世界メンタルヘルスデーはなぜ10月10日?1992年の始まり

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10月10日には、世界各地で心の健康について考える活動やキャンペーンが行われます。その中心となっているのが、World Mental Health Day(世界メンタルヘルスデー)です。

始まりは1992年。現在は世界保健機関(WHO)もキャンペーンを展開していますが、最初にこの日を始めたのはWHOではなく、World Federation for Mental Health(WFMH/世界精神保健連盟)でした。

では、なぜ10月10日なのでしょうか。WFMHやWHOの公式資料をたどっても、「10・10」という数字の語呂や特定の出来事にちなむといった具体的な選定理由は示されていません。

さらに、現在では毎年テーマが掲げられていますが、この形式も第1回から続いていたわけではありません。1992年の始まりから現在までをたどると、世界メンタルヘルスデーが少しずつ形を変えてきたことが分かります。

目次

世界メンタルヘルスデーはなぜ10月10日?

世界メンタルヘルスデーは、毎年10月10日に行われています。

WFMHの公式史料によると、第1回が実施されたのは1992年10月10日です。その後も10月10日が実施日として受け継がれ、現在では世界各地でこの日に合わせた活動が行われています。

ただし、なぜ最初に10月10日が選ばれたのかという具体的な理由は、確認できるWFMHやWHOの公式資料には記されていません。

「10・10」という数字の形や語呂に由来するとする公式説明も見当たりません。

公式資料から分かるのは、1992年10月10日に第1回が行われ、その日付が現在まで受け継がれていることです。

語呂合わせや歴史上の出来事が日付の由来になっている記念日も多い一方、世界メンタルヘルスデーについては、根拠が確認できない日付の由来を付け加えないほうが正確に伝えられます。

始めたのはWHOではなく世界精神保健連盟

世界メンタルヘルスデーを始めたのは、世界精神保健連盟(WFMH)です。

WFMHは1948年に設立された国際組織で、メンタルヘルスへの理解を広げる活動などを続けてきました。

WFMHの公式史料では、当時の副事務総長Richard Hunter(リチャード・ハンター)と、当時WFMH会長だったニュージーランドのProfessor Max Abbott(マックス・アボット)が、World Mental Health Dayを始めた人物として紹介されています。

史料では、リチャード・ハンターが構想の中心人物だったことにも触れられています。メンタルヘルスを身体の健康と同様に大切なものとして認識してもらいたいという考えが、世界共通の日を設ける発想につながりました。

WHOはその後に協賛した

現在はWHOの公式サイトでもWorld Mental Health Dayが大きく取り上げられているため、WHOが最初に設けた日だと思われることもあります。

厚生労働省によると、WFMHが1992年から10月10日を世界メンタルヘルスデーとし、その後WHOも協賛しました。 現在はWHO自身も毎年10月10日にキャンペーンを展開しています。

世界メンタルヘルスデーには、WFMHが始め、その後WHOをはじめとするさまざまな組織へ活動が広がっていった経緯があります。

最初から毎年テーマが決まっていたわけではない

現在の世界メンタルヘルスデーでは、その年に注目する課題を示すテーマが掲げられています。

しかし、1992年の第1回から現在と同じ形式だったわけではありません。

WFMHの公式史料では、1992年と1993年は「General Themes」と記録されています。現在のように、特定の一つのテーマを大きく掲げる形式とは異なっていました。

1994年には、

“Improving Mental Health Services throughout the World”

という具体的なテーマが記録されています。「世界各地のメンタルヘルスサービスの改善」といった内容です。

その後は「若者」「女性」「人権」「高齢者」「仕事」など、その時代に注目された課題に合わせたテーマが掲げられてきました。

過去には複数年にまたがって扱われたテーマもあります。そのため、「毎年必ず違うテーマになる」というより、10月10日という共通の日を保ちながら、その時々の課題に目を向ける形が続いていると見るほうが実態に合っています。

2026年のテーマは「Lived Experiences Heard: Real Voices, Real Change」

2026年のWorld Mental Health Dayでは、

“Lived Experiences Heard: Real Voices, Real Change”

がテーマとして掲げられています。WFMHが2026年のテーマとして発表し、WHOも同じテーマでキャンペーンを展開しています。

ここで使われるlived experience(実際に自分自身が経験したことから得られる知識や理解)は、2026年のテーマを理解するための言葉です。

WHOは、メンタルヘルスに関する経験を持つ人が体験を語るだけでなく、政策やサービスの計画、実施、評価などにも関われることを重視しています。

内容としては、実際に経験した人の声を聞くだけで終わらせず、具体的な変化につなげるという趣旨です。ここでの日本語表現はテーマを理解するための説明であり、WHOやWFMHによる公式日本語訳ではありません。

2026年は、経験を持つ人の声をどのように政策やサービスへ反映していくかが、キャンペーンの中心に置かれています。

日本では「つながる、どこでも、だれにでも」

日本では、厚生労働省が「世界メンタルヘルスデーJAPAN」を展開しています。

2026年の特設サイトでは、

「つながる、どこでも、だれにでも」

をテーマとして掲げ、人とのつながりを大切にした活動を案内しています。

この言葉は2026年に初めて登場したものではなく、過去の世界メンタルヘルスデーJAPANでも使われてきました。2022年にも同じ言葉を掲げた取り組みが行われています。

そのため、WFMHやWHOが掲げる2026年の世界的なテーマと、日本国内のキャンペーンで継続して使われているテーマは分けて見ることができます。

「メンタルヘルス」は病気だけを指す言葉ではない

「メンタルヘルス」という言葉から、精神疾患や治療を思い浮かべる人もいるかもしれません。

厚生労働省では、メンタルヘルスを「こころの健康状態」を意味する言葉として説明しています。特定の病名を指す言葉ではありません。

そのため世界メンタルヘルスデーも、特定の病気についてだけ考える日ではなく、心の健康への理解や、それを取り巻く社会の課題に目を向ける機会として続いています。

WHOもWorld Mental Health Dayを、世界でメンタルヘルスへの意識を高め、関連する取り組みを進める機会と位置付けています。

1992年に始まった活動は30年以上続き、その間に掲げられるテーマや焦点も変化してきました。2026年もWFMHやWHO、日本では厚生労働省などが10月10日に合わせた取り組みを行っています。

まとめ

World Mental Health Day(世界メンタルヘルスデー)は、毎年10月10日に行われています。

始まりは1992年で、世界精神保健連盟(WFMH)が第1回を実施しました。WFMHの史料では、リチャード・ハンターとマックス・アボットが、この取り組みを始めた人物として紹介されています。

その後WHOも協賛し、世界各地へ活動が広がりました。

一方、なぜ最初に10月10日が選ばれたのかという具体的な理由は、公式資料では明らかにされていません。 分かっているのは、1992年10月10日に第1回が行われ、その日付が現在まで受け継がれていることです。

また、現在のようにテーマを掲げる形も最初から存在したわけではありません。1992年の開始から活動の形を変えながら、10月10日は世界各地でメンタルヘルスについて考える日として続いています。

参考情報

  • World Federation for Mental Health(WFMH)「WFMH Campaigning for World Mental Health Day」
  • World Federation for Mental Health(WFMH)「World Mental Health Day 2026: Announcing This Year’s Theme」
  • World Health Organization(WHO)「World Mental Health Day」
  • World Health Organization(WHO)「World Mental Health Day 2026」
  • 厚生労働省「世界メンタルヘルスデーとは」
  • 厚生労働省「世界メンタルヘルスデーJAPAN2026」
  • 厚生労働省「メンタルヘルスとは」

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

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