DAUやCTRとは?仕事で見かける指標の言葉を整理

仕事でレポートや会議資料を見ていると、DAU、CVR、CPA、LTV のような略語が次々に出てくることがあります。こうした言葉は広告、アプリ、EC、メディア、サブスクなどで広く使われますが、同じ種類の数字ではありません。まずは『人数』『表示』『反応』『費用』『収益』『継続』のどれを見る言葉なのかで分けると、意味がつかみやすくなります。GA4、Google Ads、AppsFlyer、Shopify でも、これらは別の観点の指標として扱われています。


目次

まず押さえたいのは、「人の数」を見る言葉

UU は、一定期間に訪れた人を重複なしで数える考え方です。同じ人が期間内に何度来ても、1人として数えます。Adobe Analytics の Unique visitors や WACA の Unique Users の説明も、この考え方に沿っています。 AU は Active Users(アクティブユーザー)で、実際に使った、反応した、とみなされた人の数です。AppsFlyer では、active user は一定期間にアプリやサイトへ関与したユニークユーザーとされ、その「関与」の定義はサービスによって変わり得ると説明されています。つまり、UU は「重複を除いた人数」、AU は「動いた人数」と考えると整理しやすいです。

この AU を期間で切ったものが DAU・WAU・MAU です。DAU は Daily Active Users、WAU は Weekly Active Users、MAU は Monthly Active Users を指します。GA4 では user stickiness の文脈で、DAU は過去24時間の active users、WAU は過去7日、MAU は過去30日として説明されています。毎日触るサービスなら DAU が重視されやすく、週に何度か使うサービスなら WAU、月に数回使うサービスなら MAU が効いてきます。

PU は、課金ユーザーを指す略し方として使われることがあります。とくに ARPPU と並ぶ場面では、課金したユーザーだけを分けて見る前提の言葉として読むとわかりやすくなります。AppsFlyer でも ARPPU は paying users を分母にした平均収益として説明されており、全体平均の ARPU とは区別されています。AU が「動いた人」なら、PU は「お金を払った人」と捉えると把握しやすいです。


PV・Impressions・Session・Engagement Rate は「見られ方」と「訪れ方」の言葉

PV は Page View(ページビュー)で、ページが見られた回数です。同じ人が同じページを何度見ても、そのたびに増えます。GA4 では web の page_view や app の screen_view をもとに views を扱っており、PV は「人数」ではなく「見られた回数」に近い言葉です。

Impressions は表示回数です。Google Ads では、広告が検索結果ページや Google ネットワーク上で表示されるたびに 1 回として数えます。PV が自社ページの閲覧回数寄りの言葉なのに対し、Impressions は広告や掲載面がどれだけ露出したかを見る言葉です。

Session は一定時間内の一連の利用行動をまとめて見る考え方です。GA4 では、ページや画面を見た時点でアクティブな session がなければ新しい session が始まり、既定では 30 分の無操作で終了します。つまり、UU が人、PV が回数なら、Session は「訪問のまとまり」です。人の数でも、表示回数でもなく、ひとまとまりの利用として見る言葉だと考えると分かりやすくなります。

そのうち、ある程度きちんと見られた訪問として扱われるのが engaged session です。GA4 では、10秒を超える、1件以上の key event がある、または 2 回以上のページビューかスクリーンビューがある session を engaged session としています。ここまで切り分けておくと、Session は訪問の量、engaged session はその中身の濃さを見る考え方だと整理しやすくなります。

Engagement Rate は、そうした訪問のうち、どれだけ中身のあるものだったかを見る割合です。GA4 では、engagement rate は engaged sessions の割合として扱われ、bounce rate はその反対として説明されています。単に来た回数だけでなく、ある程度きちんと見られたか、行動が伴ったかを見たいときに役立つ指標です。


CTR・CV・CVR は「反応したかどうか」を見る

CTR は Click-Through Rate(クリック率)で、表示されたうち、どれくらいクリックされたかを見る数字です。Google Ads では clicks ÷ impressions で計算されます。広告文、バナー、検索結果タイトルなどが、どれだけ押してもらえたかを見るときによく使われます。

CV は Conversion(コンバージョン)で、購入、会員登録、資料請求、問い合わせなど、ビジネスにとって価値があると決めた行動を指します。Google Ads では conversion action を「価値ある顧客行動」として扱っており、何を CV とみなすかは業種や目的で変わります。EC なら購入、BtoB なら資料請求、アプリならインストールや課金が入ることもあります。

CVR は Conversion Rate(コンバージョン率)で、成果がどれくらい起きたかを見る割合です。Google Ads では、conversions を total ad interactions で割った割合として説明されています。CTR が「押された割合」なら、CVR は「押されたあと、接触したあとに成果へつながった割合」です。似ていますが、見ている段階は別です。


CPC・CPM・CPA・CAC・CPI/eCPI は「いくらかかったか」を見る

CPC は Cost Per Click で、1 クリックあたりの費用です。Google Ads では、実際に支払った額を actual CPC として説明しています。クリックを集めることが主目的の広告で、まず基本になる指標です。

CPM は Cost Per Mille で、1000 回表示あたりの費用です。Google Ads では、Google Display Network で 1000 回の表示ごとに支払う方式として説明されています。クリックよりも認知や露出を重視するときに出てきやすい言葉です。

CPA は Cost Per Action で、1 件の成果を得るのにいくらかかったかを見る数字です。Google Ads では、総費用をコンバージョン数で割って average CPA を計算すると説明しています。CPC がクリック単価なら、CPA は成果単価です。

CAC は Customer Acquisition Cost(顧客獲得単価)で、新規顧客を 1 人獲得するためにかかった総費用です。Shopify では、顧客獲得コストを理解・改善するうえで重要な指標として説明しています。CPA が広告上の 1 成果を指すことが多いのに対し、CAC はもっと広く、営業やマーケティングも含めた「顧客獲得全体のコスト感」を見る言葉として使うと整理しやすいです。

CPI は Cost Per Install で、アプリが 1 回インストールされるごとに支払う単価です。eCPI は Effective Cost Per Install で、実際にかかった総費用を有効インストール数で割った実績ベースの単価です。AppsFlyer でも、CPI はインストール単価、eCPI は実際の獲得効率を見るための単価として区別されています。ゲームやアプリの獲得では、かなり基本的な組み合わせです。


ARPU・ARPPU・AOV・ROAS・LTV は「どれだけ価値を生むか」を見る

ARPU は Average Revenue Per User で、一定期間の総収益をユーザー数で割った平均収益です。AppsFlyer でも、総収益をユーザー数で割る比率として説明されています。全体を平均したとき、1 人あたりどれくらい収益を生んでいるかを見る数字です。

ARPPU は Average Revenue Per Paying User で、課金した人だけを分母にした平均収益です。AppsFlyer は、paying users が平均してどれだけの収益を生んでいるかを見る指標として説明しています。ARPU が全体平均なら、ARPPU は課金者だけの平均です。無料ユーザーが多いゲームやフリーミアム型サービスでは、この差が大きくなりやすいです。

AOV は Average Order Value(平均注文額)で、1 回の注文あたり平均いくら使われたかを見る指標です。Shopify では、総売上を注文数で割って求めると説明しています。CVR が「買う割合」を見るなら、AOV は「1 回の購入でいくら使うか」を見る数字です。EC ではこの 2 つを並べると、売上の変化が「買う人が増えた」のか「1 回あたりの購入額が増えた」のかを見分けやすくなります。

ROAS は Return On Ad Spend で、広告費に対してどれだけのコンバージョン価値を返せたかを見る考え方です。Google Ads では、conversion value per cost を用いて投資効率をみる考え方として説明しています。CPC や CPA が「いくら払ったか」を見る指標なら、ROAS は「払ったぶんに対してどれだけ回収できたか」を見る指標です。

LTV は Lifetime Value で、ユーザーや顧客が利用期間全体でもたらす価値を見ようとする考え方です。AppsFlyer では、ユーザーがそのプロダクトやサービスを使う期間に生み出す平均収益の見積もりとして説明しています。ARPU が一定期間の平均なら、LTV はもっと長い目で見た 1 人の価値です。だから CAC と LTV は一緒に語られやすく、獲得コストに見合うだけの価値を後から回収できるか、という見方につながります。


Retention と Churn は「残るか、離れるか」を見る

Retention は継続率で、一定期間にどれだけの顧客やユーザーがサービスを使い続けたかの割合です。AppsFlyer では retention rate を、所定期間にサービスやプロダクトを継続利用した顧客の割合として説明しています。新規獲得が強くても、Retention が低ければ積み上がりは弱くなります。

Churn は離脱率で、一定期間のうち、どれだけの顧客やユーザーが離れたかを見る指標です。AppsFlyer では、churn rate をユーザーや顧客が利用をやめた割合として説明しています。Retention と Churn は反対向きの数字なので、新規獲得だけを見ていても、Churn が高ければ全体は増えにくくなります。どれだけ増えたかだけでなく、どれだけ残ったかを見ることが大切です。


迷ったときは、「何を分母にしているか」を見ると整理しやすい

こうした略語がややこしく見えるのは、見た目が似ていても分母が違うからです。たとえば、CTR は impressions が分母、CVR は ad interactions が分母、ARPU は users が分母、ARPPU は paying users が分母、AOV は orders が分母、CPA は conversions が分母です。略語を丸暗記するより、「その数字は何を何で割っているのか」を見るほうが、実務ではずっと読み違えにくくなります。各ツールの公式定義も、突き詰めるとこの違いに集約されます。


まとめ

UU・AU・DAU・WAU・MAU・PU は主に「人の数」を見る言葉です。PV・Impressions・Session・Engagement Rate は「見られ方」や「訪れ方」を見る言葉、CTR・CV・CVR は「反応と成果」を見る言葉、CPC・CPM・CPA・CAC・CPI/eCPI は「費用」を見る言葉、ARPU・ARPPU・AOV・ROAS・LTV は「収益や価値」を見る言葉、Retention・Churn は「継続と離脱」を見る言葉です。仕事でこうした略語に出会ったときは、まず「人数の話なのか、表示の話なのか、費用や収益の話なのか」を切り分けると、数字の意味をかなり読み違えにくくなります。


参考情報

  • Google Analytics Help「[GA4] Engagement overview report」
  • Google Analytics Help「[GA4] Session」
  • Google Ads Help「CTR: Definition」
  • Google Ads Help「Conversion rate: Definition」
  • Google Ads Help「Average CPA: Definition」
  • Google Ads Help「About target ROAS bidding」
  • AppsFlyer「ARPU」
  • AppsFlyer「ARPPU」
  • AppsFlyer「Retention rate」
  • AppsFlyer「Churn rate」
  • AppsFlyer「Cost per install」
  • Adobe Analytics「Unique visitors」
  • Shopify Help Center「Sales reports」
  • Shopify 日本「顧客獲得単価(CAC)とは?計算方法や改善方法」

この記事を書いた人

気になったテーマを中心に、公開情報や資料を読みながら記事をまとめています。背景や違いが見えにくい話題も、公式サイトや公開資料を確認しつつ、できるだけわかりやすく整理してお届けしています。

目次