「アラサー」「アラフォー」という言葉は、日常会話やメディア、SNSなどでよく使われています。
一方で、「何歳から何歳までを指すのか」と聞かれると、はっきり答えにくい言葉でもあります。人によっては28歳くらいからアラサーと感じることもあれば、34歳くらいまでアラサーと受け取ることもあります。
その曖昧さも、アラサー・アラフォーらしい特徴です。
アラサー・アラフォーは、年齢を正確に区切る言葉というより、30歳前後・40歳前後という年代感をやわらかく伝える表現です。由来や広まり方を知ると、人によって年齢の範囲がずれる理由もつかみやすくなります。
アラサー・アラフォーの基本的な意味
アラサーは、around thirty(30歳前後)をもとにした略語です。
アラフォーは、around forty(40歳前後)をもとにした略語です。
ただし、これは英語圏でそのまま同じ感覚で広く使われている表現というより、日本語の中で作られ、定着した略語です。英語の語感を取り入れた、和製英語に近い表現と見ると分かりやすいでしょう。
アラサーは「30歳ちょうど」ではなく、30歳の前後を含む表現です。アラフォーも同じように、40歳ちょうどではなく、40歳前後の年代感を表します。
もともと、厳密な年齢の区切りを表す言葉ではありません。
そのため、アラサーを「30歳だけ」、アラフォーを「40歳だけ」と考えると、実際の使われ方とは少しずれてしまいます。
何歳から何歳までがアラサー・アラフォーなのか
アラサー・アラフォーには、公的に決められた年齢の範囲はありません。
一般的には、アラサーは20代後半から30代前半くらい、アラフォーは30代後半から40代前半くらいを指す感覚で使われることが多いです。
たとえば、アラサーなら27歳から33歳くらい、あるいは25歳から34歳くらいと広めに見る人もいます。アラフォーも、37歳から43歳くらいと感じる人もいれば、35歳から44歳くらいまでを含めて考える人もいます。
ただし、これはあくまで使われやすい感覚です。法律や統計のように、はっきりした線引きがあるわけではありません。
そのため、「何歳からアラサーなのか」「いつまでアラフォーなのか」は、人や場面によって少しずつ変わります。
なぜ年齢の範囲が曖昧なのか
アラサー・アラフォーに明確な定義がないのは、公的な年齢区分ではなく、会話の中で広まった表現だからです。
法律や行政、統計では、年齢は数値で区切られます。たとえば「30歳以上」「40代」「35歳から44歳」のように、対象をはっきり分ける必要があります。
一方、アラサー・アラフォーは、正確な年齢を伝えるための言葉ではありません。会話の中で年齢を少しぼかしたり、年代の雰囲気を伝えたりするために使われます。
たとえば、「30歳です」と言うよりも、「アラサーです」と言ったほうが、年齢を少しやわらかく伝えられる場面があります。
「40歳前後の世代」と言うよりも、「アラフォー世代」と言ったほうが、会話として軽く聞こえることもあります。
このように、アラサー・アラフォーは正確さよりも、年代感や会話の距離感を伝える表現として使われてきました。だからこそ、年齢の範囲も固定されにくいのです。
アラサー・アラフォーはいつごろ広まったのか
アラサーは、2000年代半ばごろから広まった言葉とされています。もともとは、30歳前後の女性を指すメディアやファッション業界の言葉として使われることが多くありました。
その後、30歳前後の生き方や働き方、恋愛、暮らし方などを語る言葉として、雑誌やテレビ、ネット上でも使われるようになっていきます。
アラフォーは、アラサーをもとにした表現です。2000年代後半にはテレビドラマやメディアで取り上げられ、40歳前後の世代を表す言葉として広く知られるようになりました。
当初は女性の世代感と結びついて語られることが多かった言葉ですが、現在では性別を問わず「30歳前後」「40歳前後」を表す表現として使われる場面も増えています。
ただし、文脈によっては今でも女性向けの言葉という印象で受け取られることがあります。
三十路・四十路との違い
アラサー・アラフォーと混同されやすい言葉に、「三十路(みそじ)」「四十路(よそじ)」があります。
三十路は、本来30歳を指す言葉です。
四十路は、本来40歳を指す言葉です。
つまり、三十路・四十路は、もともとは特定の年齢を表す言葉です。一方、アラサー・アラフォーは、30歳前後・40歳前後という幅を持った言葉です。
三十路は30歳。
アラサーは30歳前後。
四十路は40歳。
アラフォーは40歳前後。
このように分けて考えると、違いが見えやすくなります。
30歳前後・40歳前後のように幅を持たせて言いたい場合は、「三十路」「四十路」よりも、アラサーやアラフォーのほうが近い表現です。反対に、30歳・40歳という節目そのものを表したい場合は、三十路・四十路のほうが本来の意味に合います。
三十路・四十路・五十路の本来の意味を知ると、アラサー・アラフォーが「前後」を含む言葉だと分かりやすくなります。
現代では、これらの言葉が混ざって使われることもあります。そのため、年齢表現全体が少し曖昧に感じられる場面が生まれやすくなっています。
なぜ現代で広く使われるようになったのか
アラサー・アラフォーが定着した背景には、社会の変化もあります。
かつては、年齢ごとに「結婚」「仕事」「家庭」「役割」などが比較的はっきり語られやすい時代がありました。しかし現代では、生き方やライフステージが人によって大きく異なります。
同じ30歳でも、学生の人もいれば、会社員として長く働いている人もいます。結婚している人もいれば、独身の人もいます。転職や学び直しをしている人もいます。
40歳前後でも、働き方や家族構成、暮らし方は人によってかなり違います。
そうした時代では、年齢を数字だけで区切る表現が少し合わない場面も出てきます。「30歳」「40歳」と言い切るよりも、「アラサー」「アラフォー」と少し幅を持たせた言い方のほうが、会話に合うことがあるのです。
アラサー・アラフォーは、年齢を断定せず、相手との距離感を保つための言葉としても機能しています。
「曖昧さ」が間違いではない理由
「アラサーって結局、何歳なのかわからない」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、アラサー・アラフォーの曖昧さは、使いにくさではなく、場面によっては便利さにもなります。厳密に区切らないからこそ使いやすい場面があるためです。
たとえば、相手の年齢をはっきり言わずに年代感を伝えたいとき。
自分の年齢を少しぼかして話したいとき。
同じ世代感を共有したいとき。
こうした場面では、アラサー・アラフォーのような表現が便利です。
数字を直接出さないことで、会話をやわらかくする働きもあります。年齢を正確に伝える必要がある場面では向きませんが、日常会話ではほどよい曖昧さが役立つこともあります。
受け取り方には個人差がある
アラサー・アラフォーという言葉の受け取り方には、個人差があります。
たとえば、28歳でアラサーと言われても気にならない人もいれば、まだアラサーとは言われたくないと感じる人もいます。38歳でアラフォーと呼ばれて納得する人もいれば、少し抵抗を感じる人もいます。
これは、年齢そのものだけでなく、自分がどの世代にいると感じているかにも関わります。
また、アラサー・アラフォーは自分自身に使うと軽い表現になりやすい一方で、他人に向けて使うと年齢を指摘しているように聞こえることもあります。
会話で使うときは、相手との関係や場面に合わせるのがよいでしょう。親しい間柄なら問題なく使える言葉でも、初対面や改まった場では、別の言い方にしたほうが無難な場合もあります。
Q&A(よくある疑問)
まとめ
アラサー・アラフォーとは、それぞれ「30歳前後」「40歳前後」を表す年齢表現です。
アラサーはaround thirty、アラフォーはaround fortyをもとにした日本語の略語で、厳密な年齢の線引きをする言葉ではありません。
一般的には、アラサーは20代後半から30代前半、アラフォーは30代後半から40代前半くらいを指すことが多いですが、明確な定義はありません。人や場面によって範囲が揺れるのは、この言葉がもともと「前後」を含む表現だからです。
また、三十路・四十路が本来30歳・40歳を指すのに対し、アラサー・アラフォーは幅を持った年代感を表します。
はっきりとした定義がないのは欠点ではなく、メディアや日常会話の中で、変化する社会や多様な生き方に合わせて広まっていった結果とも言えます。
年齢を少しぼかして伝えられる表現だからこそ、今も日常会話やメディアの中で使われ続けているのでしょう。
参考情報
- コトバンク「アラサー」
- コトバンク「アラフォー」
- ORICON NEWS「流行語『アラフォー』は何歳から何歳まで?」
- コトバンク「三十」
- コトバンク「十路」

