毎年5月になると、花屋やお店で「母の日」の文字を見かけるようになります。日本では、母の日は 5月の第2日曜日 として知られており、2026年は5月10日が母の日にあたります。
母の日は、母に感謝を伝える日として広く親しまれています。カーネーションを贈るイメージが強い日ですが、もともとは単なる贈り物の日として始まったわけではありません。背景には、亡き母を思う気持ちや、母の存在を社会の中で大切にしようとする動きがありました。
母の日は5月の第2日曜日にある
母の日は、日本では毎年5月の第2日曜日に行われます。日付が固定されていないため、年によって5月8日ごろになったり、5月14日ごろになったりします。5月10日頃と覚えられることが多いのは、第2日曜日がそのあたりに来やすいからです。
この「5月の第2日曜日」という形は、アメリカで公式に定められた母の日の流れを受けたものです。アメリカでは、1914年に議会が5月の第2日曜日を母の日とする法律を通し、ウッドロウ・ウィルソン大統領が同年に母の日の布告を出しました。
日本で現在親しまれている母の日も、このアメリカ由来の行事の影響を受けています。日本での広まり方は資料によって説明に違いがありますが、現在のように「母へ感謝を伝える日」として広く親しまれるようになったのは、戦後以降の定着が大きいと説明されることがあります。
母の日の始まりにはアンナ・ジャービスが関係している
現代の母の日の広まりには、アメリカのアンナ・ジャービスという女性が深く関わっています。アンナ・ジャービスは、亡き母をしのび、母に感謝する日を広めようと活動しました。
1908年5月10日、ウェストバージニア州グラフトンの教会で、最初の母の日の行事が行われたとされています。この教会は、アンナ・ジャービスと母アン・リーブス・ジャービスにゆかりのある場所でした。
アンナが母の日を広めようとした背景には、母への個人的な思いがありました。母を思う気持ちが、やがて多くの人に共有される記念日へと広がっていったのです。
ただし、母の日の背景には、アンナだけでなく、母親の社会的な役割や平和活動、地域の母親たちを支える動きなど、複数の流れも重なっています。母の日には、家族の中の母だけでなく、母や女性が社会の中で担ってきた役割を考える流れも重なっています。
なぜカーネーションを贈るようになったのか
母の日といえば、カーネーションを思い浮かべる人が多いでしょう。カーネーションが母の日の象徴になった理由には、アンナ・ジャービスの母が好きだった花であることが関係しているとされます。最初期の母の日の行事では、白いカーネーションが母をしのぶ花として使われました。
もともとは、亡き母をしのぶ意味合いが強い白いカーネーションが使われていました。その後、母の日の習慣が広がる中で、赤やピンクのカーネーションを母に贈るイメージも定着していきました。
日本では、母の日の贈り物として赤いカーネーションが特に有名です。ただし、現在はカーネーションだけでなく、アジサイ、バラ、スイーツ、日用品、手紙、食事など、感謝の伝え方はかなり多様になっています。
母の日は「贈り物の日」だけではない
母の日というと、プレゼントや花を贈る日という印象が強くなりがちです。しかし、本来の中心にあるのは「母へ感謝を表すこと」です。高価な贈り物よりも、普段なかなか言えない感謝を伝えるきっかけとして意味があります。
たとえば、短い手紙を書く、電話をする、家事を代わる、一緒に食事をする、近況を話す。こうした行動も、母の日らしい過ごし方です。
一方で、母の日を広めたアンナ・ジャービスは、母の日が商業化していくことに強く反発した人物としても知られています。花やカードが売れる日になっていくことに対して、本来の意味が薄れることを心配していました。
この背景を知ると、母の日は「何を買うか」だけで決まる日ではないことがわかります。中心にあるのは、母に対してどんな形で気持ちを伝えるかです。
日本で母の日が親しまれている理由
日本で母の日が広く親しまれているのは、感謝を伝える日としてわかりやすいからです。日本では、日常の中で感謝を言葉にする機会が少ない家庭もあります。「いつもありがとう」と面と向かって言うのは少し照れくさい。そう感じる人にとって、母の日は感謝を伝える理由を作ってくれる日でもあります。
また、5月は新生活が少し落ち着いてくる時期です。入学、就職、転勤などが一段落し、家族のありがたさを感じやすい時期でもあります。大型連休のあとに母の日が来ることで、家族や実家とのつながりを意識する人もいるでしょう。
母の日が毎年話題になるのは、単に行事として定着しているからだけではありません。普段の生活の中で見落としがちな「支えてくれている人への感謝」を、思い出しやすい日だからです。
母の日の形は家庭によって違ってよい
母の日と聞くと、母に花を贈る日というイメージがあります。ただ、すべての家庭が同じ形で祝う必要はありません。
母との関係が近い人もいれば、距離がある人もいます。すでに母を亡くしている人もいますし、母のように支えてくれた別の人へ感謝を伝えたい人もいます。家族の形は一つではありません。
そのため、母の日は「こうしなければいけない日」ではなく、自分なりの感謝の形を考える日として受け止めることもできます。
花を贈る人もいれば、何もしないけれど心の中で思い出す人もいます。電話だけする人、食事に誘う人、手紙を書く人もいます。母の日の意味は、形式よりも気持ちの向け方にあります。
Q&A(よくある疑問)
まとめ
母の日は、日本では5月の第2日曜日に行われる、母への感謝を表す日です。現在の形はアメリカで広まった母の日の流れと関係しており、アンナ・ジャービスが亡き母をしのんだことが大きなきっかけになりました。
カーネーションは、アンナの母が好きだった花とされ、母の日の象徴として広まりました。ただし、母の日の本来の中心は、花や贈り物そのものではなく、母へ感謝を伝えることです。
感謝の形は家庭によって違ってかまいません。花を贈る日としてだけでなく、普段は言えない「ありがとう」を思い出す日として見ると、母の日の意味はより身近になります。
参考情報
- Library of Congress “Mother’s Day: Topics in Chronicling America”
- The American Presidency Project “Proclamation 1268—Mother’s Day, 1914”
- International Mother’s Day Shrine “History”
- レファレンス協同データベース「母の日の由来を知りたい」
- Smithsonian American Women’s History Museum “The History of Mother’s Day: From Global Peace to Greeting Cards”
