防災週間は、毎年8月30日から9月5日までの7日間です。期間の中心には、9月1日の「防災の日」があります。
防災週間には、国や自治体、学校、企業、地域団体などが防災訓練や啓発活動を行います。家庭にとっても、避難先や備蓄品、家族との連絡方法を点検する機会になります。
日程が毎年固定されている理由や防災の日との違いを知ると、防災週間がどのような目的で設けられたのかも見えてきます。
防災週間は8月30日から9月5日まで
防災週間は、毎年8月30日に始まり、9月5日に終わります。曜日に合わせて開始日が変わるのではなく、年を問わず同じ日付です。
2026年の防災週間は、8月30日の日曜日から9月5日の土曜日までです。期間の中にある9月1日の防災の日は、火曜日に当たります。
現在の日程が使われるようになったのは1983年からです。前年の1982年5月11日に「防災の日」と「防災週間」について閣議了解され、1983年5月24日の中央防災会議で、防災週間を毎年8月30日から9月5日までとすることが決まりました。
「9月1日を含む1週間」と表現されることもありますが、月曜日から日曜日までという区切りではありません。8月30日から9月5日までの7日間が、毎年の防災週間です。
防災週間はなぜ設けられたのか
防災週間は、さまざまな災害への理解を深め、普段の備えを充実させるために設けられました。
対象となるのは地震だけではありません。台風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波など、幅広い災害について知識を広め、被害の防止や軽減につなげることが目的です。
1982年の閣議了解では、防災週間に講演会や展示会を開催するほか、防災訓練、防災功労者の表彰などを全国的に実施する方針が示されました。現在も自治体や学校、企業などが、それぞれの地域や施設に合った取り組みを行っています。
防災の日を中心とした啓発期間
9月1日の防災の日は、1923年9月1日に発生した関東大震災の記憶を受け継ぎ、災害への備えを考える日として1960年に設けられました。
防災週間は、その9月1日を含む一定の期間に、防災知識の普及や訓練を全国的に行うものです。
関東大震災だけを振り返るのではなく、今暮らしている地域にどのような災害の可能性があるのかを知る機会にもなっています。
自助・共助・公助が連携する
防災では「自助」「共助」「公助」という三つの考え方が使われます。
自助は、自分や家族の身を守るための備えです。共助は、地域住民や企業などが互いに助け合う取り組みを指します。公助は、国や自治体、消防などが行う対策や支援です。
災害による被害を減らすには、自助・共助・公助がそれぞれの役割を果たし、連携することが重視されています。家庭の備蓄や避難先を点検することは自助に当たり、地域の訓練や職場の安否確認へ参加することは共助にもつながります。
防災の日と防災週間は何が違う?
防災の日と防災週間は、目的が近い一方で期間と役割が異なります。
防災の日は毎年9月1日の1日です。関東大震災の記憶を受け継ぎ、地震や風水害などへの備えを考える中心の日に位置付けられています。
防災週間は、9月1日を含む8月30日から9月5日までの7日間です。防災の日を中心に、国や自治体、学校、企業、地域団体などが訓練や啓発活動を行います。
どちらも国民の祝日ではありません。学校や会社が一律に休みになる制度でもなく、普段の生活を続けながら防災への理解を深める日や期間です。
防災の日が備えを意識する中心の日であるのに対し、防災週間は、その意識を訓練や点検へつなげるための期間といえます。
防災週間には何が行われる?
防災週間には、防災訓練、講演会、展示、防災教育、災害記録の紹介などが各地で行われます。
自治体では、住民の避難誘導や避難所の開設、情報伝達などの訓練が行われることがあります。学校では避難経路を歩き、企業では従業員の安否確認や非常用電源、備蓄品などを点検します。
訓練内容は全国一律ではありません。川の近くでは洪水、斜面の近くでは土砂災害、沿岸部では津波というように、地域の地形やハザードマップに合わせて想定する災害が変わります。
参加する際は、どの災害を想定した訓練なのかにも注目してみましょう。同じ施設へ避難する場合でも、地震と洪水では安全な経路や移動を始める時期が異なることがあります。
災害用伝言ダイヤルを体験できる
防災週間には、災害用伝言ダイヤル「171」と、インターネット上の災害用伝言板「web171(ウェブ171)」を体験利用できます。
防災週間中の体験利用時間は、8月30日午前9時から9月5日午後5時までです。毎月1日と15日にも、午前0時から24時間まで利用方法を試せます。
災害時は電話が集中し、家族へ直接つながりにくくなることがあります。録音や再生の基準にする電話番号を家族で決め、一度操作しておくと、必要になった際に使いやすくなります。
なお、実際に災害が発生した場合は、体験利用が中止されることがあります。利用できる日時や提供状況は、NTT東日本・西日本の公式案内で確かめられます。
防災週間に家庭で点検したい4つのこと
家庭では、大がかりな訓練を行わなくても、身近な点検から始められます。一度に終わらせようとせず、防災週間の間に取り組みやすい項目から進める方法もあります。
1. ハザードマップで地域の危険を知る
自治体のハザードマップを開き、自宅や通勤・通学先で想定される洪水、土砂災害、津波、高潮などの危険を把握します。
避難先は、災害の種類によって変わることがあります。地震の際には利用できる施設でも、洪水や津波では適さない場合があるためです。
自治体の地図では、危険から一時的に身を守る「指定緊急避難場所」と、自宅へ戻れない人が一定期間過ごす「指定避難所」が分けて表示される場合があります。
指定緊急避難場所は災害の種類ごとに指定されます。一方の指定避難所は、被災した人などが滞在するための施設です。同じ施設が両方を兼ねる場合もありますが、役割は異なります。
地図だけでなく、実際に経路を歩いてみると、狭い道や倒れそうな塀、冠水しやすい場所にも気づけます。
2. 飲料水や食料の期限を点検する
家庭の備蓄は最低3日分、できれば1週間分が目安です。飲料水は1人1日3リットルほどとされ、3日分では1人9リットルになります。
食品は特別な非常食だけでそろえる必要はありません。普段食べている缶詰、レトルト食品、乾麺などを少し多めに置き、期限が近い物から使って買い足すローリングストックなら続けやすくなります。
飲料水や食料のほか、携帯トイレ、トイレットペーパー、普段使っている薬、眼鏡、乳幼児用品、介護用品、生理用品、ペット用品なども家庭に合わせて用意します。
備蓄品と非常用持ち出し袋は役割が異なります。自宅で数日間過ごすための物をすべてリュックへ詰め込まず、避難時に持てる重さかどうかも試しておきましょう。
3. 家具と防災用品の置き場所を見直す
防災用品を持っていても、押し入れの奥などへしまい込んでいると、必要なときにすぐ取り出せません。
懐中電灯や靴は、寝室から手を伸ばしやすい場所へ置く方法があります。モバイルバッテリーや携帯ラジオは、充電や電池の状態も点検します。
家具が寝具や出入口へ倒れないかも見ておきたい部分です。固定器具を使うほか、家具の向きを変える、棚の上から重い物を下ろすといった対策があります。内閣府も、家具の固定や配置の工夫を災害への備えとして挙げています。
非常用持ち出し袋は、家族が実際に背負える重さか試します。子どもや高齢者がいる家庭では、誰がどの荷物を持つのかも共有しておくと、移動時に迷いにくくなります。
4. 家族の連絡方法を共有する
家族全員が自宅にいるときに災害が起こるとは限りません。学校や職場、買い物先などで別々に過ごしている場合を考え、集合場所や連絡方法を共有します。
電話がつながらない場合に使う171やweb171、離れた地域に住む親族を連絡の中継役にする方法もあります。スマートフォンを使えない場合に備え、連絡先や集合場所を紙に書いておく方法も考えられます。
実際の災害時は、自治体や気象庁が発表する情報を確かめ、周囲の状況に応じて危険を避ける行動を選びます。状況によっては、事前に決めた集合場所へ無理に向かわないことも大切です。
Q&A
まとめ
防災週間は、毎年8月30日から9月5日までの7日間です。1982年の閣議了解を受け、1983年から現在の日程で実施されています。
期間中は、防災訓練や講演会などの啓発活動が行われ、災害用伝言ダイヤル171も体験できます。訓練の内容は地域の地形や想定される災害によって異なります。
家庭では、避難先、備蓄品、家具、防災用品、家族の連絡方法を点検できます。防災週間をきっかけに、取り組みやすい備えから見直すことが、災害時の行動につながります。
参考情報
- 内閣府「『防災の日』及び『防災週間』について」
- 内閣府「防災週間の期間について」
- 内閣府「避難場所に関すること」
- 内閣府「自然災害への備えは万全ですか?チェックしてみよう!」
- NTT西日本「災害用伝言ダイヤル171・体験利用のご案内」
- NTT西日本「災害用伝言板web171・体験利用のご案内」
