなります。

呼称表は、実際の制作・設定資料でも使われています。VOICEVOXではキャラクター同士の呼び方をまとめた呼称表が公開され、『アリス・ギア・アイギス』でも開発資料をもとにしたキャラクター呼称表を見ることができます。

一人称や二人称も一緒に管理できる

呼称表では、相手の名前だけでなく「私」「僕」「俺」などの一人称や、「あなた」「君」「お前」などの二人称を一緒に記録する方法もあります。

一人称は、その人物が自分自身をどう表すかを確認する項目です。「普段は俺だが、目上の人の前では僕になる」といった使い分けがある場合、その情報も残しておくと会話を書くときに役立ちます。

二人称も人物の話し方に影響します。相手を名前で呼ばない場面で「君」を使うのか「あなた」を使うのかによって、同じ内容のセリフでも印象は変わります。

実際のキャラクター呼称表にも、一人称や二人称を他者への呼び方と合わせて管理している例があります。

名前を呼ばない人物にも使える

呼称表に記録するのは、名字や名前だけではありません。

「部長」「先生」「先輩」「隊長」のような立場による呼び方や、「兄さん」「姉ちゃん」「母上」など家族関係を表す言葉も呼称として扱えます。

さらに、相手を名前ではほとんど呼ばず「君」「あなた」「おい」「ねえ」などで話しかける人物もいるでしょう。その場合は実際に使う言葉を記録したり、備考に「普段は名前を呼ばない」と残したりできます。

こうした違いも人物の話し方を形づくる要素です。名前以外の呼び方も含めて管理すると、長い作品でも会話の雰囲気を保ちやすくなります。

呼び方はキャラクター同士の関係を見る手掛かりになる

呼称表は名前を確認するだけの資料ではありません。呼び方の違いから、人物同士の関係や本人の性格を考える手掛かりが得られることがあります。

同じ人物が、

「山田さん」
「山田」
「太郎くん」
「太郎」
「たっちゃん」

と別々に呼ばれていれば、それぞれの人物との関係にも違いがありそうだと感じられます。一人だけ独自のあだ名を使っているなら、長い付き合いや特別な関係を表現する材料にもできます。

ただし、「さん付けだから距離がある」「呼び捨てだから仲が良い」と決まっているわけではありません。親しい相手にも敬称を付ける人物はいますし、初対面でも呼び捨てにする性格の人物もいます。

呼称には相手との関係だけでなく、その人物自身の話し方や考え方も表れます。敬語や口調と組み合わせて考えることで、人物像に厚みを持たせやすくなります。

呼ばれ方と呼び方は同じとは限らない

2人の人物がお互いを同じように呼ぶとは限りません。

AがBを「鈴木さん」と呼んでいても、BがAを「佐藤」と呼び捨てにすることはあります。年齢差、先輩と後輩、職場での立場、付き合いの長さ、性格などによって、同じ2人でも相手への呼び方は変わります。

人物が増えてくると、文章だけではこうした組み合わせを追いにくくなります。そんなときは、人物を縦横に並べた表にすると全体を見渡しやすくなります。

Excelでは縦に「呼ぶ人」、横に「呼ばれる人」を並べる

登場人物が多い作品では、Excelやスプレッドシートを使ったマトリックス形式(縦横の表形式)が便利です。

縦方向に「呼ぶ人」、横方向に「呼ばれる人」を置き、両者が交わるマス(セル)へ実際の呼び方を書きます。

呼ぶ人\呼ばれる人一人称佐藤鈴木田中
佐藤鈴木さん田中先輩
鈴木佐藤くん田中さん
田中佐藤鈴木

この表なら、「佐藤→鈴木」と「鈴木→佐藤」を別々に記録できます。

ここでは一人称を専用列にまとめ、自分自身との交点は「―」にしています。実際の呼称表には、自分自身との交点にも「私」「僕」などの一人称を書く形式もあります。

表を作るときは、縦と横のどちらが「呼ぶ側」なのかを明記しておくと分かりやすくなります。人数が増えるほど、セルに書かれた呼び方がどちらからどちらへのものなのか迷いやすいためです。

左上に「呼ぶ人\呼ばれる人」と書いておけば、久しぶりに表を開いたときにも向きを確認できます。

自分自身との交点には何を書く?

マトリックス形式では、「佐藤が佐藤をどう呼ぶか」という自分自身との交点が生まれます。

一人称を専用列にまとめるなら「―」や空欄で構いませんし、対角線にも「私」「僕」「俺」などの一人称を書く形式もあります。どちらを選ぶかは、表の用途によって決められます。

途中で方式が混ざると確認しにくくなるため、対角線を空欄にするのか、一人称を入れるのかを最初に決めておくと扱いやすくなります。

一人称を専用列にすると見つけやすい

登場人物が多い場合は、対角線だけに一人称を書くより、名前の横に「一人称」の専用列を置く方法も使いやすいでしょう。

人物が30人いても、自分自身との交点まで視線を移動せず、名前のすぐ横で「僕」「私」「俺」などを確認できます。

必要なら二人称や備考も追加できます。ただ、誕生日、好きな物、性格、口癖などまで同じ表へ詰め込むと、呼称を確認する目的がぼやけます。詳しい人物設定は別の資料に分け、呼称表では「誰が誰を何と呼ぶのか」を探しやすくしておくと使いやすくなります。

呼称表には時間や場面による変化も残せる

人物同士の関係は、物語の最初から最後まで同じとは限りません。

最初は「田中さん」と呼んでいた人物が、親しくなってから「花子」と呼ぶようになることもあります。反対に、それまで名前で呼んでいた2人が、関係の悪化をきっかけに名字で呼び合う場面も考えられます。

こうした変化は、

田中さん → 花子(第5話以降)

のようにセルへ書いたり、「物語序盤」「関係変化後」でシートを分けたりして記録できます。

呼び方の変化を残しておけば、「この場面ではまだ下の名前で呼んでいない」といった時系列上の食い違いを見つけやすくなります。

同じ時期でも場面によって呼び方は変わる

呼称は時間の経過だけでなく、その場に誰がいるか、どのような立場で話しているかによって変わることもあります。

たとえば職場では「田中さん」と呼び、二人きりでは「花子」と呼ぶ人物も考えられます。家族の前と友人の前、仕事中と私生活、普段と緊急時などで呼び方を変える設定もあります。

その場合は、

通常:田中さん
二人きり:花子

のように条件を書き添えたり、備考欄へ使い分けを残したりできます。

一人の相手に複数の呼び方があっても不都合はありません。むしろ、場面によって呼称を変えることで、人物同士の距離や立場の違いをセリフの中に表すこともできます。

呼称表を作るときに押さえておきたい項目

呼称表の形式は一つではありません。最低限、「誰が」「誰を」「何と呼ぶか」が分かれば使えます。

必要に応じて、一人称、二人称、敬称や役職、愛称・あだ名、呼称を使う条件などを加えます。

人物が少ない作品なら、

呼ぶ側呼ばれる側呼称備考
花子太郎佐藤くん序盤
花子太郎太郎親しくなってから
太郎花子田中さん人前
太郎花子花子二人きり

といった一覧形式でも十分です。

登場人物が増えてきたら、縦横に人物を置いたマトリックス形式のほうが全体を見渡しやすくなります。

呼称表は、決まった型にそろえるよりも、「この人物は相手を何と呼ぶか」を必要なときにすぐ確認できる形にしておくと使いやすくなります。

Q&A

呼称表は実際の作品制作でも使われていますか?

使われている例があります。『アリス・ギア・アイギス』では開発資料をもとにしたキャラクター呼称表が公開されており、VOICEVOXにもキャラクター同士の呼び方を一覧にした呼称表があります。

呼称表には決まった形式がありますか?

一つの形式に決まっているわけではありません。「呼ぶ人・呼ばれる人・呼称」を一覧にする方法のほか、人物を縦横に配置するマトリックス形式、一人称や二人称を加える形式などがあります。作品の人数や用途に合わせて選べます。

自分自身のセルは空欄でいいですか?

空欄や「―」にする方法もあれば、一人称を書く方法もあります。どちらかに統一しておけば、表を見返したときにも迷いにくくなります。

同じ人物に複数の呼び方があってもいいですか?

場面や関係の変化に応じて、複数の呼び方を設定できます。物語の途中で呼び方が変わる場合や、人前と二人きりで使い分ける場合は、「いつ・どの場面で使うか」も記録しておくと確認しやすくなります。

呼称表と人物相関図は何が違いますか?

呼称表は「誰が誰を何と呼ぶか」を中心に記録する資料です。人物相関図は、家族、友人、上司と部下、ライバルなど人物同士の関係そのものを図で示します。両方を使うと、人物関係と実際の話し方をそれぞれ確認できます。

まとめ

呼称表とは、キャラクター同士が「誰を何と呼ぶのか」を一覧にした表です。一人称や二人称、役職、あだ名まで加えれば、人物ごとの話し方も確認しやすくなります。

登場人物が多い作品では、Excelやスプレッドシートで人物を縦横に並べると、互いの呼び方をまとめて確認できます。

呼称は物語の進行や場面によって変わることもあります。人物同士の関係と一緒に記録しておけば、長編でも会話の呼び方がぶれにくくなり、キャラクター同士の距離をセリフで表す材料にもなります。

参考情報

  • コトバンク「呼称」
  • VOICEVOX「ボイボ寮キャラクターの呼称表」
  • 『アリス・ギア・アイギス』公式「キャラクター呼称表」

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

目次