使い終えた容器や紙などが資源となり、別の製品へ生まれ変わるリサイクル。今では身近な言葉ですが、その大切さについて改めて考える記念日が日本にあります。
それが、毎年10月20日の「リサイクルの日」です。
10月20日という日付は、「ひとまわり」「ふたまわり」という、資源の循環を思わせる少し変わった語呂合わせから選ばれました。
さらに10月は「3R推進月間」でもあります。リサイクルだけでなく、そもそもごみを減らすことや、まだ使えるものを繰り返し使うことまで含めて、資源との付き合い方を考える時期になっています。
リサイクルの日はなぜ10月20日?
リサイクルの日は、「ひとまわり(10)、ふたまわり(20)」という語呂合わせに由来します。
「10」をひとまわり、「20」をふたまわりと見立て、物や資源が一度で終わらず、何度も循環していくイメージを10月20日という日付に重ねています。
この記念日は、1990年(平成2年)に日本リサイクルネットワーク会議が制定したとされています。
「10=とう」「20=にじゅう」のように数字の読み方をそのまま当てはめた語呂ではなく、数字を「回る回数」に見立てているところが特徴です。
資源が一方向に使われて終わるのではなく、もう一度循環していく。リサイクルという言葉が持つイメージそのものが、日付の由来になっています。
リサイクルは「もう一度使うこと」とは少し違う
「リサイクル」と聞くと、「物を捨てずにもう一度使うこと」を広く指すように感じることがあります。
ただし、現在広く使われている3R(スリーアール)では、「そのまま繰り返し使うこと」と「資源として利用すること」を分けて考えます。
3Rとは、次の3つの英単語の頭文字を取った言葉です。
Reduce(リデュース)
ごみそのものの発生を抑えること。必要以上に物を使わない、長く使える製品を選ぶといった考え方が含まれます。
Reuse(リユース)
使い終えた製品や部品を、そのまま、あるいは必要に応じて修理などをしながら繰り返し使用すること。
Recycle(リサイクル)
使い終えた物を再び資源として利用し、新しい製品の原材料などに生かすこと。
たとえば、まだ使える容器を洗って繰り返し使うのであれば「リユース」に近く、使用済みの素材を回収して原料として利用するなら「リサイクル」です。
日常的には混同されることもありますが、3Rではそれぞれの役割が分けられています。
実は3Rではリサイクルより先に「減らす」「再使用する」
名前が「リサイクルの日」なので、資源を循環させるには何でもリサイクルすればよいようにも感じられます。
ところが、日本の循環型社会づくりでは、リサイクルより先に「発生抑制」と「再使用」を考えることが基本とされています。
循環型社会形成推進基本法では、廃棄物などを扱う際の原則的な優先順位として、
1. 発生抑制
2. 再使用
3. 再生利用
4. 熱回収
5. 適正処分
という順序が示されています。
3Rに当てはめると、基本的にはリデュース → リユース → リサイクルの順です。
ここに出てくる熱回収とは、廃棄物を焼却した際に発生する熱を、発電や給湯などのエネルギーとして利用することです。再使用や再生利用とは異なりますが、単に処分する前に利用できるエネルギーを生かす方法として位置づけられています。
ただし、この順番をどんな場合でも機械的に当てはめるわけではありません。実際には、別の方法を選んだほうが環境への負荷を小さくできる場合など、状況に応じた考え方も必要とされています。
つまり、リサイクルの日に考えたいのは、「捨てた後にどう再資源化するか」だけではありません。
そもそも不要な物を増やさないこと。まだ使える物ならできるだけ長く使うこと。そのうえで、役目を終えた物を資源として循環させることが重視されています。
リサイクルだけでなく、そもそもごみを生み出さない方法を先に考えることも、3Rの重要な考え方です。
3Rはリサイクルだけではなく、「減らす」「繰り返し使う」ことまで含めた考え方です。
10月は「3R推進月間」でもある
リサイクルの日がある10月は、「リデュース・リユース・リサイクル推進月間」、略して「3R推進月間」とされています。
関係省庁では毎年10月に、3Rへの理解と協力を広げるための普及啓発活動を行っています。
10月20日の「リサイクルの日」と、10月全体の「3R推進月間」は別のものです。
リサイクルの日は、日本リサイクルネットワーク会議が1990年に制定したとされる記念日です。一方の3R推進月間は、国の関係省庁が10月に実施している取り組みです。
「リサイクル推進月間」から3R推進月間へ
3R推進月間も、最初から現在の名称だったわけではありません。
関係省庁では1991年から毎年10月を「リサイクル推進月間」として、資源の有効利用やリサイクルへの理解を広げる取り組みを行ってきました。
その後、「使い終えた物を再資源化する」だけではなく、廃棄物そのものを減らすリデュースと、繰り返し使うリユースも一緒に進める考え方が広がります。
そして2002年から「リデュース・リユース・リサイクル推進月間」へ名称が変更され、現在の3R推進月間となりました。
リサイクルという一つの方法から、資源の使い方全体を見直す3Rへと考え方が広がってきたことが、名称の変化からも分かります。
リサイクルから「循環経済」へ
資源を循環させる考え方は、現在では3Rからさらに広がっています。
近年重視されているのが、サーキュラーエコノミー(循環経済)です。
サーキュラーエコノミーでは、使い終えた物を最後にリサイクルするだけではなく、製品を作る段階から、資源や製品をできるだけ長く使い続けられる仕組みを考えます。
たとえば、修理しやすい製品にする、部品を交換して長く使えるようにする、再使用しやすくする、材料を回収して再び使いやすくするといった考え方です。
日本でも、これまで進められてきた3Rを発展させる形で、資源を効率よく循環させながら価値をできるだけ長く保つ循環経済への移行が進められています。
これは、「捨てた物をどう処理するか」だけを考えるのではなく、物を作る段階から廃棄物や資源消費を減らしていこうとする考え方です。
「ひとまわり、ふたまわり」というリサイクルの日の由来は、こうした現在の資源循環にもつながる考え方を表しています。
一度使った物を資源として再び利用する。まだ使える物なら繰り返し使う。そもそも不要な廃棄物を生み出さない。
これらを組み合わせることで、限りある資源をできるだけ有効に使うことにつながります。
循環型社会形成推進基本法でも、廃棄物の発生を抑え、資源を循環的に利用し、適切に処分することで、天然資源の消費を抑えながら環境への負荷を減らしていくことが基本的な考え方になっています。
リサイクルの日という名前から「分別して再資源化する日」と考えがちですが、その背景には、物を使い始める段階から使い終えるまで、資源の流れ全体に目を向ける考え方があります。
まとめ
リサイクルの日は毎年10月20日です。
日付は、資源が循環する様子を表した「ひとまわり(10)、ふたまわり(20)」という語呂合わせに由来し、1990年に日本リサイクルネットワーク会議が制定したとされています。
リサイクルは3Rの一つです。3Rでは、まずごみを減らす「リデュース」、次に繰り返し使う「リユース」、そのうえで資源として生かす「リサイクル」という考え方が基本になっています。
10月は3R推進月間でもあり、1991年に始まったリサイクル推進月間が、2002年から現在の名称になりました。近年では、3Rをさらに発展させたサーキュラーエコノミーへの移行も進められています。
10月20日は「捨てた物をどう再利用するか」だけではなく、物をできるだけ長く使い、限りある資源をどう循環させていくかにも目を向ける記念日です。
参考情報
- 国立環境研究所 資源循環領域オンラインマガジン「ごみ・リサイクルの記念日」
- 環境省「循環型社会形成推進基本法(条文)」
- 環境省「循環型社会形成推進基本法案の概要」
- 環境省「3R推進月間について」
- 環境省「『リサイクル推進月間』事業におけるリサイクル推進功労者等の表彰について」
- 経済産業省「10月は3R(リデュース・リユース・リサイクル)推進月間」
- 経済産業省「サーキュラーエコノミーをわかりやすく、行動しやすくするサイト」
