ゴールデンウィークの中で、少し意味を見落とされやすい祝日の一つが、5月4日の「みどりの日」です。
名前から自然や緑に関係する日だと想像しやすい一方で、なぜ5月4日なのか、以前は別の日だったことまでは知らない人もいるかもしれません。
国民の祝日に関する法律では、みどりの日は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」日とされています。
現在のみどりの日は5月4日ですが、最初からこの日だったわけではありません。もともとは4月29日の祝日で、その後、4月29日が「昭和の日」になったことで、みどりの日は5月4日へ移りました。
みどりの日はどんな祝日なのか
みどりの日は、自然を身近に感じ、その恩恵に感謝するための祝日です。
5月上旬は新緑が目立ち、外を歩いていても若葉の季節を感じやすい時期です。名前の印象からも、木々や草花、自然と関係する祝日だとわかりやすい日といえます。
ただ、みどりの日は単に「緑を眺める日」というだけではありません。自然に親しむこと、自然から受けている恵みに目を向けること、そして豊かな心を育てることが祝日の趣旨に含まれています。
ゴールデンウィーク中の祝日として見ると、みどりの日は少し存在感が薄くなりがちです。けれど、5月3日の憲法記念日、5月5日のこどもの日に挟まれた日として、自然や季節に目を向ける役割を持っています。
みどりの日は最初から5月4日ではなかった
みどりの日を理解するうえで重要なのが、現在の5月4日になる前は、4月29日の祝日だったという点です。
現在は5月4日ですが、1989年に設けられた当初のみどりの日は4月29日でした。4月29日は、もともと昭和天皇の誕生日であり、以前は「天皇誕生日」として祝日になっていました。
昭和天皇の崩御後、天皇誕生日は新しい天皇の誕生日へ移りました。その一方で、4月29日はゴールデンウィークを構成する日として定着していたため、新たに「みどりの日」として祝日になりました。
この名前には、昭和天皇が自然に親しまれていたことや、日本が緑豊かな自然を持つ国であることが関係しています。
つまり、みどりの日は、単にカレンダー上の空白を埋めるためだけに作られた祝日ではありません。自然への親しみや感謝を表す祝日として位置づけられました。
5月4日はもともとどんな日だったのか
現在のみどりの日である5月4日は、以前から休みの日として扱われていました。
5月3日は憲法記念日、5月5日はこどもの日です。5月4日は、この2つの祝日に挟まれた平日だったため、祝日法の規定により休日とされていました。
つまり、5月4日は、もともと「みどりの日」という名前の祝日ではありませんでした。
祝日と祝日に挟まれた平日として休日になっていた5月4日が、後に正式な「みどりの日」になったという流れです。この点を知ると、なぜ5月4日がみどりの日になったのかが理解しやすくなります。
みどりの日が5月4日になった経緯
みどりの日が5月4日になった背景には、4月29日の扱いが関係しています。
4月29日が昭和の日になった
4月29日は、もともと昭和天皇の誕生日でした。その後、1989年からは「みどりの日」となり、さらに2007年からは「昭和の日」となりました。
昭和の日は、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日とされています。
4月29日に昭和の日という意味が与えられたことで、それまで4月29日にあったみどりの日は、別の日へ移ることになりました。
5月4日は休日として定着していた
みどりの日の移動先となったのが、5月4日です。
5月4日は、青葉若葉の季節であり、ゴールデンウィークの中にある日でもあります。さらに、すでに憲法記念日とこどもの日に挟まれた休日として定着していました。
そのため、自然に親しむ祝日であるみどりの日が、5月4日に移る形になりました。
みどりの日は、この変更でなくなったわけではありません。4月29日には昭和の日という新しい意味が与えられ、自然に親しむ祝日としてのみどりの日は5月4日に移りました。
現在の並びは、次のように見るとわかりやすくなります。
4月29日は昭和の日。
5月3日は憲法記念日。
5月4日はみどりの日。
5月5日はこどもの日。
ゴールデンウィークには、それぞれ違う意味を持つ祝日が並んでいます。
昭和の日との関係
みどりの日を理解するうえで、昭和の日との関係は重要です。
現在の昭和の日である4月29日は、かつてのみどりの日でした。さらにその前は、昭和天皇の天皇誕生日でした。つまり、4月29日は時代によって祝日の名前と意味が変わってきた日です。
4月29日は名前と意味が変わってきた
4月29日は、昭和の時代には天皇誕生日でした。
その後、昭和天皇の崩御により天皇誕生日は別の日へ移り、4月29日はみどりの日となりました。そして2007年からは昭和の日となっています。
この流れを押さえると、4月29日と5月4日の関係がつかみやすくなります。みどりの日は、もともと4月29日にあり、その後5月4日へ移った祝日です。
現在は昭和の日とみどりの日で趣旨が分かれている
現在の昭和の日とみどりの日は、同じ意味の祝日ではありません。
昭和の日は、昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす日です。一方、みどりの日は、自然に親しみ、その恩恵に感謝する日です。
どちらも4月29日の歴史と関係しますが、現在の祝日の趣旨は別々です。
4月29日は昭和の時代を振り返る日。
5月4日は自然に親しみ、その恵みに感謝する日。
このように分けて考えると、昭和の日とみどりの日の違いがわかりやすくなります。
みどりの日をどう過ごす日として見るか
みどりの日には、特別な行事をしなければならない決まりはありません。
ただ、祝日の趣旨に合わせて見るなら、自然に触れることと相性のよい日です。公園を歩く、庭やベランダの植物を見る、近くの木々や川に目を向けるだけでも、みどりの日らしい過ごし方になります。
大きな自然の中へ出かける必要はありません。街路樹、草花、空の色、季節の風の変化など、身近な場所にも自然はあります。
ゴールデンウィークの中では、旅行やレジャーの予定に意識が向きやすい時期です。そんな中で、5月4日が自然に親しむ祝日だと知っておくと、連休の見え方も少し変わります。
みどりの日は、自然を遠くのものとしてではなく、日常の中にあるものとして見直すきっかけになる祝日です。
Q&A(よくある疑問)
まとめ
5月4日のみどりの日は、自然に親しみ、その恩恵に感謝する国民の祝日です。
現在は5月4日ですが、もともとは4月29日の祝日として設けられました。その後、4月29日が昭和の日となり、みどりの日は5月4日へ移りました。
5月4日は、以前から憲法記念日とこどもの日に挟まれた平日が休日になる規定により、休日として定着していた日でもあります。そこに、みどりの日という名前と意味が与えられ、現在の形になりました。
ゴールデンウィークの中では、休みの日としてまとめて見られがちですが、5月4日には自然に目を向ける祝日としての意味があります。若葉の季節に、身近な自然やその恵みを少し意識するだけでも、みどりの日の意味は感じやすくなります。
参考情報
- 内閣府「各『国民の祝日』について」
- 内閣府「国民の祝日について」
- e-Gov法令検索「国民の祝日に関する法律」
- 政府広報オンライン「2026年の祝日は?知ってそうで知らない『国民の祝日』とその趣旨や経緯」
