教室に入ったとき、黒板は必ず前にあり、窓は横に並んでいる。
当たり前のように感じるこの配置ですが、実は適当に決められたものではありません。
学校の教室は、太陽の位置や光の入り方を考慮して設計されてきました。
黒板が見やすく、ノートに影ができにくい配置には、はっきりとした理由があります。
本記事では、黒板と窓の関係性を手がかりに、学校建築に隠された雑学を紹介します。
普段は意識しない教室のつくりが、実は理にかなっていることが見えてきます。
黒板と窓の位置は偶然ではない
基本は「窓は横、黒板は正面」
多くの学校では、教室の片側に窓が並び、正面に黒板が設置されています。
この配置は、全国的にほぼ共通しています。
理由の一つは、太陽光の入り方です。
正面や背後から強い光が入ると、黒板が反射して見えにくくなったり、目が疲れやすくなったりします。
逆光を避けるための工夫
窓が正面にあると、黒板が逆光になり、文字が読み取りづらくなります。
そのため、自然光は横から入るように設計されることが多くなりました。
この配置によって、黒板の文字と教室全体の明るさのバランスが取りやすくなっています。
太陽の動きが教室設計に影響している
南向き・東向きが多い理由
日本の学校では、教室が南向きや東向きになることが多く見られます。
これは、一日を通して比較的安定した明るさを確保しやすいためです。
特に午前中に授業が多い学校では、東側からの光が入りやすい配置が好まれてきました。
直射日光を避けつつ明るさを確保する
太陽光は明るさの点で優れていますが、直射日光が入りすぎるとまぶしさや暑さの原因になります。
そのため、庇やカーテンと組み合わせて、光を拡散させる工夫も行われています。
黒板が「緑色」なのにも理由がある
目の負担を抑えるための色
かつての黒板は黒色が主流でしたが、現在は緑色のものが多く使われています。
緑色は、目への刺激が比較的やわらかく、長時間見続けても疲れにくいとされています。
白いチョークとのコントラストも適度で、授業に向いた色と考えられてきました。
光の反射を抑える効果
緑色の黒板は、表面の反射を抑えやすい点も特徴です。
窓から入る光が当たっても、文字が消えて見えにくくなりにくい工夫の一つです。
補足雑学|右利きが多いことも影響している?
ノートに影ができにくいという考え方
教室の窓配置については、右利きの児童生徒が多いことを考慮し、ノートを書く際に手元が影になりにくいという見方が語られることもあります。
右側から光が入ると、右手で文字を書く際に影ができやすくなるため、
左側に窓を配置することで、手元を明るく保ちやすいという考え方です。
あくまで補足的な視点
ただし、この点は教室設計の主な理由というより、補足的な要素と考えられています。
実際の設計では、採光や黒板の見やすさ、教室全体の明るさが優先されてきました。
右利きの割合に関する話は、結果として理にかなっている点がある、という位置づけが適切でしょう。
海外の学校でも考え方は似ている
自然光を重視する点は共通
海外の学校でも、自然光をどのように取り入れるかは重視されています。
窓を横に配置し、黒板やホワイトボードへの映り込みを避ける設計は多く見られます。
設備が変わっても基本は同じ
近年は電子黒板やプロジェクターの導入が進んでいますが、
画面を見やすくするという基本的な考え方は変わっていません。
まとめ
学校の黒板と窓の配置は、太陽の動きや光の入り方を考慮して決められてきました。
逆光を避け、黒板を見やすくし、目の負担を減らすための工夫が積み重ねられています。
右利きが多いことによる影の出にくさといった見方もありますが、これは補足的な要素です。
当たり前に見える教室の風景には、長年の経験と合理的な考え方が反映されています。
身近な場所のつくりには、理由が隠れていることがあります。
普段何気なく使っている空間を見直してみると、新しい発見があるかもしれません。
